2006年05月02日

監督の立場

監督とは、冷徹な現実認識とそれに沿った戦略立案はもちろんですが、選手をのせてヤル気を引き出すのも仕事のうちです。
当たり前のことですが、どうも日本ではそれが忘れがちなようです。

ジョーク? 大予言? ジーコ4強発言波紋
 神様の“冗談”、それとも“大予言”?! ジーコ監督が4月27日に外国人記者クラブで発言した「W杯での日本の4強入り」発言が波紋を呼んでいる。
 あるJリーグの強化担当者は「高い目標を持つのは当然だが、日本がベスト4に入ると予想する人なんて、世界中にほとんどいない」と苦笑する。それでもジーコ監督は、ドイツ誌のインタビューで、「豪州に勝ち、クロアチアに引き分け、ブラジルからは1点獲る」と星勘定までも豪語。これに反応したイタリアの新聞は「神様は冗談がお好き!」と完全に笑いもの扱いだ。

このJリーグ関係者が誰だか知りませんが、この程度のコメントしかできないようでは、強化担当になるべきではありません。
評論家的には「日本のベスト4はまずありえない」は正解です。私も、1次リーグ突破は甘く見積もっても半々と言うところだろうな、とは思います。
しかし、ジーコ監督は日本代表チームの監督であり、監督としては今はたとえ自分が物笑いの種になったとしても、チームの士気を上げる事を第一として考えるべきであり、そうした立場からすればこのような発言は至極当然のことなのです。
その程度の監督としての機微も判らないようでは「Jリーグの強化担当者」として、いえ指導者として失格です。
ジーコ監督については、色々言われてきましたが、この一言だけでこれまでの日本代表監督よりもずっと格が上であると判ります。なにしろ、これまでの監督は「目標は1勝1敗1分です」と言う人や、「日本はベスト8になるべきではない」と宣言する人やら、自分の監督としての立場をわきまえていない人ばかりでしたから。
取りあえず、ワールドカップまであと一月足らずです。日本代表の活躍に期待したいところです。
posted by とのじ at 20:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ

2005年09月08日

ジーコ監督と指揮官の資質

昨日の親善試合で、日本はホンジュラスに5-4で勝利しました。
まるでノーガードの殴り合いのようなスコアですが、得点シーンを見る限りは両チームとも守備はザルでした。それにしても、日本代表がまともな海外チームとの試合で5得点を挙げたことはあったでしょうか?(アジア一次予選などは除く)。私は、5点取られて負けた試合は幾つか思い出しますが、5点取って勝った試合は思い出せません。
アジアカップ優勝とWC出場決定により、すっかりジーコ監督への批判は聞かれなくなりましたが、就任以降2年ほどは評判はひどいものでした。代表監督初体験とは言え、ジーコすら遠慮なく批判し監督交代の請願まで出すとは、日本のファンも遠慮しなくなったもの、と当時は思いました。しかし、もしこの時ジーコを更迭していたらどうなっていたでしょう? 少なくとも、神様ジーコすら更迭してしまうサッカー後進国(少なくとも欧州での評価はまだまだこのようなものかと思います。良く言っても、後進国から抜け出そうとしている国くらいの評価でしょう)の代表監督の後継の決定は相当難儀することになったでしょう。あえて火中の栗を拾おうとする事は、既に実績のある人ならば避けるであろうからです。そうした点でも、ジーコ監督を支え続けた日本サッカー協会は良い仕事をした、と言えると思います。まあ、結果論なのですが。
さて、ジーコ監督は選手の自主性を尊重し、自信を植え付ける事を重視していると、インタビュー記事で読んだ事があります。しかし、それだけではないと思います。
ジーコ監督自身が気がついているかどうか判りませんが、ジーコ監督にあって日本代表の前任者になかったもの、それは、「常に勝ちに行く。そして我々は勝てる」との意識です。
前任者たちも、勝利は常に考えていた、と異を唱えるかもしれませんが、そうではないのです。勝ちに行くためにはどうすればいいかを考えるのは監督の仕事ですが、「そして我々は勝てる」との信念は誰でも抱けるものではありません。
思い出しましょう。フランス大会の時の岡田監督の言葉を。一次リーグの目標を訊かれて「1勝1敗1分です」
思い出しましょう。日韓大会の時のトルシエ監督の言葉を。本トーナメント前に「日本はベスト8に行くべきではない」
想像してみてください。負ける事を前提とした監督の下で、選手たちは実力を、そして時には実力以上の力を、発揮する事ができるでしょうか?
岡田監督の言葉もトルシエ監督の言葉も、評論家としてならば正しいでしょう。しかし、彼らは選手を指揮する監督であったのです。そうである以上は、例え自分が信じていなくとも、選手を鼓舞する言葉を発しなければならなかったはずです。
岡田監督は「当然3勝して一位抜けです」と言わなければならなかったのですし、トルシエ監督は「ベスト4以下で敗退したら恥だ」と、言わなければならなかったのです。例え無理だと判っていても、それも監督の仕事のはずです。
ジーコ監督は、「そして我々は勝てる」と信じています。勝てないのは、日本代表の中にまだ解決されなければならない課題があるからであり、それが解決されれば必ず勝てる、と信じています。そうした選手たちへの信頼があるからこそ、選手たちも時には実力以上の力を発揮して運を呼び寄せて、勝利するのでしょう。
そう言えば、ジーコ監督はベッケンバウアと対談した際に、「日本はドイツ大会では優勝できない。日本が優勝するのは20年早い」と言われて、本気で怒ったそうです。私なんかは、「ベッケンバウアも、私が生きているうちに日本はWCで優勝できると言ってくれるのか」とむしろ喜んでしまったのですが。
もしかしたら、日本中で、そして多分世界中で、ただ一人ジーコ監督だけは日本がドイツ大会で優勝することを信じ、それをどうしたら実現できるか策を練っているのではないでしょうか。
少なくともジーコ監督の口からは選手の不甲斐なさを嘆く言葉が出る事はあっても、やる気をそぐ言葉が出る事が無いのは確実かと思います。
常に選手を信じ、どのような場合でも勝利を確信して選手たちを自信を持って送り出す。これこそがこれまでの代表監督に欠けていた、指揮官としての最も重要な資質なのです。
posted by とのじ at 12:06 | Comment(0) | TrackBack(1) | スポーツ

2005年06月21日

最近変な国、仏蘭西

なんだか、仏蘭西はイラク戦争反対後、やる事がどうも裏目に出てしまっているようです。
イラク情勢も、まだまだ落ち着いたとは言えませんが、選挙も取りあえず成功し政権はごたごたしながらも機能し始めている状況、さらに中東に民主化の要求が高まっている現実を見るにつけ、仏蘭西の態度は、長期的な視野に基づいたものと言うよりも、単に合衆国に対する反発からだったようです。その上、イラクへの食糧援助での国連関係のスキャンダルに仏蘭西が関与していた件などは申し開きようもありません。
以前にも書いたように、仏蘭西は反分裂法を支持してまで、中国に武器を売りたがっている国です。決して、どこかの国のお気楽なマスコミの報じるような、平和を愛している国なんかではありません。他の国と変わらない自国の国益に適うことを最優先にして動いているに過ぎません。ただ、最近の仏蘭西は、短期的に利益になる事であっても、長期的には極めてまずいものである事を、平気でやってしまっています。
更に、国内は不況で、EUの決めた財政赤字水準を自ら破り、周辺小国の反発を買い、その上、EU憲法の批准まで国民に否決され、また、阿蘭陀にも否決されました。これにより、仏蘭西自身が進めてきた一つのEUの理想に陰りが見えてきました。これも短期的な景気対策のため、長期的な損失を考慮しなかったことが原因でしょう。

そして、先日仏蘭西企業のミシュランが以下のような事件を起こしました。
ミシュラン勢が合同で声明「全ての方々に対し、申し訳なく思う」
危険だからシケインを設けて欲しいとの訴えをFIAに却下された事を批判したがっているようですが、却下されて当然なのです。なにしろ、もう一方のブリジストンは何の問題も無く、走行してしまっているのですから。
もし、この様な訴えが認められたら、例えば、複数のコンストラクターにエンジンを供給しているメーカーが、「このコースでは私たちのエンジンはブローして危険となる可能性があるから、シケインを設けて欲しい」と訴えたとしても、拒否する根拠がなくなります。競争相手がいるレースの場で、自分たちが対応できないから何とかして欲しいと言って受け入れてもらえるとの考えは、非常識極まりないものです。

仏蘭西は、ゆっくり落ち着ついて、自国が所詮地域大国に過ぎないことを受け入れてみたら如何でしょうか?
posted by とのじ at 00:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ
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