2012年04月21日

ベートーヴェンの交響曲を指揮者で

異論は許す。1番シューリヒト、2番ブリュッヘン 3番E.クライバー、4番トスカニーニ、5番セル、6番シェルヘン、7番クレンペラー、8番カラヤン(普門館)、9番フルトヴェングラー(バイロイト祝祭)。一度、これで聴いてみよう。
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ベートーヴェンの交響曲を一口で

1番はハイドン風、2番は中途半端、3番は3&4楽章が幼稚、4番は女々しい、5番はレゴブロック、6番は風景描写、7番は同じリズム、8番は小品、9番は彼岸の彼方に行っている、あるいはお祭り騒ぎ。結論、一度は聴いてみるべし。
posted by とのじ at 18:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2009年04月23日

お気に入りCDに関する言い訳

最近、Amazonのアフィリエイトに入りました。で、早速「お気に入りCD」なんてバナーを作ってみたりしました。
これに関する言い訳です。幾つかのCDについて説明してみます。
まずは演奏は良く、録音も水準以上のものを選んでいます。中には、VengerovのYsayeのように録音で選んだものもあります。録音で選んだとは言っても、録音が飛びぬけていい、と言うか、極めてきつい音でヴァイオリンが録音されているので、ツィーターのテストにはもってこいです。ちなみに、演奏も極めつけに巧い人です。
Chaussonですが、この人はフランスの寡作な作曲家で綺麗な曲を残しています。これ1組(2枚組)で、Chaussonの輪郭がつかめるお得なセットです。一番の聴きものは「Concerto」です。ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のための協奏曲、が正確な日本語訳ですが、面倒なので「Concerto」で済ませます。これは、所謂デッカ的な録音で、ピアノとヴァイオリンがオンマイクで入っています。特にピアノの低音は凄くて、現実のグランドピアノを目の前で鳴らされているよりも誇張された感じです。当然、再生も難しいはずなのですが、たいていのスピーカーは本当の低音(50Hz以下)は出ていないので、何となく鳴らせてしまいます。しかし、本当の低音の出るスピーカーでは、大変なことになります。
その他、本当は別のを選びたかったのだけど、と言うのもあります。ところが、最近はすぐに廃盤になってしまって入手性がよくないものや、元々AmazonはHMV等と比較してクラシックが弱いところがあって、現役のはずなのにAmazonにはないものがあったりするので、入手性重視で選んでいます。Beethovenはそうしたところが顕著ですが、良い演奏で録音もそれなりに良いものをえらんだつもりです。

と、言い訳でした。ちなみに、このお気に入りCD、気が向いたときに適当に変えていこうと思っています。
posted by とのじ at 22:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2007年02月03日

最近気に入ったCD

最近ちょっと個人的に気に入っているのは、ロバート・クラフトの振っているCDシリーズです。
ロバート・クラフトは、ストラヴィンスキーの弟子で、ストラヴィンスキー晩年の自作自演のオーケストラ演奏では、オケのリハーサルまでクラフトがやっていて、ストラヴィンスキーが振るのは本番だけ、と言う状態だったようです。
で、その人がストラヴィンスキーとシェーンベルクの作品を中心に録音したものがシリーズとなってNaxosから出ています。
経費削減で安売りを実現するNaxosにしては珍しく、オケはロンドンS.O.やフィルハーモニアOrch.と言ったイギリスの一流どころで、録音スタジオもほとんどがアビーロードスタジオで録音されています。録音スタッフも一流どころを連れてきたらしくかなり質の高い録音がなされています。
これをストラヴィンスキーの残した自作自演盤と聞き比べるのが最近の楽しみになっています。

もう一つ、演奏・録音ともに気に入ったSACEにBlomstedtのBurckner Sym.No.8があります。
録音は補助マイクをほとんど使っていないのではと思われるもので、天吊りマイクのみと感じられる部分がほとんどです。補助マイクは木管、ハープ、弦で時々使われている程度です。
その分、きちんとした装置で聞かないと地味に感じとられかねない録音ですが、コンサート会場で聞く感じにとても近く、ステレオイメージの展開では最上の部類に入るのでは、と思いました。ホール全体が良く鳴っているのをきちんと録っています。
平均レベルが他のCDと比べて、若干レベルが低いのでボリュームレベルの調整には気を使ってください。
演奏に関してはリンク先で語られていますから、特に多くを語りませんが、Blomstedtって、往年の巨匠を思わせるようなこんなスケールの大きな演奏をする人だったのか、と認識を新たにしました。
お勧めです。
posted by とのじ at 18:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2006年04月02日

クラシックの衰退 - モーツァルト生誕250周年

今更ですが、今年はモーツァルト生誕250周年です。
さて、1991年のモーツァルト没後200年の時は大いに盛り上がった(クラシック界限定)のですが、今年はどうも華やいだ雰囲気もありません。
ちなみに、ショスタコービッチも目出度く生誕100周年なのですが、日本では全く話題にもなっていません。ちなみに、露西亜ではプーチン大統領が陣頭指揮を執って、色々やるとの情報もあります。

さて、1991年から2006年までのこの15年にあったことを思い出してみますと、
・最後の巨匠指揮者たちの相次ぐ死により、(カラヤンやバーンスタイン、ショルティ、ヴァントに日本だと朝比奈など)売れ筋のオーケストラ録音で大きな話題となるものがほとんど出なくなりました。
・NAXOSの躍進。日本ではマイナーな曲を録音してくれる有難いレーベルとしてマニア向けのものとして捉えられてますが、欧米では、安売りの入門向けレーベルとして捉えられています。それに対抗するためか、大手レーベルは過去の名盤をバーゲン価格で売り出しました。その結果は消耗戦です。過去の名盤の面白さを再認識させてくれた代わりに現在の新譜のつまらなさを際立たせる結果となりました。
・リスナーの高齢化。20年くらい前までは、意外と高校生くらいでもクラシックを聴いている人はいましたが、今はどうでしょう。コンサート会場でもCDショップでも若い人を見かけることはほとんどなくなりました。クラシック全体で高齢化が進んでいるようです。
・CDメディアの成熟。CDは15年前にはまだ新しいメディアでしたので、これを気にCDを買ってみようと言う層もまだまだいました。しかし、今ではCDは成熟してしまったメディアで、これを気に、という人もいません。ユニバーサルはモーツァルト全集を出すのならばSACDで出すべきでしょうが、ユニバーサルはSACDの部門を解散したとか。
・ハイリスク・ローリターンな人的投資。子供の情操教育程度ならば、ピアノやバイオリンを習わせるのはいい事でしょうが、プロになろうとすると大変です。幼児期から始まるレッスンをして授業料の高い音楽大学への進学を果たしても、プロとして生計を立てることができる人はごく一部です。しかも、プロとしてやっていけるにしても、オーケストラの団員は決して高給取りとは言えませんし、ソリストとなったところで安定した収入は得られません。
他にもネット配信との不適合、等まだ色々あるかと思います。
様々な要因が絡み合っていますので、中々困難な問題だと思います。
posted by とのじ at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2006年02月27日

クラシックにとっての20世紀

まだ、クラシックは21世紀に作曲された曲を一曲も聴いていないことを思い出しました。
そこで、20世紀のクラシック史を短くにまとめてみましょう。
20世紀初頭、調性音楽は拡大に次ぐ拡大で限界まで来ていました。これを打破し音楽の表現領域の拡大を目指して様々な試みが始められました。最初に注目を浴びたのは無調音楽、そしてこれを発展させた十二音音楽でした。その他にも、リズム、オーケストレーション、他分野の音楽との融合などの試みにより、音楽表現を枠を広げ、遂には打ち破ろうと様々な技法、十二音を更に拡大し、音程ばかりか、リズム、音色、テンポなどの音楽の要素を全て均等に扱おうとしたセリー主義、トーンクラスタ、偶然性、電子音楽、など様々な試みが行われ、それは1960年代から1970年代の初頭にかけて頂点に達しました。もちろん、これに対して新古典主義など保守派からの抵抗もありましたが、音楽の前衛を押し広げるとの主張の前には、かき消されてしまいがちでした。
こうして、音楽表現の枠を打ち破ることに成功した現代音楽ですが、気がついてみると、現代音楽は『現代音楽』という見えない檻によって、聴衆から隔離されていたのでした。
聴衆がついてこない音楽など所詮は自己満足に過ぎない、と悟ったのでしょうか、1980年代から、再び調性とメロディの復権が図られるようになりました。ただ、前衛を経験したあとですから以前と同じではありません。
前衛音楽で用いられた手法から適時、好きなものを選択し自分の音楽の中に取り入れつつ、新しい保守的な音楽が作られるようになりました。シュニトケやペルトなどはそうした作曲家の一例かと思います。
こうして、現代のクラシック作曲家はぶちまけられた玩具(或いはジャンク)の中で、遊んでいる子供のような存在になりました。この中から、どのような作品が生まれてくるかは非常に興味深いところです。
ただ、一度離れてしまった聴衆は、まだ戻ってきたとはいえません。『現代音楽』の見えない檻はとても強固なものであるのです。
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2005年10月20日

カザルスの無伴奏チェロ組曲

パブロ・カザルスの弾いたJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲は、精神性でこれに勝るものはないと今でも絶賛する人から、演奏も解釈も古臭いと言う人までさまざまですが、今でも聴く価値はあります。
SP時代に録音したものですから、LPやCDに復刻する際には復刻する人の技術や感性によって、出来不出来が大きく異なります。この辺りは、昨今のアナログ録音テープからのリマスターによるCD(あるいはSACD)製作と事情が似ています。
そうした中で最近(と言っても発売されたのは2年前)、優れた復刻盤CDが出ました。Opus蔵と言う復刻盤専門の日本のマイナーレーベルです。
演奏の方はあちこちで語りつくされているので、今更私が語るべきこともありませんので音についてのみ語ります。
敢てノイズ低減処理をしなかったのでノイズは盛大ですが、オーケストラ録音のようにダイナミックレンジの大きなものではありませんので、しばらく聞いているれば慣れてしまいます。このCDで聞かれるカザルスのチェロは、これまでの復刻盤では聞く事のできなかった生々しく艶があるものであり、これまでは単なるノイズだと思っていた演奏中の音のかすれもしっかり聞こえてきてしまいます。カザルスは実は、この組曲を多彩な音色で奏でていたことがこれにより初めて判りました。この演奏に対する認識を改めさせられる思いがしました。
このような優れた復刻盤を出すレーベルが日本にあることに少しうれしく感じます。
posted by とのじ at 12:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2005年09月16日

オペラ入門

小泉首相の趣味にオペラ鑑賞があることで、オペラにちょっと興味を抱いた人もいるかと思いますが、まず何から聴いていいのか判らないのではないかと思います。
そこで、私が初心者向けにお勧めのオペラのリストを作ってみました。
これを機会にオペラを聴いてみようかと思う人が一人でもでたら幸いです。
推薦盤も挙げようかと思ったのですが、思いのほか廃盤になっていたりしているものが多くあきらめました。wikipediaにあるものに関してはリンクを張っています。
モーツァルト
フィガロの結婚
ドン・ジョバンニ
ロッシーニ
・セビリアの理髪師:フィガロの結婚の前の話。フィガロが伯爵の結婚のため活躍するオペラ・ブッファ。
シンデレラ
ウェーバー
魔弾の射手
ビゼー
カルメン
ヴェルディ
椿姫
アイーダ
・オテロ:シェイクスピア「オセロ」のオペラ化。
・ファルスタッフ:シェイクスピア「ウィンザーの陽気な夫人」のオペラ化。
ワーグナー
ローエングリン
・タンホイザー:愛欲の都ニールスベルクから帰還したタンホイザーは、清純な乙女の犠牲により救われる。
トリスタンとイゾルテ
ニュルンベルクのマイスタージンガー
プッチーニ
トスカ
・蝶々夫人:マダム・バタフライ。蝶々さんの愛と死の物語。
ラ・ボエーム
R.シュトラウス
サロメ
・薔薇の騎士


これでも、まだ選ぶには多すぎるし何を聴いたらいいか選べないという人には、この1枚。
ビゼー「カルメン」
クライバー指揮、キャストも豪華。ゼッフェレッリによる映像化で視覚的にも満足。
これで嵌らなければオペラとは無縁の人生を歩んでください、と思うお勧めの一枚。
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2005年07月25日

Molodiyaの録音とオイストラフ

旧ソ連の国営レーベルMelodiyaと言えば、LP時代には音の悪いレーベルとして有名でした。
まるでベールが何枚も重なった奥から、不鮮明なオーケストラが聞こえてくる、あるいは、妙にヒステリックだったりする、そんな印象が一般的だったと思います。
しかし、CDで再発売されるMolodiyaの旧譜はそうした印象を改めさせるものばかりでした。設備などの限界があったにせよ、CDでは、鮮明でかつスケール感をきちんと収録していようとする努力が伺え、それがある程度、実現しているものがほとんどでした。少なくとも、共産圏の録音エンジニア達も自分の出来る精一杯の努力をしていたのです。結局、旧共産圏のノルマ主義には品質管理の概念が無かったことが大きな原因でしょう。また、録音エンジニアも精一杯の録音をしていて、LPになった時にどういう風に鳴るのかと言うことに無頓着だったようにも思えます。
そうしたマスターテープを1980年代には西側でCDにして、また、共産圏崩壊後は、東側のマスターテープを買い叩いて安売りするレーベル(代表的なものはBrilliantでしょうか)が登場し、東側の録音自体は悪くなかったと再認識されるようになったと思います。
そうした旧Melodiyaの録音のBrilliantレーベルでの発売で最近の出色のものは、これかと思います。
David Oistrakh: Vionlin concertos
オイストラフの代表的な協奏曲録音がほとんど収録されています。録音年は、1939年から1968年までと非常に幅がありますが、1939年のMiaskovskyの協奏曲以外は鑑賞に耐えます。
1947年録音のLaloのスペイン交響曲も、オイストラフのバイオリンはきちんと取れています。オケは遠く帯域は広くありませんがかまぼこ型で、この時期の録音にありがちな高域がヒクテリックになったりしていませんので、聞きやすくなっています。ただ、オイストラフのバイオリンに関しては、非常にオンマイクで収録されているので、装置によってはヒステリックに鳴ることがあるかもしれません。しかし、それは装置の責任であって、録音の責任ではありません。
ノイズに関しては、デジタル処理して減少させてありますが、安上がりに処理したのでしょうか、初期ドルビー録音の息継ぎノイズのようなものが聴こえて、ちょっと気になります。
それでも、この値段からすれば十分「買い」に値するかと思います。クラシックに興味のある方なら、是非どうぞ。
posted by とのじ at 12:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2005年07月01日

三つのクロイツェル・ソナタ

クロイツェル・ソナタと呼ばれる作品は三つあります。

まずは、ベートーヴェン作曲のヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調op.47.
これは、作品の献呈者にちなんでこの様に呼ばれることになりました。
良くできた美しいヴァイオリン・ソナタで、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでも一番有名なので、聴いた事のある人も多いことと思います。ここでは、ちょっと厳しい雰囲気のオイストラフ(vn.)とオボーリン(pf.)の盤を推薦しておきます。
さて、今でこそ普通に美しいと感じられるのですが、19世紀の人には、極めて刺激的な音楽に聴こえたようです。そして、トルストイはこのソナタに触発されて、「クロイツェル・ソナタ」という中篇を書きました。
これは、妻を疑う嫉妬深い夫による陰惨な事件を描いたもので、この中でトルストイは、情動を抑えきれない人間の弱さを描いています。ベートーヴェン作のクロイツェル・ソナタはそうした情動を象徴するものとして、この作品の中で効果的に描かれています。
さて、このトルストイの「クロイツェル・ソナタ」を読みショックを受けたヤナーチェクは、この作品に触発されて作曲した弦楽四重曲に「クロイツェル・ソナタ」との副題をつけました。演奏はアルバンベルク・クァルテットで。

休日の暇な午後にでも、三つ続けて楽しんでみるのも一興でしょう。
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2005年06月17日

私的演奏協会とウィンナ・ワルツ

今も昔も新しい音楽に対する理解が得られない事は変わりなく、シェーンベルクもそうした状況に憤りを感じていました。
普通ならば、酒場で愚痴をこぼす事で憤りをごまかしてしまいますが、そこはシェーンベルク、他人がやらないなら自分でやってしまおうと、「私的演奏協会」なるものを設立し、新しい音楽の紹介をはじめました。予算も厳しいので編曲して室内楽での演奏です。マーラーの大地の歌すらも13人の室内楽版に編曲して演奏しました。
そして、当然のことですが、客は集まらず赤字は募ります。そこで仕方なく、J.シュトラウスII世のワルツのコンサートを催してお金を集めることにしました。やっぱり、これも編曲です。編曲者は自分たち、シェーンベルク、ベルク、ウェーベルンとお馴染みの面々です。
こうして、世にも奇怪な新ウィーン楽派編曲によるウィンナ・ワルツが誕生したのでした。
編曲はと言うと、曲の骨格だけを残して贅肉をそぎ落としたので、まるで骸骨たちのワルツのような印象を受けます。ただ、骸骨たちのワルツと言うのも奇妙にユーモラスです。
LPでは、私的演奏協会のために編曲された、ウェーベルン編曲のシェーンベルク「室内交響曲op.9」の縮小版や、ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」の室内楽版などが入っている盤があるのですが、こちらのCD化はないかと淡い期待をしています。
物好きな人にお勧めします。
次は、これよりすごいであろう、大地の歌の室内楽版を探してみます。ハルモニアムンディから出ていたようですが、今は品切れのようなのです。
posted by とのじ at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(1) | クラシック音楽

2005年06月10日

ワールドカップ vs チャイコフスキー・コンクール

中村紘子の「チャイコフスキー・コンクール??ピアニストが聴く現代」に次のような一節があります。
"男性審査委員たちは徹夜明けの眼をして、熱心に昨晩のサッカーのワールドカップの結果を語り合いつつ、こう嘆いていた「どうして、ワールドカップとチャイコフスキー・コンクールは同じ時期に重なるのか」"と。
この記述のように、チャイコフスキー・コンクールは4年に一度、それもワールドカップと同じ時季にありました。
社会主義ソヴィエトの時代には、国の厚い支援があったので裏で何をやっていようと関係ありませんでした。
しかし、社会主義崩壊後のロシアでは、国の支援は多少はあるでしょうが、民間のスポンサーを集めなければやっていけなくなりました。
それまでは、裏で何をやっていようと関係なかったのですが、民間スポンサーを集めるとなると広告効果がどの位であるかが問題になってきます。そして、裏で、たとえ音楽でなくとも、世界の注目を非常に集めるイベントがあると、マスコミ報道はそちらに集中し、コンクールの広告効果は低くなり、スポンサーも集めづらくなります。運の悪いことに、ワールドカップとは、オリンピックと並んで世界の注目を集めるイベントであるわけです。
それでも、これまでは何とかスポンサーを見つけて、運営し続けてきました。
ところが、1998年に審査委員長の弟子がピアノ部門で優勝すると言う疑惑の結果、スポンサー離れがおき始めました。更に運が悪かったのは、2002年のワールドカップが日本で行われたことです。これにより、コンクールは日本ではほとんど注目されず、そのため、今まで大スポンサーであった日本企業の支援がほとんど集まらない結果になりました。ちなみに、この時のコンクールでは、ピアノ部門で上原彩子が日本人として初優勝、バイオリン部門では川久保賜紀が最上位入賞と言う快挙を成し遂げましたが、ほとんどの日本の新聞ではベタ記事扱いでした。
そして、とうとうチャイコフスキー・コンクールはその伝統を曲げ、次回開催が2006年だったコンクールを2007年に延期することに決定しました。
次回開催を07年に延期 チャイコフスキーコンクール
このように、チャイコフスキー・コンクールすら蹴散らす、ワールドカップ。
北朝鮮に勝ち、予選組では世界で一番にドイツ大会に出場を決めた日本代表には、どうか1年後に、上原さんに負けないような活躍を見せて欲しいものです。
それとも、さすがにそれは欲張りな望みなのでしょうか?
posted by とのじ at 12:50 | Comment(0) | TrackBack(1) | クラシック音楽

2005年06月07日

指揮者の余芸

最近はバレンボイム、ロストロホーヴィッチ、アシュケナージ等ピアノ等の演奏家が指揮者になる例が増えていますが、それでは逆に指揮者が他の楽器を演奏しているCDはないか、と探してみるといくつかあったので、紹介したいと思います。

・プレヴィン: 達者な人でジャズでは何枚かピアノを弾いているものを録音しています。
・バーンスタインもピアノが上手で、確か、ラプソディーインブルーも弾き振りがあったかと思います。
そして、一枚で二度おいしいCDがこれです。
ショスタコーヴィッチ「ピアノ協奏曲1&2番、チェロ協奏曲」(CBS MPK44850)
バーンスタインの指揮、NYP、ピアノ協奏曲の1番ではプレヴィンがピアノを、2番はバーンスタインが弾き振りをしています。

・マゼール: マゼールは毎年恒例のウィーンフィルのニューイヤーコンサートでちょっとバイオリンを弾いたりしていますが、ここではソロ・ヴァイオリンを弾いています。
ショーソン「ピアノ、ヴァイオリン、弦楽四重奏のための協奏曲」(Telarc CD-80046)
上手なものです。このくらい弾けたら、モーツァルトあたりのヴァイオリン協奏曲くらいなら弾き振りでやれそうな感じです。

・ショルティ: とあるコンサートで、ストか事故かで大きな楽器(ティンパニー、バスドラム、ハープなど)を積んだトラックが開始時間に来なかったため、ショルティがピアノを弾いて、シカゴ交響楽団のメンバーとの室内楽の夕べとして、急場を凌いだとの逸話の持ち主です。そして、このLPではピアノ連弾の2番ピアノですが、バルトークを弾いています。
バルトーク「ピアノと打楽器のためのソナタ」他(CBS M42625)

・セル: セルのピアノに関するエピソードは知らないのですが、セルがピアノを弾いているCDがあります。
セル(pf), ブダペストSQ,「ブラームス: ピアノ五重奏op.34, シューベルト: 五重奏'鱒'」(BRIDGE 9062)
ブダペストSQ相手に引けを取らず、ピアノを演奏しています。

この人たちは、指揮者以外の演奏家としても、一流になっていたことでしょう。

# ここで一つ問題。ブダペスト弦楽四重奏団はとある特撮映画の一場面で名前が出てきますが、それは何と言う映画のどの場面でしょう?
これが、判る人は相当なオタクです。何のオタクであるかは判りませんが。
posted by とのじ at 01:56 | Comment(2) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2005年06月02日

私のCD棚の中の人

・むっつりスケベなオヤジで、前妻・後妻とヤリまくって、合計20人の子を成した精力絶倫男。
・口を開けば下ネタ連発。三度の飯より博打が好きで、借金しまくり気にしない、な人。
・整理整頓大の苦手。癇癪持ちですぐキレて、使用人が3日と持たずに逃げ出す独身男。
・とても内気で好きな人の前では口も聞けないほど。売れない作品ばかりどんどん書くだけで、友人達にたかって暮らす自称芸術家なフリーター。
・たまたま才能があった誇大妄想狂で、金も無いのに贅沢し続け借金しまくり、友人の妻を寝取って知らん振り。あげく、王様が援助してもでかい顔して、自分の作品専用の劇場まで作ってしまった大のユダヤ人嫌いなあのお人。

・・・まだまだ、続けることはできますが、人格を疑われそうなのでこの辺りで止めておきましょう。
こんな人たちが作った音楽が私のCD棚を埋めています。作った人たちがこんなだからこんな私になってしまったのか、こんな私だからこんな人たちが作った音楽が好きなのか、一体どちらなんでしょう?
ちなみに人物名ですが、上から、J.S.Bach, W.A.Mozart, L.v.Beethoven, F.Schubert, R.Wagnerと言います。
posted by とのじ at 18:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽

2005年05月17日

NAXOSの日本作曲家選輯

Naxos
NAXOSはこの選集に非常にまじめに取り組んでおり、これまで国内でほとんど取り上げられなかった作曲家にも光を当て、国内アカデミズムとは異なる視点から、様々な作曲家を取り上げています。特筆すべきは、戦後あえて避けられていた戦時中の作品も積極的に取り上げている事でしょう。この選集が完成した暁には、日本のクラシック作曲史に再考をせまるものと考えられるほどです。
今回紹介するのはその中の一枚。芥川也寸志は良く知られている作曲家で、国内でも既に何枚かCDも出ていますので、これまで無名だった、なんてことはありませんが、曲良し、演奏良し、録音良しでこの選集の最初の一枚にぴったりでないかと思い、取り上げました。これを聞いて興味を持った方は是非、選集のほかのCDも聞いてみて頂きたいと思います。
posted by とのじ at 23:15 | Comment(2) | TrackBack(1) | クラシック音楽

2005年05月02日

小澤のブルックナー

小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラのブルックナーの7番のSACDを聴きました。
ブルックナーと言いますと「キリスト教徒でないと判らない」とまでいう人がヨーロッパにはいたりしまして、宗教性と切り離せないようなところがありますが、この演奏は見事なくらい、聴いたあとに何も残りません。ただ綺麗な音楽の中に身を浸らせるだけの演奏でした。
この様に書くと否定的にこの演奏を捉えているように思われるでしょうが、むしろ逆です。私はこの演奏を否定できないどころか、積極的に擁護さえしたくなります。確かにこの演奏では音楽以外の何物もありません。しかし、それのどこがいけないのでしょうか?
音楽が、音楽として美しく、そこには精神性とか宗教性とかいわれるものは何もない。これこそが、音楽の音響の美としてのひとつの究極の姿ではないか、と思うのです。
小澤がサイトウキネンを積極的に振りたがる理由もこれを聴くと判るような気がします。小澤は何の伝統も無いがゆえに伝統にとらわれず、しかも極めて高性能なオーケストラ、が欲しかったのではないか、と想像するのです。
もちろん、これによって、これまでの演奏のあり方を否定するよう気は到底ありません。ただ、単に精神性なるものの有無で否定してしまうには、この演奏はあまりに魅力的であり完成されている、と思うのです。
posted by とのじ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽
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