2010年04月29日

必殺仕分け人→光より速い通信技術の登場?

一昨日の仕分けでは、光ルータと光スイッチの仕分けの際に、上記のような言葉が出たそうなので、なんだろうねぇ、とは思っていましたが、詳しく説明しているサイトがありました。

光より速い通信技術の登場?

なるほど、NICTの仕分けの中で出てきた言葉だったのですね。

NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)のサイトはこちら

NICTの主な基礎研究内容

これの第一研究部門 新世代ネットワーク研究センター 超高速フォトニックネットワークが関わっている研究です。

で、ここに研究の簡単な紹介が。

主な基礎研究内容でも判るように非常に多岐に渡った研究がおこなわれているところです。
総花的な研究が行われているところ、と言ってもいいでしょうか。
研究テーマの絞り込みはいずれ必要なところでした。
そう言う意味でも、光ルーターと光スイッチに目を付けたのは、意外と良い勘しています。これらは、NICTがやらなくても、民間でどんどんやっていくテーマですからね。
それにしても、仕分け人側に最低限の知識と教養があったなら、縮減という結果にももう少し納得できたでしょうに、なんでこんな素人さんばかりでやろうとしたのでしょう。
posted by とのじ at 06:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2010年02月12日

GoogleがFTTHを始めるようです。

米国でも、既存事業者は一部地域でFTTHを提供してますけど、約10Mb/s程度で帯域制限しているのが現実ですから、1Gb/sは途方も無い数字に思えるでしょう。

でもね、アクセス回線だけが速くなっても、コア網の回線や各サイトのサーバーと回線もきちんと速くなって、アクセス回線の速さをフォローできないと、結局「1Gb/sなのに、なんで500kb/sでしかDL出来ないんだ」なんて事になりかねません。そうなると、高速性を利用した新しいアプリの開発なんて、絵に描いた餅にしか過ぎなくなります。

日本でもそうです。アクセス系光回線はGE-PONで1.25Gb/sの速度とユーザインターフェースでの100Mb/sも局とユーザの間ではきちんと出るのですが、実際は速い時でも30Mb/s程度だったりします。これはコア系と各サイトのサーバー(こちらの方が大きいかもしれない)それから、各サイトがどの位の太さの回線で繋がっているのかの問題だったりします。

米国では、と言うか、Googleもその周辺の人も余りそれを判っていないようで、さて、お手並み拝見と言う感じです。

# 米国の事だから、1Gb/sをあんまり言い過ぎると「出やしないじゃないか」と訴訟が起こるかもしれません。それも楽しみの一つだったりします。

Googleの超高速ブロードバンド実験 その意図は?


posted by とのじ at 15:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2008年04月06日

間違ったマーケティング例

ボス「映像配信事業成功のためには何が必要かね?」
部下A「やはり、ハリウッドと契約してなるべく大作映画を数多く揃える事です。」
ボス「キミはクビだ。そのやり方で進んだ映像配信事業者は揃って討ち死している。インフラが整備されない限りは、そんなものウォルマートかアマゾンでパッケージ・メディアを買うのに負けてしまう。他に何かないかね。」
部下B「それでもやはり、コンテンツです。多くの人が望み、それでいてこれまでパッケージ・メディアになった事はなく、かつ一話10分程度で切り売りできるものが理想です。」
ボス「そんな都合の良いものがこの世に存在するのかね?」
部下B「存在します。"サザエさん"と"ちびまる子ちゃん"、そして"ドラえもん"はいつの時代でも、視聴率は10%を超えており、しかもこれらはパッケージメディアとして発売された事もありません。そして、何より都合の良いことに基本的に一話完結でそれも多くは10分程度です。」
ボス「それは素晴らしい。それでは、その三つのどれかの配信権を、幾ら金が掛かってもいいから買ってこい。」

こうして、日本の映像配信事業への進出を企図した某外資系A社は、サザエさんのネットでの配信権の獲得に動き、成功した。どの程度の金額が動いたかについては、交渉した両者の秘密とされた。
某外資系A社はキラーコンテンツを獲得したと確信し、日本での映像配信事業の開始を大々的に発表した。

しかし、そのわずか1年後、日本市場からの撤退をプレスリリース一枚で発表した。
…理由については、日本人なら誰でも判るでしょう。
何となく見てしまうけれど金を払ってまではねぇ、ってものも存在するのです。

# しかし、もしかしたら"ドラえもん"だったら違っていたかもしれない、とかとも思ったりしますが。
posted by とのじ at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2007年11月22日

米国の事情に過ぎません−2010年にネットは飽和する

インターネットのキャパシティ、2010年には飽和状態に――米調査

記事中に、Nemertes Reseachと調査した会社名が出てきますので、検索すればサイトが判ります。
Nemetres Research
プレスリリースはこれ

で、登録(無料)すればレポート全文をダウンロード(PDF)できます。

そのExcuctive Summaryの一節を以下に。
Our findings indicate that although core fiber and switching/routing resources will scale nicely to support virtually any conceivable user demand, Internet access infrastructure, specifically in North America, will likely cease tobe adequate for supporting demand within the next three to five years. We estimate the financial investment required by access providers to “bridge the gap” between demand and capacity ranges from $42 billion to $55 billion, or roughly 60%-70% more than service providers currently plan to invest.

コア(局と局を繋ぐ中継回線網)の設備はユーザの増大に対応できるだろうが、"特に北米では"アクセスインフラ(局からユーザまでの回線)が今後3-5年で十分なサポートすることが出来なくなるだろう、と述べています。

米国ではアクセス系の広帯域化にかなり遅れており、光アクセスの加入数が既に1000万を突破した日本とは、全く状況が異なります。
この点、日米一緒くたにしたような報道では、記者の見識が疑われます。
日本ではむしろ、アクセス系の高速化によるコアへの負担増大が問題になっています。NTTがNGNをやる事にしたのも、オールIP化によりネットと親和性の高い網構成とすることで、増大するコアインフラへの経費削減を図りたいためです。

まあ、これなどはわかりやすい例ですが、日本の記事−特に外国報道の引用−は一次ソースに当たって確認しなければならない事が多すぎます。
特に、一般紙での政治経済関係の外電報道は酷いものですが、このようなちょっと専門的なものも、的外れな報道が極めて多かったりします。
ご注意ください。
posted by とのじ at 15:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2007年07月21日

日本の携帯メーカーが海外で弱い理由

日本の主要産業は、複数競合各社が競い合い、技術力と企画力と営業力をアップしてきました。

しかし、携帯電話の場合はキャリアが決定権を握っていた点で他の産業と違いました。
キャリア各社は新たなサービスを創出し、それに対応する仕様の端末を作るよう製造各社に要求してきました。
i-modeやお財布携帯、モバイルスイカなどのサービスは全てキャリアから出されたものであり、端末メーカーは要求されたものを実装したに過ぎません。
こうして、要求されるサービスを実装する技術力は向上しましたが、自ら新たな機能を創出するような企画力はほとんど育たなかったのでした。
そのため、端末メーカーの企画力は技術力の向上に比例して発達する事はありませんでした。
端末メーカーからの提案で目立つものは、カメラ付き携帯くらいでしょうか。

更に悪いのは営業力です。
携帯端末はキャリアが買い上げ、キャリアが小売に卸す形になっているため、携帯メーカーのエンドユーザに対する営業は、ほとんど必要がありませんでした。そのため、エンドユーザに対する売り込みノウハウはほとんど蓄積されないまま、今日に到ってしまいました。
そして、海外で売ろうとした時にも、どうやってエンドユーザに売ったらいいのかとのノウハウが全くありませんでした。また、新たな海外用端末を開発しようにも企画力が弱かったので、魅力的なものは開発できませんでした。
売れないのでは開発部隊のリソースは割けません。すると、新製品を出すことが出来なくなりますのでますます売れなくなる、との悪循環を繰り返し、海外からはほとんど撤退する事になってしまいました。

その背景に、日本における熾烈な競争とそれに見合う旨みがある事は忘れてはいけません。
四半期ごとに新製品を出すだけで開発部隊は手一杯です。しかし、キャリアの要求は過酷ですが、キャリアがある程度の量と価格を保証して買い上げてくれているので、手堅い商売ではあるのです。

こうした状況で、売れるかどうかも判らないし自分で売らなければならない海外用端末にまでリソースを投入するのは、なかなか勇気が必要なことになります。
この場合投入する人的リソースだけでも、最低限でも開発部隊の増強の他に、強力な商品企画部の編成と新規の海外営業部隊を立ち上げる必要があります。当然、金銭的リソースもそれに見合うだけの多大なものになります。

日本の携帯をそのまま持っていけば良いとの甘い考えは通用しません。
通信方式が異なるのは良く知られていることですが、i-mode、お財布ケータイ、モバイルスイカなどの日本で通用してるサービスも、他国ではインフラから整備しなければ使えないものです。
そして、一端末メーカーではこうしたインフラ整備は手に余ります。
結局は、海外専用端末を一から作る必要がありますが、日本では売れない海外専用端末を本気で売るならば、既に列挙したような多大なリソースの投入が必要となります。そして、それはうまくいった場合でも、ハイリスク・ローリターンな投資でしかない可能性がかなり高いのです。これでは、経営者が尻込みするのも無理はありません。
このようにして、日本の携帯メーカーは海外からほとんど撤退していきました。

結局、何が悪かったのでしょうね?
posted by とのじ at 20:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2007年02月23日

通信ネタ二題

其の壱
AT&Tが苦闘する通信・放送融合の技術ハードル【コラム】
 米ウォールストリート・ジャーナル紙は1月末、AT&TのIPTV「U-verse」が技術的な問題から頓挫していると報じた。光ファイバーと ADSLを組み合わせた同社のU-verseは、本格的な広域IP放送サービスのお手本として各国から注目されてきたが、米通信業界内では技術面での困難が以前から噂になっていた。(小池良次の米国事情)

AT&Tの失敗は当然と言えるでしょう。
まず、光はともかくADSLのような物理的速度の不安定な回線を使って、ストリーム映像サービスをしてしまったこと。これでは、途切れるとか切り替えが遅い、と言った苦情が出て当然です。これが失敗其の壱。
また、IPを使用した閉鎖型放送形態とのことですので、IPマルチキャストを使用しているのでしょうが、これは実は現在ホットな研究テーマでして、効率的な配信方法を巡って様々な提案がなされている状態です。そのような未完成な技術を使ったところが失敗其の弐。
研究所を持っていないAT&Tは、かつての伝からアルカテル・ルーセントを選択したのでしょうが、こうした既存の電話メーカーから派生した通信機器ベンダーはIP系には弱いのは常識です。むしろ、シスコなどを選択したほうが巧く行っていた可能性があります。機器ベンダー選択ミスが失敗其の参。
以上です。
それから、この筆者はHFC(Hybrid Fiber Coax)について、勘違いしていると思われます。HFCとは、適当な分配点までは光Fiberを使った伝送を行い、最後に各家庭に配信するルートはあくまで同軸ケーブルです。これにより、少なくとも分配点までは良好な品質の映像が送信されることが期待できます。
電話会社にとって、高価な光ファイバーを自前で整備せずに、従来の電話線よりは広帯域なアクセス回線を手に入れる事ができる利点があります。CATV会社にとっては、基幹網を電話会社が整備してくれるので、末端の分配点まで高品質な光ファイバーで送信できる利点があります。


其の弐
ネットワークはintelligentであるべきか、stupidであるべきかとの議論はこれまでずっとやられて来ましたが、結論はでていません。ただ、以下のような勘違いをしている人もいるようです。
どんな用途にせよ、インフラはひたすら高速大容量化を進めて、使い方はもっと上のレイヤーで工夫する今のネットの体制を続けた方が社会全体として効率的だということはすでに研究者の間では結論が出ている。
管理型ネットは虚弱になる(要登録)より

この部分は、「帯域管理したネットワーク(intelligentなネットワーク)でも、帯域管理しないネットワーク(stupidなネットワーク)でも、大容量化を進めた極限ではネットワーク利用効率は変わらない。それなら管理の楽なstupidなネットワークの方が良い」と勝手に翻訳しました。上記では、どうも内容がはっきりしないので。
この結論は正しいです。その意味では「研究者の間では結論が出ている」は正解です。ただし、これは通信キャリアからは見向きもされませんでした。
理由はこの結論の前提にあります。それは「ネットワークの帯域は無限に増加していく。そして、その極限で上記のような結論が成り立つ」と言う物です。
これでお判りでしょう。上記の結論は「机上の空論」に過ぎないのです。
実際のネットワークは、経済的・技術的要因により、提供帯域にどうしても制限が出てきます。当たり前の事です。そうした制限の中で帯域を可能な限り有効利用しようとするのが、intelligentなネットワークなのです。
研究者はそうした経済的・技術的要因による帯域の制限はどこに来るのかは判りませんから、取り敢えず「帯域は無限に拡大する」と仮定して研究します。それはそれで意味のある事ですが、それをそのまま現実の世界に当てはめる事はできません。
この様に、学者の研究の結論を引用する場合には、「どのような事が前提となっているか」を良く確認しないととんだ赤っ恥をかく事があります。
ご注意ください。
posted by とのじ at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2007年02月02日

「ベストエフォートの日本語訳は“無責任”である」

FOE2007(FiberOptics Expo 2007)におけるNTT西日本社長森下俊三氏の発言です。

【FOE 2007】NTT西日本森下社長、社会インフラとしてのネットワークについて語る
■ 「ベストエフォートは“無責任”」と次世代ネットワークの信頼性確保を強調
 現在、NTT西日本のほかNTT(持ち株)、NTT東日本が実施している次世代ネットワークのフィールドトライアルついて、森下氏はまず既存のインターネットの在り方について「ベストエフォートの日本語訳は“無責任”である」と批判。「ネットワークをインターネットでのみ利用するならばベストエフォートでも良いかも知れないが、社会インフラとして利用するのであれば品質が保証されていない」とし、次世代ネットワークを社会インフラとして確立させる必要性を訴えた。

文脈としては、NTTが現在フィールドトライアルを進めている次世代ネットワーク(NGN)を必要とする理由として、ベストエフォートネットワークでは社会インフラとして不十分、との主張のために出てきた言葉ですが、さすがにNTT地域会社のトップの口から「ベストエフォートは“無責任”」との言葉が出てくると強烈です。
実際、ベストエフォートとは「できるところまでで、勘弁してね」=「できなかったとしても、何もしないから」ですから、”無責任”なサービスではあるわけです。ただし、その分、料金がお安くなっていますと言うことです。
ただ、セキュリティや回線速度の確保などを全くしないわけにもいきませんから、そこのところをどの様にするかにより、つまり「できるところまで」をどのレベルに設定するかによって、各プロバイダーの料金や回線の安定性やサービスの差が発生するのです。
例えば、ADSLと言う物理媒体の伝送速度からして”ベストエフォート”なサービスを廉価に提供しているYahoo!BBに対して「回線速度が不安定」であるとか「セキュリティが甘い」とか「アフターサービスが悪い」と言った批判は筋違いな訳なのです。
“ベストエフォート”の考え方からすれば、料金を下げるとは、「できるところまで」のラインを下げることですから、低料金を謳う”ベストエフォート”サービスを選んだ以上、そうした事は甘受しなければならないものなのです。
言い換えれば、”ベストエフォート”サービスでは、”安全・安心・安定”は当たり前に提供されるものではない特別なサービスなのです。
さて、このように見てくれば、NTTがNGNをやろうとしている理由が判ります。
NGNは既存電話ネットワークも含めて、すべてIPネットワークに入れ替えようとするものですが、それ以上に重要なことは、既存のIPネットワークに欠けていた”安全・安心・安定”を始めとする様々な付加価値を加えることによって、より多様なサービスを行うことができるネットワークを構築しようとするものです。
つまり、NGNは、大容量データを低コストで伝送できるIPネットワークに、従来の固定電話網並の信頼性とそれ以上の柔軟性を持たせることによって、両方のネットワークの良いとこ取りを狙った野心的なネットワークなのです。
NGNはこれまでの固定電話網をIP網に全面更改しようとする野心的な試みですから、しばらくは様々な予想もしなかった不具合も発生することでしょう。それでも、家庭まで100Mの光回線が来ている日本の状況では、いつかは通らなければならない道なのでしょう。

#ちなみに、Yahoo!BBとSoftbank mobileは、全く別のサービスをしていますから、当然分けて考えなければなりません。
Softbank mobileは携帯電話であるとはいえ、"安全・安心・安定"が当然のものとして保障される事が要求される電話事業を行っているのですから、「回線が不安定」「セキュリティが甘い」「繋がり辛い」と言った点は、当然改善されるべきとユーザーが要求すべき項目なのです。
posted by とのじ at 19:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信

2005年10月19日

ニューメディア、マルチメディア、ユビキタス

通信業界の流行りのキーワードは、ほぼ10年毎に変わります。
20年前には、ニューメディアと言う言葉が流行りました。マルチメディアは10年ほど前です。そして、今はユビキタスと言う言葉が流行っています。
ニューメディアの時は、キャプテンシステムなるものが目玉でした。一応、通信回線上で画像と音声を扱い、なんだか良く判らないけれど新サービスを展開する事が目標でしたが、通信回線もISDNが精一杯であり、しかも、当時はまだPCは高嶺の花であった上に性能自体も低かったので、あっさり消えていきました。
そして、次に出て来たのが「マルチメディア」です。これはニューメディアのときと違い、世界的に言葉だけは流行りましたが、実態についてきちんと説明できる人は皆無でした。今改めて考えてみますと、一応「映像、音声、データの各サービスを融合し、自由に扱うことができるような仕組みを作り、新サービスを提供する」くらいのところに落ち着くかと思います。PCに関しては、Windows95も出てきて、普通に手に届く程度のものになりましたし、動画は無理にしても、静止画や音声は扱うことができるようになり、一応マルチメディアらしいことができるようなものになっていました。しかし、通信回線はニューメディアの頃とほとんど変わらず、ただISDN機器は安くなったので導入しやすくなり、アナログモデムもかなり速度が上がってきただけでした。結局これも言葉ばかりが先行して、実態が伴わなかったため、消えていきました。
さて、そして今は、「ユビキタス」が旬の言葉となりました。
ユビキタスとは、「いつでもどこでも、高度通信サービスを受ける事ができる環境を構築し、ユーザに提供する」くらいの概念です。
今回がこれまでと異なる点は、インフラやハードウェアに関しては、ほぼ構想を受け入れられるだけのものがそろっている点です。
PCは今やコモディティ商品となり、モバイル端末としては携帯電話が高度に発展しています。また、通信回線に関しては光ファイバーの本格的な普及が始まっており、無線も携帯の他に無線LANスポットの拡大や無線タグの登場など、様々な新技術が出現しています。ただ、通信回線に関して技術の進歩以上に大きかったのは、「ベスト・エフォート」の概念の浸透でしょう。これにより、通信料金は従量制から定額制に移行し、通信使用の際に料金を気にすることがなくなりました。
このように見ていきますと、ユビキタスに関しては、基本的なツールは揃いつつあります。次はこれをどう使いこなすか、が問題になってきます。この領域では、下から積み上げていく発想は通用しません。むしろ、突拍子も無いように見えるアイディアでも、それが多くのユーザに受け入れられる可能性があるならば、実現できてしまう事もあるでしょう。
もう30年くらい昔から叫ばれ続けていた「来たるべき高度情報化社会」がようやく実現しようとしている今、その社会がどのようなものになるかは、これから数年間で基本的な部分は決まってしまうでしょう。そう感じています。
posted by とのじ at 12:42 | Comment(2) | TrackBack(0) | 情報通信

2005年08月10日

通信のパラダイム転換

既に起きてしまっていることを書き記す行為にどの程度の意義があるのか判りませんが、書き記しておきます。
通信のブロードバンド化は、通信業界にパラダイム転換を迫りました。
それまでの、従量制料金・帯域固定・品質保証の世界から、定額常時接続・帯域保証なし・ベストエフォートの世界への転換、です。
それにより、電話会社の収入構造は大きく変わりつつあります。3年前に「5年後には音声通話は無料になる」と言われても信じられませんでしたが、今「2年後には音声通話は無料になっている」と言われても、「まぁ、そうでしょうね」と簡単に納得してしまいます。と言うか逆に「今更、何を」とさえ思ってしまうかもしれません。
このように、これまで通信会社にとって主要な収入源であった音声電話料金は、数年後にはほとんど無くなってしまうことが誰の目にも明らかになっているのです。
それでは、それに変わる通信会社の収入はなんでしょうか? 常時接続の接続料金だけでは、収入の大幅減少は避けられませんが、実はそれがまだ誰も判っていないのです。
海外の通信会社の中には「データ、IP電話、映像サービス」の3サービスを提供する、いわゆる「トリプル・プレイ」をブロードバンド時代のキラーサービスと位置づけているところもありますが、この分類自体からして、パラダイム転換以前の旧時代の思考です。
FTTHサービスを力技で導入したNTTの場合はさすがにこのような勘違いはしていないようですが、それでも先がどうなるか読みきれていないようです。例えば、NTTグループ中期経営計画においても、ネットワークの充実については具体的に触れていますが、その上で展開するサービスについては、御座なりにしか触れていません。むしろ、ともかく広い帯域をユーザに提供して、新サービスが生まれるのを待って、いつでもそれに載ることができる様に体制を整えているかのように見えます。
このように、パラダイムとは変わる時は実に簡単に変わってしまって、人々もまた容易に慣れてしまうものなのですが、その当事者がパラダイム転換の中で生き残るのは容易なことではないのです。

パラダイムが転換するときにどのような企業が生き残り成長することができるか、今後の通信業界を綿密に観察することによって、ひとつの結論がでるかもしれません。何しろ、ここまで、端的かつ急激で大規模にパラダイム転換が起こった業種は今までないでしょうから。
posted by とのじ at 00:50 | Comment(1) | TrackBack(0) | 情報通信
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