2013年06月08日

昔のスピーカーの思い出

その昔「測定できる範囲でよいスピーカーを作っているのに、なんで評価が低いのだろう」と嘆いた日本の技術者がいたと言う。
10年以上は前になるだろうか、HS-400と言う日立の往年の名機をバラしたことがある。持ち主がユニットだけ欲しいと言うことだったので。
確かにユニットは良い物だった。もしかしたら、今でも通用するかもと思うくらい。しかし、箱は安物のパーチクルボードでハンマーの一撃で粉砕できるようなもの。
ネットワークにいたっては、アンプで使うような小さな素子が(主にピークキャンセラーだろうと想像)裏板一面にびっしりと。
こんなもの作っていながら、「測定できる範囲でよいスピーカーを作って」いたつもりなのだろうか。測定できない範囲でも、手を抜いていては音は良くならないということすらわかっていなかったようだ
当時の技術者の意識の低さを垣間見るような出来事だったので、今でも鮮烈に覚えている。
posted by とのじ at 23:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2012年06月24日

最近凝っていること。

最近凝っている事に、アナログディスク再生とともに、オープンリールのミュージックテープの収集があります。収集といってもネットオークションで出たものから気に入ったものを一つずつ落札しているだけですが、それでも、この一月ほどで10巻くらいのテープが集まりました。これで、総数70巻くらいかな?結構増えてきました。
7号の4tr/19cmのテープで最大90分ほどになるので、なかにはLP2枚分を1巻に収めたものもあります。ベートーヴェンの第九+序曲とか、ベルリオーズのレクイェム、ブリテンのウォーレクイエム、シェーンベルグのグレの歌などがそれにあたります。
テープのレコードに対する優位点は、再生時の安定性でしょうか。静電気やゴミに起因するプチノイズはありませんし、ffでも破綻は少ない。逆に劣っている点は、磁気録音だから経年変化で劣化する、テープデッキが30年前に進化を止めてしまっている、ほとんどのメーカーではメンテを受け付けてくれない、と言った点でしょうか。
幸い、ティアックはまだ1970年代以降のものならばかなりメンテを受け付けてくれるので助かっていますが(私が使っているのはTeac A-6100)、このメンテナンスの問題は今後ますます困難になるでしょう。A-6100に関してはつい先日メンテナンスに出したばかりなので、あと5年くらいは大丈夫かな、と思っています。
テープミュージック再生は、オーディオでも極道になりつつあるアナログ再生の中でも獣道を歩んでいくようなもの、と言えるでしょうか。
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2012年04月22日

久しぶりのSL700

今日は朝起きた時に、久しぶりにSL700を聞きたい気分になっていた。それで、朝飯の後にSL700をサブシステムにセットし、先ほど鳴らし始めたところ。2年ぶりくらいかな?
1時間ほど鳴らしているが、大分眼が覚めてきたようだ。
空間表現については今でも一流のものがあると思う。解像度は最新のものに比べれば落ちるかもしれないが、分解しすぎない良さも確かにあって、音楽が音としてで無く、きちんと音楽として聞こえる
やっぱり良いスピーカーだと再認識。
posted by とのじ at 09:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2012年04月15日

アナログ道楽

最近、私が楽しんでいる事に、アナログディスクの再生があります。今更ですが、音が良いんですね。S/N比以外は。
VPI HW-16.5と言うレコードクリーナーで丁寧に掃除してから聴いているので、静電気、に起因するノイズや黴はほとんど気になりません。
アナログの構成は、Thorens Td124+SME 3010R+DENON DL-103R or Shure V15typeV → (Phase Tech T-3) → QUAD QC24P と言う組み合わせです。T-3は昇圧トランスで、MCカートリッジを使う時に入れています。
基本的に、ヴィンテージなプレーヤーシステムに現代のフォノイコライザ(&トランス)を組み合わせたものです。
これで、Esoteric X-05のCD再生よりは良く鳴ります。SACD再生とは僅差の差でアナログかな、と言う感じです。
それにしても、アナログと言うのはどこを変えても音が変わります。
例えば、シェル。
以前は単純に、剛性が高いものほどいいだろうと考えていましたが、SMEのS2シェルを使って考えが変わりました。
剛性一辺倒のシェルでは、音が刺々しくなって使えないものが、S2シェルで使うと実に音がマイルドに鳴るのです。かと言って、情報量が減ったりした感じにはなりません。音が良いシェルとの評判は承知していましたが、こうも変わるとは思わなかったと言うのが、正直なところです。ただ、S2シェルだとマイルドになり過ぎるカートリッジもある辺り、一筋縄ではいかないところです。
そして、アームのナイフエッジ。SMEのアームはこの部分が樹脂製ですが、ヤフオクで手に入れた金属性ナイフエッジに変えたところ、また随分と音が良くなりました。刺々しさや分離が良くなりすぎたりはしないまま、情報量が増えました。ただ、調整に対して妙に敏感になるので、一般向けではなく、SMEが樹脂製にしていたのも納得ですが。

こんな事をして、最近は楽しんでいます。
posted by とのじ at 11:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2010年11月15日

素人がヴィンテージ・オーディオを売り始めました。

最近のオーディオだけでは物足りないのか、あるいは銀座の地代が稼げないのか、Sound Createというショップが、ヴィンテージ・オーディオを扱い始めました。ヴィンテージ・オーディオは、現代オーディオとはまた違った知識と経験が必要なものであり、それを獲得するのには、情報があふれている現代オーディオ以上に困難なものです。
そこで、重要になるのが優れた行きつけのショップを見つけることです。とは言え、素人にはどれが優れたショップであるのか見当がつきませんから、経験と失敗を積み重ねることによって、そうした勘を養い、優れたショップを見つけるわけです。
それは、現代オーディオをやっていたショップでも変わりありません。客商売ですから、個人の場合以上にそうした経験と知識を積み重ねることが必要なわけです。それを怠ると、間違った商品を売り、ショップの信用に関わってきます。これは当然のことです。
ところが、Sound Createはその当然のことを怠って、ヴィンテージ・オーディオの商売をはじめたようです。
例えば、この「Garrard 301/SME 3009」などはその典型でしょう(2010年11月15日現在)。
アームがSME 3009となっていますが、これはどう見てもSME 3009S2/Impです。
両者の違いは、画像検索などで確認していただくとして、問題なのは性能と価格の違いです。
3009S2/Impは、1972年に登場した機種で、当時の流行だった軽量・軽針圧に対応した機種です。ですので、カートリッジ(シェル込み)で15gまでしか対応していませんし、針圧も1.5gまでしかかけることができません。これは、現在のMCカートリッジのほとんどが使えないことを意味します。
そのおかげで、価格も安くオリジナルの3009の1/2から1/3程度の値段で売られていたりします。
こうした間違いは、銘板に「SME Model 3009」としか書かれていないことから発生したものと推測されます。せめて、ネットで画像検索していれば、すぐに間違いに気づいたでしょうに、それすら怠ったようです。
また、ほかにも非常にレアなユニットを使ったスピーカーシステムも売っていますが、これもユニットが間違っているようですが、ここでは指摘しません。探してみてください。
というわけで、このSound Createというショップは、ヴィンテージ・オーディオの素人が何も判らずに商売をはじめたわけですから、普通の人は近づいてはいけません。素人商売なのに、価格だけは立派に銀座価格となっています。

Sound Createに忠告することがあるとしたら、「素人がヴィンテージ・オーディオに手を出すな」と言う事でしょうか。ましてや、日本ではあまり扱われたことがなく情報も少ない、Trusonic, RCA, Lorenzなどを扱おうとするならば、尚更です。
私もヴィンテージ・オーディオの経験は浅いのですが、あまりにも酷いので久しぶりに記事にしてみました。
素人の殿様商売は、さっさと畳むよう祈りつつ。

追記(11/19). スピーカーに関する記述はさすがに直してきました。
posted by とのじ at 19:40 | Comment(1) | TrackBack(1) | オーディオ

2009年06月01日

Raven R3.2

売っているところが見つかりました。 こちらです。

約16kgの磁石の塊。
能率98dB/Wで800Hzから使えるリボンツィーター。
エキセントリックに過ぎて、メーカー製スピーカーシステムでは使われないもの。
ホーンの代わりになるリボンツィーター。
f特は650Hz-50kHz。
15吋ウーファーと組み合わせれば、可聴帯域を十分カバーできます。
ちなみに、能率的にはTADのTL-1601bとちょうど合います。

と言うわけで、いつかは使ってみたいリボンツィーターですが、お値段高くて買えません。

自作の醍醐味の一つは、メーカーでは決して使えないエキセントリックなユニットを使える点にあるのですが、その最右翼のようなユニットです。

買えないので、紹介だけ。

これで、高能率2wayをいつか組んでみたいねぇ、と夢だけでした。

# ちなみに、これはさすがにAmazonでは扱っていません。
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2009年05月17日

AKG K701とそのライバルたち

DSCN0332s.jpgK701を最初に出したのは、特に意味はありません。けいおん!で売れている、って事で最初に出しただけです。で、そのライバルとなるほぼ同価格帯のヘッドホンについても、いくつか持っているので、折角だから聴き比べてみましょう、との狙いです。
送り出しはMarantz SA-15S1、ヘッドホンアンプはAudio-technica AT-HA5000を使用。ヘッドホンによって、能率が大分違うので、なるべく同じ音量になるように合わせて聴き比べしたつもりですが、まったく同じとはいかなかったと思いますが、そこはお許しください。
ソースは、アニソンからはマクロスFの娘たまからトライアングラーとWhat 'bout my star?@Formo、他にお気に入りCDから女性ボーカルとしてShelby Lynne, Just a Little Lovin'、クラシックはCasussonと伊福部昭、ジャズはWayne Shorter, Speak No Evil。
聴き比べたのは、以下の機種。これくらいの機種となると、それぞれ相当なエージングが必要で100-200時間程度鳴らさないと本領を発揮してくれません。エージングの進行の仕方は機種により異なりますが、最初はそれこそ捨ててしまおうかと思うくらいのひどい音だったものから、最初からそれなりに聞こえたものまで様々です。それでは、主観的評価行ってみます。


・Ultrasone Proline 750
低音が印象的。オフマイクで録音されたものもかなりオンに聞こえる。バイオリンがちょっと太く聞こえます。その分オーケストラのピラミッドバランスはよく、オーケストラを迫力で鳴らすにはこれが一番かも知れません。ボーカルは無難にこなす印象。低音厨な人にはこれが一番のお勧め。

・Sennheiser HD-650
Proline750程ではありませんが、これもピラミッドバランスの音です。印象としては中庸、ただし低域よりの帯域バランスです。ともかくどんなソフトも破綻なく鳴らしてくれます。まじめで端正な音で、万能型と言えるヘッドホンです。

・AKG K701
第一声からそれなりの音で鳴ってくれました。それだけエージングによる変化は少なかったわけですが。
前二者と比べると低域が少なく感じますが、それは前二者が低域が強めだったのに対し、これは若干高域によっているバランスだからであって、十分帯域バランスは取れています。高域が綺麗に出るため、ボーカルも綺麗に鳴らしてくれます。その分、オーケストラの迫力はちょっと物足りない感じです。綺麗な中高域に魅力を感じれば、これは良い選択です。

・Audio-technica ATH-W5000
ここから、値段が1ランク上がります。第一声で捨ててしまおうかと思ったヘッドホンはこれでした。エージングが進んだ今では解像度はダイナミック型では一番のものを聞かせてくれます。ただし、ハーモニーまで分解してしまいそうなくらいの危ういくらいの解像度ですが。また、帯域バランスも整っていて、ボーカルの色香もそれなりに出してはくれます。解像度第一の音が好きな方にはたまらないヘッドホンでしょう。

・Stax SR-404+STM-006t
これだけダイナミック型でなく、コンデンサー型です。違いについては検索してください。ダイナミック型と違い、どこか静けさが印象的です。分解能についてはこれが一番ですが、W5000のような危うさはありません。どれだけボリュームを上げていっても、歪がありませんから迫力には今一つとの印象を抱く人もいるかもしれません。ヘッドホンアンプがこれだけ管球式のためか、ボーカルも色香たっぷりです。ヘッドホンアンプが不可欠ですので、一番の値段になってしまいますが、音も一番です。少なくとも私の好みはこれです。

聴き比べてみて、澪が恥ずかしいからベースをやる、と言うのがよく判りました。低音好きならば、Proline 750を選んでいるでしょう。それに比べると、ボーカルの綺麗なK701はこれからボーカルをやっていくであろう澪にはぴったりの選択かもしれません。



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2009年05月03日

B&W SS25の思い出−その3

さて、SS25も様々なアンプと繋げられました。
主なところでは、NEC A10X(BTL)、Pass Lab Aleph0s(BTL)、SDサウンドA-302の3種類です。当たり前ですが、それぞれに音は異なりました。
SS25はそれほど鳴らし辛いスピーカーではないと思われていますし、それは一応事実です。
ただし、駆動力のあるアンプで鳴らしたときには、ヴェールを脱いだように情報量が増え、生き生きと鳴り始めます。
こうして、私は駆動力にこだわったアンプを主に使ってきました。
徐々にバージョンアップする形になっているのは、その時々の事情によっているからです。
最近では、SDサウンドの6C33パラプッシュOTLのモノラルアンプA-302で鳴らしています。Aleph0s(BTL)と比較して、空気感豊かで繊細にSS25を鳴らしてくれるので、しばらくはこのアンプを使う事になりそうです。
posted by とのじ at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2009年05月01日

サラウンドスピーカーを替える

PioneerのPE-101aですが、せっかく作ったのにたまにしか鳴らしてやらないのももったいないと思い、AVシステムのサラウンドスピーカーにしてみました。フロントは昔懐かしい、OnkyoのMonitor500です。
PE-101aの前は適当な自作スピーカーを使っていました。
それは、Audaxの8cmフルレンジ2発使ってアイソバリックにして、駆動力を高めた上に、結構上等なMorelのツィーターをつけたシステムでした。素人が頑張って作ってみましたってギミック満載ですね。それでも低域は若干弱いながらも、高域は伸び切っていて音は良かったのですが、少々ひ弱でハイ上がりなところがありました。
PE-101aは言ってみれば、これとかなり正反対に近い性格を持ったスピーカーです。
帯域はそれほど広くないながらも、帯域内では低音まで十分出ていて、パワーも入り、明るく筋肉質な音がします。
それで、比較してみたのですが、結果、PE-101aをサラウンドスピーカーとして使うことになりました。
決め手は、サラウンドの音に実在感が増した感じがするからでした。実際、後方からの音がかなりリアルになり、前後のつながりも良くなりました。音色も比較するならMonotor500と近いのかもしれません。
こうして、PE-101aはしばらくはサラウンドスピーカーとして過ごすことになりました。テレビ相手のサラウンド環境としては、これで十分かもしれません。
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2009年04月30日

音楽を聴こうとしているのに音を聞いている

オーディオの泥沼に嵌った人が陥りがちなことだと思います。

いかんなぁ、と、まあ仕方ないか、の間をいつも揺れ動いています。
で、ちょっといかんなぁモードになっているので、ドアを開け放した隣の部屋で音楽を流しながら、これを書いています。
ちなみに、鳴らしているのは、ショスタコービッチの交響曲10番、ムラヴィンスキーの指揮。

きちんと音楽を聴こうとすると音を聞いていたり、難しいものです。でちょっと諦めてこんな聴き方しているというところ。何とも難儀です。
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B&W SS25の思い出−その2

SS25を使っている間に4回住居を移りました。
最初は会社の寮で鳴らしていました。狭いながらも鉄筋コンクリートのがっちりした作りでした。
どんな音量で鳴らしても小揺るぎもしませんでした。
二回目、三回目は転勤で、木造の借家でした。二回目は、フローリングの床がちょっと音量を上げると鳴きまくって全く音になりませんでした。この時、床の重要性を痛感すると共にヘッドホンにも嵌って、StaxのSR-007を買ったりしました。
三回目は畳です。しかも、安普請の借家作りですから、床は相変わらず弱いです。この時は、畳に直接置いたのではやっぱり腰がなく、へたれた音しか出てきませんでした。そこで、仕方なく、御影石のボードを買ってその上に置いて多少改善が見られましたが、やっぱりへこたれた音だったように思います。
そして、今も木造ですが、それなりに丈夫な床となっています。引越しで使わなくなったはずの御影石ボードですが、捨てるにもどうしようもなく、スピーカーの下に敷いて使っています。
それほど、悪影響は無いようなのでそのまま使っていますが、やっぱり無いほうがいいでしょうか。
迷ったままでいます。
ちなみに、ようやくそれなりに腰のある低音が楽しめるようになりました。良かった良かったという感じです。
posted by とのじ at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2009年04月29日

B&W SS25の思い出−その1

B&W SS25(Silver Signature)を買って10年以上経とうとしています。時には、AV用に鳴らされていたこともありましたが、ほぼ半分の期間はメインを張ってきました。
その間に住居は4回移り変わりました。いろいろな環境でSS25は鳴っていたのです。少しばかり思い出話をしてみましょう。オーディオ雑誌的には超長期インプレッションってことになるでしょうか。

買うかどうかを決めるため、店で試聴した時には、何で鳴らしましたっけ。当時のハイエンド装置で鳴らしていたことを覚えています。その時に、小型スピーカーとは思えない音楽のスケールの大きさと多彩な音色に魅了されたことを覚えています。
さて、それで買ったはいいのですが、最初の頃しばらくはウーファーが余り動いてくれなくてまいりました。お陰で、高域に寄ったバランスとなり、音楽を鳴らすのに苦労しました。これを少しでも緩和させようと、スタンドとスピーカーの間に薄いゴムを敷いて、鳴きを抑えたりしました。苦労のかいあってか、それともやっと動いてくれるようになったのか、1年ほどでバランスも改善されてきました。小型スピーカーとは言え、高級機はきちんと鳴ってくれるようになるまで手間暇がかかるものだと、これで学びました。

あと、続きます。今日はここまで。
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2009年04月26日

Pioneer PE-101Aの音

これも、ブログを書いていないDSCN0310s.jpg半年に作った物です。
Pioneer PE-101Aに推奨箱をつくって、入れたものになります。リンク先のバスレフ指定BOX(A4サイズ)を何の変更もせずにそのまま作りました。木材はちょっと奢ってフィンランド・パーチを使っています。

これが、なかなか良い音で鳴ってくれます。帯域に過剰な期待をしなければこれでも十分いけるかな、という感じです。
フルレンジですので、音がストレスなく出てくれます。そのため、ジャズのブラスなどは非常に気持ち良く鳴ってくれます。1950-60年代の黄金期のジャズにはぴったりと嵌ってくれます。たとえば、Lee Morganのトランペットなんか、ストレスなく吹き出してくれるので、その音色のひとつひとつがしみじみと伝わってきます。
また、ボーカルものも気持ち良く、歌い上げる情感がひしひしと伝わってくる感じです。例えば、最近よく聞いているShelby LynneのJust a little Lovin'では、Shelby Lynneの息遣いが聞こえてくるような錯覚に陥ります。
また、クラシックも若干明るくなるとは言え、弦の伸びに過剰な期待を抱かなければ、十分にこなしてくれます。さすがにワーグナーやマーラーの大オーケストラまでは鳴らしきりませんが、モーツァルトあたりなら十分です。この辺はさすがに10cmの限界でしょう。小編成に関しては小型機の得意とするところで、小気味よく鳴らしてくれます。

これで、ユニット1本1万円、箱は1万円もあれば作れますから、合計3万円ほど。コストパフォーマンスは非常に高いと言ってもよいでしょう。

下手なスピーカーを買うくらいなら、これを自作した方がよほど楽しめると思います。
また、ユニットがあれば、箱を作り替えたりして楽しむことも可能です。実際、フィンランド・パーチは非常に硬くて箱鳴りし辛い素材なので、ちょっと生真面目になりすぎた感もあります。これをラワンでは柔らかすぎるでしょうから、シナ・アピトン辺りでもう一度箱を作ってみたいと思っているところです。

それから、一応メーカー製の箱もありますから紹介しておきます。
ちょっと内容積が小さい気はしますが、メーカー製ですから変な音はしないことでしょう。これなら、プラスドライバー一本で完成させることができます。



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2009年04月25日

ネットワークオーディオの将来

ネットワークと言っても、スピーカーのそれではなく、通信ネットワークの方です。とボケておいて。

CDに代表されるパッケージメディアの売り上げが減りつつある一方で、伸びているのがネットワークオーディオです。ここでは、高品位オーディオのネットワーク流通について考えみたいと思います。
この場合、高品位オーディオとは、最低限CDクラスのロスレス圧縮したオーディオ・ファイルとします。

まずはインフラから考えていきます。インフラについては、日本にいると誤解してしまいますが、光が家庭まで来ているところは日本以外では、極めて例外的です。先進国でも、ADSLでしばらくはやっていくところやCATVが最速であるところは、まだしばらくは大勢を占めるでしょう。当然中継網もそれに見合ったキャパシティしか持っていません。
そうしたところでは、あまり大きなファイルは扱えません。時間をかければ可能ですが、果たしてそれで我慢することができるか定かではありません。

このような前提があったとしても、SACDがほとんど失敗している現在、CD以上に高品位な音楽を求めるならば、ネットワークオーディオに頼るしかありません。今のオーディオ業界にもう一度高品位パッケージメディアの立ち上げが可能なほど体力があるとは思えないからです。
プレスする枚数にもよりますが、少数ならば今でもコストでは、プレス>ネットワークが成り立つでしょう。
プレスコストは今後それほど変わらないと想定されるのに対して、ネットワークコストは今後更なる低下が期待できる以上、プレス>ネットワークとなる閾値(限界)が更に上昇することでしょう。そうなると、今後ますますネットワーク・オーディオが主流となることが考えられます。そして、ネットワークコストが安い地域では、高品位な音楽ファイルの配布が行われるようになることでしょう。

パッケージ・メディアに愛着がある私としては、余り明るい将来ではないのですが、こうなるのではないかと私は予想しています。
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2009年04月23日

サラウンドとサブウーファーの必要性

ブログを書いていない半年の間に、テレビの音響システムが4.1chサラウンドになり、サブウーファーが加わりました。
マランツのAV8003というAVプリを買って、今まで使っていたパワーアンプ類はそのままです。
やはり、アクション映画などでは、効果音が四方から聞こえてくるのと、爆発音が迫力を増すのは楽しく、導入した価値はあったと思いました。オーディオプロのB2.27Mk2サブウーファーは私が使っているものではありませんが、とあるオーディオショーのデモで聞いて、質が良いと思ったものです。
翻って音楽です。
音楽、特にCDでの音楽は2chばかりで、サラウンドの恩恵にはあずかれませんし、音楽は前から聞こえてくるのが当たり前なので、サラウンドの価値は発揮されません。また、サブウーファーにしても量感が豊かになるのは良いのですが、音楽をシビアに聞くと、両chを合成するためか、位相差によると思われる濁りが感じられて、サブウーファーも結局外してしまいます。2chサブウーファーをそろえることができれば別かもしれませんが、資金と置く場所が必要になります。
で、音楽を聴くときは結局従来のままの2chで十分となりますし、満足しています。

また、サラウンドに関しては、4本とも同系統のシリーズでそろえた方が音色がそろうのは確かですが、昔の映像作品や最近のアニメでも、モノラルか2chがほとんどなので、4本を同じスピーカーにするよりも前方2chを良いものにする方が満足度が高まります。
例外として、ほとんど最近のゲームしか、やらない人くらいでしょうか。最近のゲームはサラウンドがほとんどですから。
そうでなければ、そして、特に最近のアクション映画を見ないのであれば、2chでも問題ないのでは、と言うのが最近の私の結論です。

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2009年04月21日

Sonus Faber, Electa Amatorの初代と二代目

Electa Amator初代とElecta Amator IIは似て非なるものです。少なくともユニットを見る限り、そう判断せざるを得ません。ユニットを見る限りでは、Electa Amator IIは「廉価版Electa Amator」と言ってしまってもいい代物でしかありません。

まず、ツィーター。Electa Amator(以下EAと略記)では、DynaudioのT330が使われています。これはDynaudioが自作市場にユニットを出していた時代の最高級ツィーターで、ほかには高級システムで数えるほどしか使われていないほどのユニットです。
大して、EAIIは口径も20mm、外観も大きく変わったように、T330ではありません。また、どこのユニットメーカーでも、20mmを高級機としてだしているところはありません。私には、Seas辺りの普及品ユニットのように見えますが、詳細は不明です。ただ、20mmを高級機として出しているユニットメーカーは無い点、繰り返し強調しておきます。
そして、ウーファーです。一見するとよく似たウーファーですが、よく見るとフレームが違います。より強化されたフレームを使用しているのは、EA初代です。それに対して、EAIIはScan-Speakの18W8545そのままのフレームを使用しています。よりカスタム度の高いウーファーはどちらかと聞かれたら、文句無くEA初代と答えます。

このように、ユニットの素性はEA初代の方がずっと品位の高いものです。私は、初代を持っていますが、IIは所有したことは無いので、両者を同時に並べて聞き比べたことはありませんが、EA初代の方にはるかに可能性を感じます。
Electa Amatorは今でも、40万円程度で取引されている人気スピーカーですが、初代とIIでは、ユニットが大きく違うことは知っておいて良いでしょう。
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2009年04月20日

Aura noteを使ってみて

Aura noteが近日中にマイナーチェンジをすると言う事で、現行機が安く売り出されているので、思わず買ってしまいました。で、先日来て、週末はこれで遊んだのでインプレッションでも。

もっぱらSonus Faberのminimaにつないでいましたので、低域のボトムがどう鳴るかは判りません。超高域についても同じ。
ただ、minimaの枠の中で帯域不足を感じさせませんでした。
このように、noteは小型スピーカーに合わせて音作りをしているようで、minimaがスケールは小さいながらもピラミッド型のバランスとなったあたり、ちょっと驚きました。低域は緩めているのかな?
まあ、低域の不足しがちな小型スピーカには有効な手法です。

そうやって音楽的なバランスをとったところで、上手に整理された音楽が流れてきます。高級機にあるように、情報を余すところ無くだすようなところはありませんが、なんというか、きちんと線の太さを変えて書き分けて居る感じです。そうやって、重要なところ、聞き所、をきちんと聞かせてくれるので音楽を聴いたという実感があります。
一部高級機は、情報はたくさん出すのですが、全てが同じ線で書かれているために何を鳴らしているのか判らなくなることがありますが、noteについてはそうしたことはありません。
こうした鳴り方はヴィンテージでは良くありますが(一部ヴィンテージは逆に線が太くなりすぎて困ったことになったりもしますが)、現代オーディオでは少数派になりつつあるような音楽の鳴らし方かもしれません。

Aura noteには、確かに音作りの良心と良い趣味が詰まっているように感じられました。
Aura noteとは長い付き合いになりそうです。






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2008年07月14日

B&W SS25(Silver Signature)のスタンドについて

あれは割れやすい石材でできています。
SS25のスタンドなしが中古で安く出ている場合は、スタンドを(引っ越しなどで)壊してしまった場合が多いと思われます。

はっきり言って、SS25はスタンドが非常に壊れやすいものなので(移動したら保証なくなります、と保証書にもかいてあるくらいです)、スタンドなしのSS25を買った後で、中古でスタンドのみを見つけようとしても徒労に終わるでしょう。

そして、SS25のコストの半分はスタンドのコスト、と言われたくらいの製品です。
スタンドなしのSS25は、その価値が半分以下になっていると言ってもいいでしょう。スタンドのみの中古が出る可能性が著しく低いことも考えると1/3になっていると言っても過言ではないかもしれません。

スタンドなしのSS25の中古を買おうとする人はその事に留意してください。
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2008年07月11日

売れるモノの価値とピュア・オーディオ

1) 売れるモノの同時代性

スタージョンの法則を引くまでもなく、
「どんなものでも9割はがらくた」ですが、売れているものに対してはこの攻撃が激しいように思います。
ただ、個人的な感覚としては、売れているものでも十中八、九はくずかもしれませんが、十のうち一、二は何らかの価値があるものです。
しかし、同時代でさえ売れていないもので、価値のあるものは千のうちの一、二あるかどうかではないか、という気がします。

# ここでは、売れていないものに伝統芸能は含まないものとします。同時代性から離れて存在するものですから。

結局、「売れていないからと言って価値が無いわけではない」はほとんどの場合、言い訳に過ぎないのではないか、と思ったりするのです。

との観点から見て、ピュアオーディオはどうなんだろう、と思ったりするわけです。

2) そして、伝統芸能化するピュア・オーディオ

現在のオーディオは、iPodに代表されるメモリーオーディオと、それを少しでも良く聞くための高級イヤホン市場が中心となっています。
あるいは、それに物足りないマニアはヘッドホン・オーディオでハイ・エンドを指向しています。

しかし、ほとんどのピュアオーディオ誌はそうした流れを無視して、旧態依然とした大型スピーカーを中心としたコンポーネント・オーディオに終始しています。
ヘッドホンの特集をしても、あくまでおまけとしての扱いです。

同時代性から取り残されたピュア・オーディオは伝統芸能化するしかないでしょうか。
あるいは、既に伝統芸能のごとき扱いになってしまっているかもしれません。
これから、どうなるのでしょうかねぇ。
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2008年07月03日

オーディオと技術―2

一昨日の続きです。

オーディオでカルトが蔓延るようになった原因について、以下の二点を挙げました。
第一には、技術を理解している人が少なくなった。あるいは、それ以上に技術を理解していると誤解している人が増えたことです。

第二には、現在の技術レベルでは定量的な解析に非常に手間が掛かる(不可能とは思いませんが)割に、得られるものが少ないために定量的な解析が行われなくなったこと。
ここでは例としてデジタル技術についてあげましょう。
第一の要因については、私がわざわざ指摘するまでもないでしょう。デジタル技術について勘違いあるいは無知なまま、攻撃している文章はいくらでも見つけることができます。
第二の要因としては、以前私が書いた以下の文章をまず参考としてください。
オーディオの中のデジタル、カルトに関する短い随想
これに付け加えるならば、振動による音質変化は特に定量的な解析が難しいものと思われます。
他にも、不要輻射による影響や電源変動による影響はデジタル信号の波形の変化として観測することはできますが、それがどのように音に影響するのかを定量的に解析できるところまでは行っていません。
また、ジッターによる音への影響もまた指摘されていますが、これもまた定量的な解析はなされていません。
と、デジタル信号とその副次的産物による影響に関する経験的な知見はかなり増えてきましたが、定量的な解析に関してはまだ、ほとんど手が付けられていない状態です。そして、定量的な解析なくして、それは工学とは言えません。
このような状態ですから、デジタルでもまた、しばらくはカルトは根絶し得ない状況なのです。
まあ、工学の粋のようなデジタル技術でカルトが流行るのもまた一興、とオーディオ機器の開発なんかに携わっていない私としては、気楽に嘯いていられるのですが。
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2008年07月01日

オーディオと技術

昨日と同様、書き散らしのまま。

オーディオにここまでカルトが蔓延るようになったのは、何故でしょうか。
原因は大きく分けて二つあると思います。
第一には、技術を理解している人が少なくなった。あるいは、それ以上に技術を理解していると誤解している人が増えたことです。
第二には、現在の技術レベルでは定量的な解析に非常に手間が掛かる(不可能とは思いませんが)割に、得られるものが少ないために定量的な解析が行われなくなったこと。
ケーブルを例にして、これを見てみましょう。

第一の要因については、色々と心当たりがある人も多いでしょう。様々なケーブルメーカーや個人が様々な理屈をつけて、自己正当化している様を見た経験は、オーオタなら、一度や二度はあるはずです。
そうした人たちはかなり、初歩的なところで勘違いしている場合もあるので、不思議に思う人も多いでしょうが、思い込みの強い人と言うのはどこにでもいるものです。
第二の要因については、伝送理論の歴史を見れば容易に判ります。
伝送理論は、通信の発展と共に進歩を遂げていきました。それは、より多くのデータ(より高周波)をより遠くまで送るための技術の歴史、であったと言い換えても良いでしょう。
それに対して、オーディオにおけるケーブルの役割とは「(精々10m程度までの)短距離での音声周波数データの高品位伝送」です。
はっきり言って、この領域の研究は従来の伝送理論ではほとんどなされていません。それはそうでしょう。「より高周波をより遠くへ」と研究している立場の人からすれば、音声周波数を10mなんて「エナメル線でも通る研究価値のない分野」に過ぎない訳でしたから。
しかも、このくらいの低周波になると近似による簡略化が効かず、かなり複雑な式を解いて検証することになります。それも、高品位伝送となるとどこのどの程度の差が効いてくることになるかさっぱり判らない状態から始めなければなりません。
で、これをこれからまじめに研究しようとするとしましょう。そうすると、かなり面倒そうな分野ですから人的、金銭的リソースがかなり必要になると予想されます。それで出てくる成果と言えば、わかる人には多少音が良くなったかなと思える程度の差、では、とてもでありませんが、リターンが少なすぎます。
そのような理由で、「短距離での音声周波数データの高品位伝送」の真面目な研究は、今後も行われる事はほとんどないであろうと断言してしまってもいいでしょう。

結局、これからもケーブルはカルトに染まったまま、オーオタはケーブルメーカーに貢ぎ続けることになるのです。いや、自分もそうなんですが、何とも間抜けな話です。
ただ、正しい理論が解析されて、それに基づいたケーブルが作られたとしても、オーオタはそれだけでは満足しないことも確かでしょう。これもまた確実に言えることです。

例が一つだけでは寂しいので、デジタル技術も例にあげましょうか。
と、言うところで、次回に続きます。
# 気が向いたら、ですが。
posted by とのじ at 00:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | オーディオ

2008年06月30日

オーディオと芸術

まだ生煮えの考えなので、メモ程度に。

−オーディオと芸術
音楽を素晴らしい芸術として、敬意を持って伝えるという意味において、それを再生するオーディオもあまり商業主義に走るべきではない、との考えには一部共鳴するところもあります。
ここでは、芸術とは「高尚な(いわゆる)芸術」を指しています。
芸術とは何か、私には良く判りませんが、「自己目的化された創作物」と一言で簡単に定義した場合でも、それを「安く享受したい」とはかなり矛盾した考えでは無いかと思うのです。
ただし、例外は常にあります。「商業主義的な芸術」があればそのような事も可能です。
そして、「商業主義的な芸術」とは往々にして、「大衆芸術」と呼ばれてきました。
低コストと利便性を是とした現在の量産メーカーの製品を購入し、そしてそれを使用する普通の人々が楽しむものは「大衆芸術」となった音楽である場合がほとんどです。
そのような立場の人と「芸術鑑賞のためのオーディオ」について議論しようしても、議論は成立しないでしょう。お互いに想定するところの芸術の意味が異なるからです。

それであるからこそ、そのような製品に満足できない人たちのためにHi-End Audioが存在するのです。もっとも、Hi-End Audioのメーカーにも「芸術としての音楽」ときちんと対峙しているのか疑問のところもあるようですが。
まあ、それは「(商業主義に走る)高尚な芸術みたいなもの」が存在するのと同じようなものなのです。

ここでは、「高尚な芸術」と「大衆芸術」を商業主義=多数に受けいられる判り易さ、の観点から全く別のものと捉えていますが、芸術と鑑賞者の関係はとても微妙なものです。
これに触れるとあまりに長くなるのでちょっとした疑問と事実だけ挙げて終わりにします。

−鑑賞者のいない芸術にどんな意味があるのか?

現代音楽は1960年代まで進歩主義を信じ、前衛的であるほど価値があるとしてきましたが、ある時、聴衆が去ってしまった事に気付きました。さて、聴衆のいない音楽にどのような意味があるのでしょうか。それは単なる作曲家の自己満足に過ぎないのではないでしょうか。
その後、現代音楽は前衛主義を捨て、何でもありの音楽となりました。その結果は聴衆が帰ってきたとは言い切れませんが、進歩主義に凝り固まっていた時よりも面白い作品が出てくるようになったのも事実です。

多数に受け入れられないとしても、少数にすら忌避されるものに果たして意味があったのでしょうか?
posted by とのじ at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2008年06月29日

最近のSL700

アクセス解析を見ると、Celestion SL700関連でここにたどり着く人がほぼ毎日何人かいるので、たまにはSL700の事を書いてみます。

と言っても何を書こうか、悩んでしまいます。
「SL700は良いスピーカーです」で個人的にはお終いなんですが、どう良いかをなんとか言葉にしていきましょうか。ちなみに、アンプはSpectralのDMC12+DMA80で鳴らしています。

SL700は中庸である、と言いきってしまうと、アルミドームが時々金物臭い音で鳴るとか、とかくウーファーの制御が難しいよなぁ、とか、「それは違うでしょう」と思い浮かぶ点もあったりするのですが、それでも、やはり「中庸の音」と言えるかと思います。あまり、強調されたり凹んだりするところのない音なのです。
ボーカル帯域を中心として、高域はきっちりと、低域も丈夫な箱の密閉方式のお陰か、かなり低い帯域の基音までだら下がりながら聞き取れます。かなりタイトで"堅い"ドラムなどを聞くことができるのです。このように、サイズからはなかなか想像できないかなりのワイドレンジな音です。
音色もまた、あまり脚色なくありのままで鳴らしてくれる感じてす。ですので、ある種色付されたオーディオで感じるときのオーディオ的な快感のようなものはありませんが、割合どんな音楽でもきちんと鳴らしてくれるのです。
そして、サウンドステージに関しては、改めて申すまでもなく、広大です。

と、私はSL700をこんな風に感じながら聞いています。
「良い音のするスピーカー」と言うよりも、「良い音楽を聴くための良い道具」と言った方が、SL700にはぴったり来ると思うのです。


posted by とのじ at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2008年06月28日

自作は高い−当たり前の事実

私はスピーカーの自作を少しばかり嗜みますが、自作は高くつきます。
誤解として、自作は安くつくという人がよくいますが、それは、
「他人の設計のデッドコピーを作る場合のみ」
に限ります。
長岡派がよく言う自作はほとんどの場合、長岡鉄男氏設計のデッドコピーです。他人のノウハウをほとんど無料(雑誌代くらい?)で頂いておいて、安いも何もあったものではありません。
自作が高くつく原因は、試行錯誤の繰り返しとノウハウの蓄積にこそあるのですから。

と、こんな当たり前の事を書いたのは、まだ勘違いしている人が多いので念のために。

ちなみに、ユニットだけならメーカー製の1/10も掛からずに揃えることが可能ですが、メーカー製並の完成度と仕上げのために残り9/10以上が費やされます。メーカー製以上の完成度を目指すならば、それ以上のコスト(人件費含む)が掛かります。
よって、スピーカーの自作とはそれが好きな人の趣味でなければやっていけないのです。

ちなみに、自作の楽しみはメーカー製では使っていないような、エキゾチックなユニットや高価なユニットを使える点にあったりもしますので、上記メーカー製との比較は意味が無いかもしれません。

posted by とのじ at 00:32 | Comment(2) | TrackBack(1) | オーディオ

2007年10月23日

オーディオの中のデジタル、カルトに関する短い随想

−デジタルオーディオ: HDMIを一例として

HDMIは、従来のSP/DIFよりもはるかに高速のデータ伝送を行っています。その分、ケーブルやコネクタ接合部でのインピーダンス不整合の影響をより強く受けるものと推測されます。
HDMIでは、4ペアの平衡ケーブルが使用されています。その内、3ペアはデータ用、1ペアはクロック用に使用されています。全て差動伝送で伝送されます。
クロックがデータから独立している点と差動伝送が使用されている点、でSP/DIFよりも素性の良い伝送方式と言えるのですが、如何せん最大クロック340MHz, 最大伝送データ10.2Gbpsと、SP/DKIFの2桁ばかり上のデータと周波数を扱うので、その苦労は並大抵ではありません。
まず考えられるのが高周波ノイズ対策です。これについては端緒に付いたばかりで、今でもHDMI用のノイズ対策デバイスが発表されている状況ですから、これの音への悪影響が無視できるレベルまで減少するにはまだかなりの期間が必要と考えられます。
また、ver1.2までとver1.3では、ケーブルに要求される規格もまた異なっています。
更に、340MHzまでのクロックをピュア・オーディオを満足させるような高精度で出力する事に関してはこれからの課題でしょう。

では、HDMIでオーディオ信号を送る利点とは何でしょうか?
SP/DIFで送る事の出来たデジタル信号は、サンプリング周波数96kHzまでLPCMと、AAC,Dolby digital等の圧縮された多チャンネル信号しかありません。BD等の発売により、リニアPCM5chやTrue Dolbyなど、より高速のデータ伝送と著作権保護を考慮した規格が必要となりました。将来を考えると、SP/DIFには不足しているものが多いのです。
また、現状のままで良い場合には、ほとんどの機器ではSP/DIFをHDMIと共に付けていますので影響ありません。(PS3ですら、光ながらSP/DIF出力はあります)

HDMIは、差動伝送を行っていますので、隣接ケーブルからのノイズの飛込み等の影響は極力抑えられています。
ケーブルに関しては、最大10.2Gbpsのデータを扱うので太くすれば良いというものでもありません。
それ以上に、こうした高速データを扱う以上、ケーブルの作りやコネクタとの接続処理が雑な場合には、インピーダンス不整合による信号劣化が起きると考えられますので、こちらの方がより問題となるでしょう。
データは一応簡単なエラー訂正を行っているようですが、クロックに関しては、こうしたケーブルの不備によりジッターなどが発生する可能性はあります。

ただし、HDMIは元来、映像デジタル信号伝送用に規格が作られたものです。
HDMIは、その目的に対しては、素晴らしいとは思いませんが、それなりによく出来た規格であると思います。
余った帯域に音声デジタル信号を載せて利便性を向上させるとの考え方も理解できます。
しかし、オーディオ専用として作られた規格ではありません。音声データ伝送には様々な妥協があるのも当然でしょう。
決して、オーディオの素晴らしい未来のために作られた規格ではありません。
そして、現在のようにオーディオのパイが小さくなっている現状では、SP/DIFの欠点を見直した新たな伝送規格を立ち上げるのは容易ではないでしょう。
理想的には、全社横断的な団体を作って規格を制定する必要があると思われますが、現在のオーディオ業界でそのような事が可能なのか、ちょっと疑問を抱きます。

ちなみに、HDMIのSpecification Documentはネット上で公開されて、誰でもDLできるようになっています。
それをきちんと理解してから、HDMIの欠点なりを批判するならば、耳を傾けてもらえるでしょう。

−オーディオの中のカルト

コンデンサー一つで音が変わる事、測定に出ない対策で音が変わることは経験していますので、理解できます。

しかし、何かを発言する前に「判っている事」と「判っていない事」と「知らない事」の区別はきちんとつけるのが宜しいのではないでしょうか。
中途半端に技術を理解している(と思っている)方は、「判っていない事」と「自分の知らない事」の区別が往々にしてついていません。
理屈に合わない(と思う)=未知の事実、ではなく、理屈に合わない(と思う)=単なる無知、である場合もある事(それがほとんどでしょう)を忘れないようにしなくてはいけません。
知らない事は恥ずかしい事ではありませんが、自分は全てを知っていると勘違いしたまま「従来の理論の不備を指摘」している人をみると、痛い人だなぁと思う事があります。

デジタル機器とは言え、最終的な出力は「音」ですので、全体的な系の中で判断しなくてはなりません。
トランスポーターが動作しているときには、デジタルデータだけを出力しているわけではありません。
正常に動作している場合でも、データ読み取りのための制御回路や読み取ったデータの信号処理回路からのノイズ、ピックアップのサーボ系を代表とする機械的制御のための消費電力変動など、さまざまな悪影響を外部に撒き散らしています。
こうした悪影響を排除するために、トランスポートをシールドで囲ったり、デジタル系とアナログ系の電源を別にしたりと対策はしていますが、所詮は一筐体の中では根絶する事は不可能でしょう。
posted by とのじ at 21:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2007年07月14日

コピワン見直し問題決着?

6月28日のエントリーで「決まるわけがない」と書いたコピー回数論議ですが、n=9回で決まったようです。

家族3人が3台の機器にコピーする――地デジのコピー・ワンス見直し問題は「n=9回」で決着
 村井氏によると,n=9の根拠は3×3。録画したコンテンツに対し,一人あたり機器3台までコピーを許し,それを家族3人が行うという考えで計算した。コピー数3という数字自体はもともと,権利者サイドの委員である実演家著作権隣接センターの椎名和夫氏などから出ていた意見である。村井氏の提案はこれに「日本の平均的な家族の構成人数」(村井氏)である3人を組み合わせた形になる。家族3人,機器3台というのは考え方の話であり,1種類の機器に対し,9 回コピーを行ってももちろん問題ない。

との事で無理やり理屈をつけた感は否めませんが、一応の合意に達したことは素直に評価するべきでしょう。
後は正式に提言としてまとめられる事を願うだけです。

ただ、その後に、具体的な実装形態が大きな問題となります。個人的には、HDDからBDにムーブした場合(HDDは消去)には、BDが親となって残りのダビングが可能、とかとなって欲しいのですが。
また、これまで売ってきたコピワン対応機はどうやって対応するのか、さすがに数百万台レベルとなると、対応できませんではすまないだろう、等と解決すべき課題が山のようにありそうです。
posted by とのじ at 01:54 | Comment(1) | TrackBack(1) | オーディオ

2007年06月28日

愚かな人たちの愚かな審議 - コピワン以降に関する審議途中経過

コピーワンス見直し問題,コピー回数「n回」の公表は先送り
 地上デジタル放送のコピー制御方式(いわゆるコピー・ワンス方式)の見直しなどを議論している総務大臣の諮問機関である情報通信審議会が開催する「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の第18回会合が6月26日に行われた。

 同委員会は,4月18日に行われた第14回会合で,地デジのコピー制御方式を「デジタル放送チューナーとHDD録画機一体型の端末コピーワンスの番組を受信した場合に,n回限定で1世代のみコピー可」という方針を打ち出している。今回の会合で「n回」の数値が公表されることが期待されたが,同委員会の下部組織として設置された技術検討WGで「技術要件について引き続き検討中」との説明に留まった。


一言だけ。
「決まるわけが無い」

でも、これが決まったら、今あるレコーダー類は買い換えるしかないのしょうかねぇ。
愚かな事です。
posted by とのじ at 16:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2007年02月08日

スピーカーの自作

「スピーカーは自作が安い」との認識が流布していますが、これは間違いです。
自作の経験の長い方ならば、ユニットと工作費を渡されて「有名メーカーのなんとか相当のものができるか」との問いに対しても、過去の工作の経験や工作時に培った人脈を利用して、それなりのものを作る事も可能かもしれません。
しかし、自作の経験のない人には、ユニットと工作費を渡されたところで「有名メーカーのなんとか相当のもの」は絶対に作る事はできません。
まず、ネットワークを組めません。最近ではシミュレーターがあったり、使用ユニットを指定すればそこそこのネットワークを作ってくれる業者が海外にありますが、そうした情報すら、自作をやらない人はまず知りません。
そして、木材以外の箱を作ってくれるような業者は普通は知りませんから、最も入手しやすい木材で作る事になるのでしょうが、これでは最近メーカーが良く使うアルミニウムのエンクロージャーのような強度は望めません。
更に、測定機材もそろえなければなりません。今はPCベースのものがあるので、10万円程度で必要な機材はそろいますが、それでも新たな出費となります。
それでも、努力と根性でなんとか形にしてみても、最後に果てしなき調整が待っています。ここで、ネットワークのクロス周波数や次数を変えることもしばしばです。そうなると、ネットワークは結局作り替えです。
とまあ、自作が安いと一般に言われているのは「他人のノウハウにそのまま頼ったデッドコピー」の場合がほとんどだからです。自作派の代表の長岡派は、長岡鉄男氏設計のスピーカーのデッドコピーが多かったので、「自作は安い」との誤解が広まっていますが、実際は工作を趣味とする人でなければ、到底やっていられない世界です。
つまり、一から自作をしようとすると、知恵やノウハウを蓄積する必要があり、更に工作時間の工賃分も考えるなら、メーカー製よりも高くつく事なります。更に、メーカー製並みに仕上げを良くしようとしたら、素人の日曜大工のレベルでは到底追いつきません。
メーカー製スピーカーを買うと言う事は、メーカーのノウハウと開発時間を買う事に他ならないのです。決して、ユニット+キャビネット+ネットワークと言った部材の足し算だけで判断できる世界ではないのです。
自作を趣味とする方は、その辺りをあいまいにして「自作なら安くつくよ」と言いがちですが、その方にしても、今いい音で鳴っているスピーカーの影には、それこそ何十から何百といった失敗作が横たわっている事を忘れてはなりません。
posted by とのじ at 18:23 | Comment(1) | TrackBack(1) | オーディオ

2007年01月15日

一般誌の見たCES

しばらく御無沙汰していたら年が明けて2007年になっていました。
今年も不定期に更新していきますので、よろしくお願いします。

で、なんとなく、ウェブをつらつら彷徨っていたらこんな記事がありました。

出展企業の栄枯盛衰・2007年はヘッドホン企業が大躍進【CESリポート】
内容は、iPodを代表とするシリコンオーディオプレイヤーの普及により、高品質のヘッドホン(と言うよりイヤホン)の需要が増えたので、CESでもヘッドホン・メーカーの出展が多くなっているというもの。

他にもこんな記事がありました。
2007 International CES【ブースレポート】
取り上げられている企業は、JBL, Klipsch, Dynaudioです。
この3社から想像されるのは高級オーディオでしょうが、ここで紹介されているものはさに非ず。
JBLはイヤホン、KlipschはAV用2.1chシステム、Dynaudioはポータブルオーディオ向けアクティブスピーカーでした。
Dynaudioのは見た感じ、ピァア用としても使えそうな感じがしましたが。

オーディオ誌のCESレポートには、高級オーディオばかりが掲載されるでしょうが、高級オーディオメーカーもポータブルオーディオ市場を見据えた動きをしている事は、知っておいても良いように思います。

また、多寡がイヤホンと言っても、それを変えることで良い音を聞くことができることを経験した人たちは、オーディオ機器により音楽の聞こえ方が違ってくることを経験してしまった人たちなのです。この人たちはオーディオにはまるきっかけを経験してしまった貴重な人たちなのです。
この人たちを如何にして普通のオーディオに誘導するかという事は今後考えなければならないことなのではないか、と思ったりもしたのでした。
せっかく、泥沼のふちまで来ているのですから、巧く引きずり込む手立てがあればオーディオももっと活性化するのではないでしょうか。

ただ、音場感を別にすれば、Staxの007シリーズを高級SACDプレイヤーで鳴らした時の音を上回るだけの音をスピーカーから出すためには、どの位の金と手間隙と部屋を用意すればいいのかと考えると中々難しいものがあるように思いますが。
posted by とのじ at 04:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2006年10月24日

ちょっと物欲を刺激されるモノ-オーディオ・ビジュアル編

その2です。今回はオーディオ・ビジュアル編で。

Panasonic DMR-BW200
この年末はHD DVDレコーダーとBR(Blu-ray:ブルーレイ)レコーダーが出揃いますが、その中でも欲しい物はこれです。
私が惹かれた特徴としては、・二層BD書き込み可能・i-LinkによりD-VHSへのムーブ可能・デジタルチューナー2系統搭載・松下の製品だから安定動作は期待できるだろう(その代わり機能は少なめ)、と言ったところです。ただ、ほぼ同じ機能のDVDレコーダーDMR-XW50が12万円前後に対し、BW200は20万円台半ばとほぼ倍の値付けがされており、BDのためだけにそれだけ出費するか否か迷うところです。まだまだ、メディアも高く気軽に消費できませんから。

PSD T-2
最近は物欲を刺激されるオーディオ製品がすっかり少なくなってしまいましたが、このスピーカーはハイエンドオーディオ・ショーで聞いてから気になっているものです。
ユニットはScanSpeakの良いのを使っていますが、特筆すべきはキャビネットの造りです。合板を積層した塊の内側を削り出して作っており、非常に手間とコストの掛かっている呆れるような造りになっています。まあ、お値段は安い新車が買える程度の価格なのですが、この造りと音からしたら安いと思える値段です。ま、オーディオは金銭感覚がある意味狂っている世界ですから。
大きなスピーカーが部屋で大きな顔をして居着いているのは、私は嫌いなのですが、それでも一度じっくりと聴いてみたいと思わせるものでした。
posted by とのじ at 22:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2006年08月21日

iPodなどのために

iPod等のメモリーオーディオプレイヤーは随分と普及してきましたが、イヤホンに関しては付属品をそのまま使用している人が多いようです。付属のイヤホンは、音のバランスなどは、それぞれのプレイヤーに合わせて調整されていますが、所詮は付属品、オマケに過ぎません。コスト的には精々\2000-程度のものでしょう。一方、プレイヤー自体は安くても一万数千円から4−5万円もします。
イヤホンは通常のオーディオで言えばスピーカーに当たるものですから、これは非常におかしな事です。オーディオで言えば、数十万円からするコンポーネントに2万円程度のスピーカーを繋いで聴いている状況と言えるでしょう。これでは、良い音で楽しめるはずがありません。
つまり、iPod等を使っていて音に満足できない場合には、まずイヤホンを交換することです。
そこで私がお勧めするのは、Sony MDR-EX90SL です。\10000-で買えるイヤホンとしては、これ以上のものはないのでは? と思っています。
デザインはアルミ削りだしのボディの高級感あふれるもので、音はあまり強調感が無くレンジは広がっていて、情報量もそれなりに多いので、付属品のイヤホンから変えたならば、聞こえて来る音楽の違いに驚く事になるかと思います。また、インピーダンスも16Ωと低いので楽に音量が取れるのも特徴の一つです。
ちなみに、この程度の価格帯であれば、Shure E2cやEtymotic Research ER6i等がありますが、これらよりも音質は確実に上です。ただ、遮音性に関しては無いに等しいので、遮音性を求めるならば別の選択となるでしょう。ただ、付属のイヤホンは普通は遮音性も無いものなので、この点では悪化する事はないでしょう。
ポータブル・オーディオの音に満足できない人は、まずは手軽にイヤホンを変えてみる事をお勧めします。


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posted by とのじ at 19:21 | Comment(1) | TrackBack(0) | オーディオ

2006年04月19日

Celestion SL700とアンプの駆動力

SL700は、航空機用のアルミハニカムを使用した軽くて丈夫なキャビネットに、SL6系のものを改良したウーファーと、外見はSL6系の銅ハードドームツィーターと良く似てはいますが、音は全く異なる非常に優秀なアルミツィーターを搭載した小型2wayスピーカーです。良く考えられて設計された専用スタンドが付属していたことも忘れてはなりません。
SL700は、現在の小型・高密度スピーカーの源流のひとつです。
きちんと鳴らすことができた時には、今でも一線級で通用します。それどころか、現在でもこれを越えていると確信できるものはごく少数でしょう。
ところが現在では、ほとんどSL700の事を聞く事が少なくなりました。ヤフオクでもスタンドつきの良品が10万円台半ばで取引されている有様です。若いオーディオマニアの中には、SL700の事を知らない人も少なくありません。
これほど優れたスピーカーなのになぜこのような事態になったのでしょうか。
理由はひとつです。このスピーカーは極めて鳴らしづらい、との事実です。
この辺りの事情は以前「可哀想なSL700」で書きました。
その時、私は「このスピーカーを本気で鳴らそうとするならば、最低100万円は使う覚悟をしておいてください」と書きましたが、この考えは今でも変わりません。最低100万円をアンプに、です。
ちなみに、スペックだけのハイパワーアンプではこのスピーカーは鳴らしきれません。数百Wx7とかのスペックのAVアンプでは多分眠い音でしか鳴らないでしょう。パワーではなく、きちんとした駆動力のあるアンプで鳴らす必要があるのです。
ちなみに私が今SL-700に繋いでいるアンプはSpectral DMA-80です。公称90W+90Wしかないアンプですが、私が経験した中では最もSL700を良く鳴らしてくれています。
真の駆動力とは何か、ハイパワーなだけでは鳴らしきれない理由はどこにあるのかと、私は答えの出ていない疑問を抱えています。
posted by とのじ at 12:54 | Comment(11) | TrackBack(0) | オーディオ

2006年04月02日

転がしておくだけ

ちょっとオカルト入っているので、エイプリルフールネタにしようかと思っていたら、次の日になってしまっていました。来年まで置いておいたら忘れてしまいそうなので、書いておきます。
去年の夏に長岡鉄男氏設計のスーパーフラミンゴを作ったことは、ここにも書きましたが、それに関してです。
長岡鉄男氏はエンクロージャに関しては「作成直後は置いておくだけでも、作成時の歪み等がとれて音が良くなる」との記述を残していますが、スーパーフラミンゴ(以下面倒なのでフラミンゴ)では、もっと長いスパンでエージングが進んでいくのではないかと感じています。
私は、フラミンゴとLS3/5aを交互に1ヶ月くらいのスパンで交代に鳴らしています。まあ、なんとも好対照だか両極端な組み合わせで面白がっています。さて、LS3/5aは交代しても「やっぱり和むなぁ」と感じはしても、音が変化したとは感じはしないのですか、フラミンゴの方は1ヶ月放っておいてから聴くと音が良くなっていると感じる事が多いのです。具体的には、作成直後は全く別々に聴こえていたホーンからの低音とユニットの音がだんだん繋がり良くなっているように聴こえるのです。まだ、変化は進行中なので最終的にはどうなるか判りませんが、バックロードホーンのような複雑なエンクロージャの場合には、きちんと判断するには相当待たなければならないと思ったのでした。
で、これだけではまだ軽いカルト程度です。もう少し、話を進めましょう。
フラミンゴで使っているユニット、6N-FE108ESについてです。私は、購入直後にある人の設計した小型バックロードホーンでこれを聴いた事があります。
酷い音でした。中高域がカンキンとうるさい、典型的なFostexのユニットの鳴らし始めの音でした。これは大人しくなるまでどの位掛かるだろう、と暗い気分になるのに十分すぎるくらいでした。
そして、フラミンゴが完成したときもそれを覚悟していました。取りあえず最初のCDはPlayボタンを押したところで逃げ出して、別室でそれ1枚が終わるまで待っていました。そのくらい忌わしい記憶だったのです。
で、それでもきちんと聴いてみようとフラミンゴの前に座って、CDを聴き始めてあっけに取られました。
完成したばかりで、ハイ上がりの音とボーボーとなる低音は仕方ないものの、忌わしい記憶にあったあのうるささは、あまりありません。全く無いわけではありませんが、あの時の10秒も聴けずに逃げ出した音とは異なる音でした。
なぜだろう、と私は不思議に思いました。そこで例の長岡鉄男氏の言葉が蘇ってきたのです。「作成直後は置いておくだけでも、作成時の歪み等がとれて音が良くなる」
もしかしたら、これはエンクロージャばかりではなく、ユニットにも言える事ではないか、と。ユニットにしても、作成直後は、組み立て時の歪みとまで行かなくても、ストレスがあって、それが数年放置している間にかなり取れたのではないか、と思ったのです。実証する術はありませんが。
そして、似たような事は実はオーディオ機器全般について、多かれ少なかれ言えるのではないか、と少しばかり考えているのです。ヴィンテージ、あるいはそこまで行かなくても中古オーディオは、角の丸まった音のするものが多いのですが、それは劣化によるものだけなのでしょうか? 実は、作成時のストレスがとれて角が丸くなったものもあるのではないか、と。
ま、ここまで話を拡げるとオカルトになってしまいますし、実証する術もないので、エイプリルフール過ぎの深夜の法螺話としておきましょう。
posted by とのじ at 02:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2006年03月17日

B&Wのスピーカーに関して

B&Wは今一番勢いのあるスピーカーメーカーです。
さて、この会社の作るスピーカーについては「理詰めな作りで、分割振動を徹底的に排除したスピーカー」であるとの言説がなされることがありますが、これは一部であっていますが、一部は間違っています。B&Wのスピーカーは、確かにユニットやキャビネットには先端的な技術を使用していますが、スピーカーシステムとしてのまとめ方はむしろ古典的な、と言っても良いくらいな伝統に根ざしています。
それを示しているのは、各ユニットのクロスオーバー周波数とミッドレンジユニットです。
ノーチラス800シリーズでは、2wayの805を除いて全て3wayであり、ミッドレンジには全て15cmのコーン型ユニットを使用しています。ちなみに805は16.5cmウーファーを使用しています。
そして、クロスオーバー周波数ですが、全て350Hzと4kHzです。805もツィーターとのクロスは4kHzで変わりありません。
更に、下位シリーズとなる700シリーズですが、これも上は全て4kHz、下は350Hz(703)と150Hz(704)です。ちなみに、ミッドレンジは16cm(703)、16.5cm(704)と、800シリーズより若干大きなミッドレンジとなっています。2wayの705は16.5cmウーファーとなっています。
16cm前後のコーン型ユニットはずっと昔のオーディオ黎明期からお馴染みのフルレンジユニットであり、日本で最も有名なものとしては、Diatone, P-610があります。B&Wはこの伝統的な口径のコーン型ユニットを最新技術でリファインして、ミッドレンジ、あるいはウーファーとして使用しているのです。
そして、このユニットを350Hz-4kHzと言う広い帯域で使用しているのです。ちなみにこの帯域はほぼ電話で伝送される周波数帯域とほぼ同じです。つまり、B&Wの800シリーズと700シリーズの上位2シリーズでは、古典的な形式のユニットを現代の技術でリファインして、音声再生で最も重要な帯域を任せているのです。
即ち、800シリーズと700シリーズはフルレンジに上と下を足したシステムと見ることができます。このように、B&Wの上位2シリーズは、システムのまとめ方としては、極めて古典的である、と言えます。
このような、最新技術で製作したユニットを、極めて古典的な手法でまとめてスピーカーシステムとしている点が、多くの人の支持を集めている理由の一つなのかもしれません。
ちなみに、分割振動ですが、15cmのコーン型でしかもケプラー繊維を編み上げた柔らかい振動板ですから、4kHzまでピストンモーションで振動することは不可能です。B&Wはこのユニットの分割振動を上手にコントロールして良い音を出しているのです。この様な点にこそ、B&Wのスピーカー作りの巧さの一端が伺えます。
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2005年12月26日

今年気になった事, オーディオ(&ビジュアル)その五; DCI規格決定

DCI(Digital Cinema Initiatives)はハリウッドメジャー7社がデジタルシネマの標準規格を決定するために設立した団体で、2005年7月に規格が制定されました。現在、国際標準化の作業が行われているとの事です。ただ、ハリウッドの影響力の大きさからすると、大筋はこれで合意されたものと考えて良いかと思います。
気になる解像度ですが、2K(2048×1080)と4K(4096×2160)の二本立てとなりました。2KはHi-Vision(1920×1080)相当、4KがHi-Visionの約4倍の解像度となります。
これにより、今後映画のデジタル配給の動きが本格化することと思われます。
ところで、「これがいつ見られるようになるか」が気になりますが、実は今見ることができるのです。
現在、ワーナー、NTT、東宝が協同で4Kデジタルシネマ協同トライアルを東京と大阪の劇場で行っています。もちろん、料金を取っての上映ですから普通に見ることが出来ます。ニュースリリースはこちら
お台場でやっていた「ティム・バートンのコープス・ブライド」は終わってしまいましたが、六本木のハリーポッターはまだ上映しています。
年末年始の休みに、興味ある方は見に行くことをお勧めします。
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2005年12月20日

今年気になった事, オーディオその四: リング・ツィーターの流行

去年からのことですが、今年もピュア・オーディオ用スピーカーでは、リング・ツィーターが流行りました。外部からユニットを買ってスピーカーシステムを作っているメーカーの半分くらいはリング・ツィーターを使用しているような印象さえ受けました。
このリング・ツィーターはほとんどが、Vifa XT19td00-04(3/4inch), XT25tg30-04(1inch)あるいは、中心が尖っているのが、Scan-Speak R2904/700000(silver faceplate), R2904/700000(black faceplate)です。
XT25については、以前に印象を書いていますが、使い方が難しいユニットと感じました。確かに2kHzクロスでも特性上はつながるのですが・・・。
個人的には、案外早くリング・ツィーターは廃れるのではないかと思っています。
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2005年12月19日

今年気になった事, オーディオその三: FMの復活

FM雑誌が廃刊になって久しく、この数年新製品が全く出ていなかったFMチューナーですが、今年はアキュフェーズの高級機をはじめ、何種類か新製品が発売されました。
今更なぜFM? と思ったのですが、実は最近はFM受信環境が整備されてきていることに気付きました。それは、ケーブルTVの普及によってです。
多くのケーブルTVでは、ついでのおまけ程度にしかケーブルTV会社は考えていないでしょうが、FMも配信されています。昔は、FMアンテナを立てないと受信環境がひどくて真剣に聴こうとする気がしなかったものが、ケーブルTVの配信により綺麗に受信できるようになりました。そのような環境で聞いてみるとFMは結構しっかりとした音がします。しかも、気が付いてみると関東圏では10局近くが受信できる時代になっていました。
こうなってくると、折角の音楽ソースです。見逃す手はありません。昔のようにエアチェックをしたりはしなくても、流しておくには絶好のソースです。その結果、FMチューナーが売れるようになり、新製品も今年は出たのではと考えています。
地上デジタルが騒がれている中で、地味にFMが復活しているのです。更に、BSラジオが来年3月に廃止されることと考え合わせると、ちょっとした皮肉を感じます。
posted by とのじ at 17:17 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

今年気になった事-オーディオその二: iPod nano

あの小ささとフラッシュメモリで4GBの容量に惚れて買おうとしたのですが、実はまだ買っていません。
iPodはあの小ささばかりが注目されていますが、ピュア・オーディオ的に見ても実に大きな意味が隠されています。
遂に、デジタルデータをそこそこのコストで固体メモリに収めることが可能になった、と言う事です。
オーディオ・マニアにとっては常識であり、普通の人には理解しがたいことなのでしょうが、CDトランスポートで音が変わるのです。それも微差ではなく、かなり大きく。そのため、様々なCDトランスポートが開発されてきました。そして、それらはどれもが音が違うのです。
これは、回転系とサーボがある以上仕方が無いと思われてきましたが、固体メモリにはそのような可動部分はなく、正確にデジタル・データを取り出すことが可能です。これはピァア・オーディオにとって大きな意味を持つことではないかと思います。
つまり、CDデータを一旦固体メモリに格納しそれを出力するようなトランスポート、当然クロックなどはオーディオ用に吟味されたものが必要ですが、によりこれまでのCDトランスポートでは得られなかった音が得られる可能性があるのではないか、と思われるのです。
こうした可能性が、iPod nanoから考えられるのです。

posted by とのじ at 12:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

今年気になった事-オーディオその一-iTunes Music Storeの成功

師走も半ばを過ぎましたし(そういえば年賀状をまだ買っていません)、今年の締めを思いつくままに書いて行こうかと思います。
オーディオ・ビジュアル関係では、今年は新フォーマットが出ない珍しい年でした。
そのような中で最も大きな話題は個人的には「iTunes Music Store」の成功だと思います。これにより、日本でも音楽のダウンロード販売が商業的に成功することが実証されました。一方でパッケージ・メディアはCCCDがやっと消えたと思った矢先に、SONY/BGMのCCD回収騒ぎでイメージダウンしました。
オーディオ・マニアの人は、「MP3なんて音楽じゃない」と言ったりしますが、これにより若い人のオーディオへの扉を開くきっかけが増えたことは否定できません。
圧縮音楽と言っても当然のことながら、方式・ビットレート・エンコードソフト等により、非常に音が変わります。PCでこれを簡単に経験できることにより、ミニコンポで漫然と音楽を流していた時よりも格段に音の違いを知ることが出来るようになりました。その結果、付属のイヤホンでは満足できなくなり、別にイヤホンを買う人が増えるようになったのです。
その事は、ヨドバシカメラなどの量販店のiPodあるいは、オーディオ売り場に行けばすぐ判ります。そこには様々なイヤホンが展示され、なかにはEtymotic Research, ER-4SやShure, E-5cなどiPod本体よりも高いイヤホンも何種類か展示されています。
この様なことは、カセットのウォークマンやポータブルCDPやMDの頃には無かった新しい動きです。つまり、圧縮法による音の違いを体験したことからオーディオに目覚めつつある層が確実に若い人の中に育っているのです。従来からのオーディオ・メディアはほとんどこうした動きについて取り上げていません。むしろ、コンピューター関係の雑誌のほうが盛んにこうしたイヤホンについて取り上げています。
今育ちつつあるこうした若いオーディオ予備軍を、本格的なホーム・オーディオの世界に招き入れることが出来るならば、オーディオの衰退に歯止めを掛けることが出来るのでしょうが、どうも頭の古い評論家の方々は、こうした聞き方を「音楽を消費するだけのものだ」と否定的な反応しか示せていません。
音に特化した圧縮オーディオ機器とイヤホンの紹介、そしてそれからステップアップするための安価なオーディオ機器のための雑誌があれば、こうした層を取り込むことができるかもしれませんが、PCとオーディオの両方がきちんと判っているライターは(そして編集者も)少ないでしょうから、難しいことでしょう。
posted by とのじ at 12:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年11月15日

大きなマグネット

アルニコ磁石のスピーカーの音のよさの原因の一つに、振動板の後方にマグネットがないため、との説があります。正しいかどうかは判りませんが、確かに振動板のすぐ後方に音を遮るように存在している大きなフェライトマグネットを見ると、この説もある程度正しいのかも、と直感的に思ったりします。
夏にスーパーフラミンゴを製作し、現在寝室で鳴らしていますが、先日気になるサイトを見つけました。
確かに、取り付け穴が82Φに対してマグネット直径が80Φ、板厚が15mmに対してマグネットまでの距離が18mmのFE88ESは、僅かに2mm×3mmの隙間からユニットの音が漏れ出していることになります。直感的には音に影響しそうです。
そこで、先日取り付け穴を大きくしてみました。余り大きく開けると強度に影響するかと思い、ねじ穴部を避けて取り付け穴の直径を88mmにしてみました。振動板面積約30cm^2に対して隙間は約48cm^2になり、ある程度楽に振動板の音が抜けるようになったはずです。
で、聴いてみました。低域よりも中高域がスムースになったような印象でした。実は、スーパーフラミンゴは、このところエージングも兼ねて寝る時に鳴らしていたので、きちんとセンターで聞いていたことはしばらく無かったのです。
お陰で効果の程はきちんと判断できませんでした。良くなったかな、と思えば良くなったのですが、プラシーボではない、とはっきり断言できるほど劇的に変わったとの印象もありません。
まぁ、悪くならなかっただけでも良しとしておきます。
もっと広げてみたらどうか、ですか? ヘッドを取り外せるようにしていたらやっていたでしょうがねぇ、とだけ答えておきます。
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2005年09月15日

オーディオの入り口

コンサートで聴く機会の方が遥かに少なくなっている現代では、音楽を聴くためにはオーディオが必要です。
オーディオは音質向上と利便性の向上を両輪として発展してきました。ただ、この両輪は非対称なもので、音質向上を伴わない利便性の向上のみが利点のフォーマットでも普及することはありましたが、利便性を伴わない音質向上のみが利点のフォーマットは結局普及しませんでした。
先ほど、音質向上と利便性向上が両輪となってと書きましたが、正確には、オーディオはサイドカーのようなものです。利便性向上はバイク、音質向上が側車です。バイクは独立して走ることはできますが、側車は独立しては走ることはできません。
現在流行っているiPodなどのメモリ・オーディオも利便性向上により、普及したものです。これまでは、MDなりCDなりを1枚聴き終わる度に交換しなければならなかったのが、メモリ・オーディオの登場により、何十時間分の音楽を蓄えることができるようになったため、換えのディスクを持ち歩く必要も無くなりました。また、iTuneなどにより、ネットで音楽を買うことができるようになったので、家にいても欲しいと思った時に手に入るようになりました。
こうした事は、音楽をデジタル・データに変換した時から理論的に可能になりました。実用段階までコストが下がるのに時間が掛かっただけであり、理論的に音楽のデジタル録音を開始した時から予見されていた未来でした。圧縮技術はデジタル・データ化の余禄のようなものです。
昔ながらのオーディオ評論家の一部には、このような傾向は、音楽の価値を貶め、音楽を真剣に再生しようとする人はやがていなくなると主張しています。しかしながら、音楽が商業芸術である以上それが消費されるのは当然であり、消費されることの無くなった商業芸術は衰退するしかありません。メモリ・オーディオの登場は消費方法に選択肢が一つ増えただけに過ぎません。
また、メモリ・オーディオを使用している人たちも音にこだわりが無いわけではありません。確かに一部ではありますが、良いヘッドフォンを探し、圧縮時のエンコーダの差に一喜一憂して音にこだわっている人もいるのです。また、可逆圧縮により源CDの品質のまま聴こうとする人もいます。
こうした人たちの努力を知ろうともせずに「メモリ・オーディオは駄目だ」と頭ごなしに否定する古い考えのオーディオ評論家には呆れるほかありません。オーディオに興味を持つきっかけは「良い音で聴きたい」と思った時です。そうである以上、メモリ・オーディオでよい音を聴こうと努力する人が増えていることは、歓迎すべき事です。
オーディオの入り口は時代によって異なるものなのだと、思うのです。
posted by とのじ at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年09月01日

小型スピーカー雑感-4

小型スピーカー雑感を1,2,3と書いてしばらく時間が経ってしまいましたが、今回はウーファーについてです。
通常のダイナミック型スピーカー・ユニットでは、ピストンモーションで振動できる帯域でのみユニットを使用することができるのが理想です。ところが、理想は理想であって現実に実現しようとすると、なかなか大変です。
振動板に、紙やポリプロピレンなどの合成樹脂系の柔らかい素材を使用した場合には、20cm程度のユニットでは、ピストンモーションで振動可能な領域は精々1kHzまでです。それ以上の帯域は例えば、このユニットのように分割振動を利用しながら伸ばしていくのです。
このユニットの場合、約800Hzから分割振動はしているのですが、5kHzくらいまでは、0°、30°、60°でほぼ同じ形でレベルが下がっています。これは、5kHzくらいまでは位相特性がそれほど悪くなっていないことを示しているわけで、このサイズのユニットとしては非常に優秀であると言えます。しかし、音圧レベルが30°、60°では急激に下がっている事は放射エネルギーが急激に下がっていることを意味しているので、このユニットが軸上ではを5kHzでも低域と変わらないレベルを保っているからといって、これを5kHzまで使うことには問題があります。このユニットの場合、できれば2kHzクロス、精々3kHzクロスまでで使用するのが無難となるはずです。
また、分割振動をしているのですからピストンモーションでの場合と比較して、周波数特性、位相特性は高域になるほど顕著に悪化します。当然、音質も低下します。
それでは、ピストンモーション領域だけで使用したい場合にはどうしたら良いのでしょうか? 一般にハードな素材を振動板に使えば、ピストンモーション領域は伸びるので、例えば、アルミニウムやマグネシウム合金を使用したユニットを使えばよいのでは、となります。
例えば、このユニットです。このユニットの場合、4kHzまでピストンモーションで振動していますが、ピストンモーションができなくなった時点で10dB以上の高い共振ピークを示します。そのため、このユニットを使用する場合には、ピークキャンセラーが不可欠となりますが、これは音質劣化の要因となります。また、ピークキャンセラーは、単に5kHzの成分の入力をカットするだけですので、例えば、2.5kHzの信号が入った場合に、ユニットが勝手にその倍数となる5kHzで共振すること(つまり歪みとなる)は止めることができません。そして、ピークキャンセルを噛ませる事を条件とすると、このユニットもやはり精々3kHz程度でクロスさせることが望ましいのです。
今回は18cmクラスで比較しましたが、同様なことは若干周波数をずらしただけで他の口径のユニットでも言えるのです。
次回は、このようなウーファーとツィーターをつなげるためのネットワークについて、少しばかり考えるところを書いてみたいと思います。
posted by とのじ at 12:26 | Comment(1) | TrackBack(1) | オーディオ

2005年08月24日

夏休みの工作

IMGP0098s.jpg
夏休みの工作として、スピーカーを作りました。
長岡鉄男氏設計の「スーパー・フラミンゴ」、8cmフルレンジのバックロードホーンです。
カット材を買って、設計図どおり組み立てるだけのデッド・コピーで、自作というよりもまさしく、工作です。
そんなわけで、あっさり組みあがったのですが、塗装に失敗して汚いものになりました。写真は塗装前のものです。
で、組み立ててから一週間ほど経ったのですが、なかなかいい音で鳴るようになりました。
かつてのフォステクスにあった雑な高域が随分滑らかになりました。これは友人宅でモアを聞いたときにも感じたのですが、この8cmのユニット(6N-FE88ES)は口径が小さいためか更に滑らかで並のツィーターよりも優れているのでは、と思えるほどです。おかげでメジャーレーベルのクラシックや、オンマイクでのヴァイオリンもきちんと聴く事ができるようになりました。また、ベールが一枚剥げたような感じでボーカルが生々しく歌ってくれるのは、ネットワークレスのフルレンジ直結のおかげでしょう。
私がメインに使っている欧州系小型スピーカーとは、随分と音の佇まいが異なりますが、実に説得力のある音で鳴ってくれます。
フォステクスはこの6N-FE88ESというユニットを限定発売でしか出しませんでしたが、このように良いユニットは正規商品として、きちんと売って頂けたら、と感じました。
posted by とのじ at 12:05 | Comment(2) | TrackBack(1) | オーディオ

2005年08月01日

音は人也

昨日、友人と一緒に知リ合いFZIROさんの御宅にお邪魔し、オーディオ・システムを聴かせて頂きました。
FZIROさんの部屋には、JBL, TANNOY, YAMAHA, Sonus Faberの4組のスピーカーがずらりと並んでいました。
それぞれを別系統のシステムで鳴らしているので、棚に並んだ機器も大した数になります。
そして、音は、それぞれのスピーカーの個性を上手く引き出した、とても聴きやすいものでした。それぞれ聴くジャンルに合わせたチューニングがしてあって、個性のあるスピーカーがつぼにはまった時の楽しさで音楽を聴かせてくれました。
そして、4つのシステムに共通して言えることは、あくまで音楽を楽しく鳴らそうとしていることで、オーディオまみれの部屋でありながら、決してオーディオが主役になった音ではなく、音楽が主役となった音でした。このあたり、FZIROさんのオーディオの経験の深さが伺えます。そして、やはり、音には人柄がにじみ出て来るものだな、とも感じました。
「音は人也」とは、だれが言い始めたか知りませんが、実に巧い言葉だと思います。今まで、色々な人の御宅の装置を聴かせてもらった経験からも、きちんとシステムを鳴らし込んでいる人の音は、やはり人柄が感じられるような音でした。
翻って、私の今鳴らしている音を他人に聴かせたら、どう聴こえるだろうかと、ちょっと考えこまさせたりもした一日でした。
posted by とのじ at 12:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年07月05日

Celestion SL600とSL700

私はSL600Siをサブスピーカーに使っていました。
先日、SL700をネットオークションで安く落札したので、比較してみました。
はい、可哀想なSL-700で書いたように、落札したのは、ご想像通り私なのでした。
当初は、SL600SiとSL700でサラウンドしようか、なんて能天気なことを考えていました。
そう、アンプをどうするんだ、との外野(良心?)の声が聞こえてきます。

SL600SiはSL600をバイワイヤリング対応にしただけの物らしいので、以下ではSL600と表記します。
それでは、両者の比較です。
・底面
SL600はまっ平ら。SL700はスパイク受けとねじ穴があります。ねじは単なる転落防止用です。。
・ツィーター
SL600は銅ドーム。SL700はアルミドーム。音は全く違います。
SL600は音を丸めて刺激的な音は出さないようにする傾向。情報量は余り多くありません。対して、SL700のアルミドームは情報量が多く、質も良いものです。ただ、ちょっと金物くさい所を時々感じます。当時のツィーターとしては出色の出来だったのではないか、と思えます。今でも、100万円/pair以下の海外製でこれと同等以上の質のツィーターを持つものは非常に稀ではないでしょうか。
・ウーファー
外観でも、エッジ周りが違うなど改良の跡があります。音も違います。SL700の方が低域方向のレンジが広がっています。CelestionがSystem6000は作っても、System7000は作らなかったのは、これで十分と思ったからではないか、と思うくらい伸びています。
・結論
SL600とSL700は似て非なるものと感じました。両方使ってサラウンドやろうと思ったのですが、やはり無理な感じです。
posted by とのじ at 19:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年06月30日

オーディオのオカルトとカルト

ええと、オカルトもカルトははっきり言って追放することは難しいです。
まず、下手をしたら分数の割り算もできないかもしれない文系出身の編集者に科学的素養なんて期待できるはずはありませんので、原稿が科学的に正確であるかどうかの判断は期待できません。
また、科学の側でも問題はあります。
例えば、伝送理論ですが、通信関係での研究が盛ん(と言うかこれ以外にほとんどない)でしたので、高周波の長距離伝送が主要テーマでした。ですので、エナメル線でも繋げば音が出るような低周波の短距離伝送なんて誰もきちんとやってません。そのような理由から、現在の伝送理論ではケーブルによる音の差なんて説明できません。ちなみに通信は光に移行していますから、今更きちんと電気の伝送理論をテーマにしようと言う奇特な人もなかなかいません。しかも、低周波では近似が使えないから、扱いも至極面倒になります。
つまり、低周波の短距離伝送の研究はとても面倒で一流の人材を投入しなければ成果が期待できないものであるにも関わらず、非常に得るものが少ないわけです。
そうした事で、ケーブルからカルトを追放することでさえ今の状態では不可能なわけです。科学の側からのアプローチが余りに少なすぎましたし、今後も期待できないわけですから。
一応理論のある分野でもこれですから、振動対策なんて更に大変です。電気と物理的振動との因果関係についての研究は聞いたこともありませんし、これの解析もかなり手間のかかる割には、益少ないもののように感じます。これもまた、カルトの跋扈する領域となっているのはご存知の通りです。

とは言え、科学的にはっきり間違っているオカルトだけでも追放したいものです。
「理由は判らないけど、音が良くなった/変わった」の方が私には、ずっと受け入れやすいのですから。
posted by とのじ at 12:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年06月29日

いい音で音楽が鳴ると

幸せ、なんでしょう。
「最初からこの音で聴けていれば、オーディオの泥沼にはまる事は無かったのに」と、思ったりして聴いています。
もちろん、泥沼を進んで来たからこそ、こうした音で鳴らせているのでしょう、とは承知しています。
だから、複雑な思いが一方であるのです。
その複雑な思いは、良く鳴っているシステムがサブシステムだったりしたら、一層深くなります。
ちなみに、今の私のメインシステムは取っ散らかった音になっています。ちょっとセッティングやら何やらを根本から見直す必要があるかもしれません。
逆にそうした状況だから、サブシステムでもきちんと聴ける装置があることには救われもします。
不幸なことに今はボーナス直後。多少は何かやる余裕がある時期です。
はたして、どうなる事でしょう。
ある程度落ち着いたら、ここに書くかもしれません。

最後に一言だけ。
「低音を決めるのはやっぱり床」
でも、私は低音はほどほどまでしか追及しませんが。
posted by とのじ at 00:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年06月28日

鳴り響くタンバリン

オーケストラで使われる打楽器はモーツァルトの頃はティンパニーくらいなものでしたが、時代を下るにつれて、大太鼓、小太鼓、シンバル、トライアングル、鐘、銅鑼、タンバリン、マリンバ、シロフォン、大砲、鞭、等叩いて音が出るものならば何でも使われるようになりました。
この中でも、タンバリンは、音量も大してないのに、使われることがあります。有名なところでは、ストラヴィンスキー「火の鳥」(1910年全曲版)やショスタコーヴィッチの「交響曲7番」といったところでしょうか。音量があまり無いので実演ではがんばって叩いてもあまり目立ちませんが、オーケストラの強奏の大音量の中で印象的なリズムを刻んでいたりすることがあります。こういう時には、録音技術の出番です。タンバリンの前に専用のマイクをセットして、出番では、フィーダーをうんと上げて、どの楽器よりも目立たせます。この様にして、オーケストラの中で一番鳴り響くタンバリンの誕生です。
極端な例として、ゲルギエフ指揮の「ショスタコービッチ: 交響曲第7番」をあげます。
この第一楽章の13:51からの箇所と、15:06からの二箇所で、タンバリンが他のどの楽器よりも存在を主張します。まさに、鳴り響くタンバリン、です。
ちなみに、他ではどうかと幾つか調べてみました。
まずは、コンドラシンがソヴィエト時代に国家プロジェクトで録音した初の全集からです。録音年は1975年と、ショスタコービッチが亡くなった年ですから、この録音に立ち会ったか微妙ですが、ある程度作曲者から曲の解釈上の疑問点などを聞いて録音したものと思われます。この盤では、タンバリンは実演よりは強調されているかもしれませんが、控えめにオーケストラのバランスを崩さない程度に鳴っています。
次は、作曲者との直接の交流は無かったであろう1962年録音のバーンスタイン指揮NYフィルの演奏です。これでは、タンバリンに専用マイクが設けられていて、リズムを刻むところではしっかりと強調されています。ただ、ゲルギエフほど極端ではありません。ゲルギエフとコンドラシンの中間よりもコンドラシン寄りでしょうか。
最後は、放送録音らしいケーゲル指揮MDR交響楽団のものです。これは1972年の録音です。これでは、マイクの数も少なく、タンバリンに専用マイクもセットされていないようです。これが実演に一番近いバランスではないかと思います。この場合、最初の方では意識していればタンバリンのリズムも聞こえますが、二度目のは他の楽器にかき消されてほとんど聞こえません。
この様な不自然な強調に対しては、納得できないという人もいるでしょうが、作曲家のオーケストレーションのまずい部分を録音技術により補正して、作曲家のイメージにより近づけるという意図の下で録音されているとしたら、一概に否定できません。
とは言え、ものには限度というものがあって、ゲルギエフのは、やはり、やり過ぎだと思うのです。
posted by とのじ at 01:53 | Comment(2) | TrackBack(1) | オーディオ

2005年06月26日

可哀想なSL700

ほぼ同じ時期にほぼ同じ値段で出た、Celestion SL700とSonus Faber, Electa Amator。
Electa Amatorは、今でも30万円前後で取引されていますが、先日ヤフオクに出たSL700は、スタンド付完動品にも関わらず、\92,000-で落札されました。
Electa Amatorは無垢の寄木細工の綺麗な作りの箱ですが、SL700は、アルミハニカム材で作られていて、非常に丈夫で軽くて鳴きにくい箱ですが、外観は地味なグレーの塗装です。
この様に、両者の外観は非常に大きな差がありますが、現在の価格差は、仕上げの差以上に、鳴らしやすさの差に拠る所が大きいのではないかと思います。
Electa Amatorも実は鳴らしやすいスピーカーではありません。当時でしたら、Lux L-570と組み合わされることも多かったようですが、このアンプではウーファーを制御しきれず、バスレフの癖がそのまま出てしまいます。もちろん、オーケストラのスケールなんて望めません。それでも、小編成の室内楽やボーカルは本物以上に綺麗に鳴らすので、「ソースを選ぶが、嵌るとこれでしか出せない音で鳴る」との評価を得たのでした。実際のところ、当時Sonus Faberがリファレンスとして使っていたSpectralのアンプで鳴らすと、バスレフの癖も影を潜め、きちんとオーケストラも鳴らせるスピーカーなのですが、真価は知られずに表面的な評価ばかりが語られるようになりました。これはこれで不幸なのでしょう。
しかし、SL700は更に不幸です。上記Spectralのような駆動力のあるアンプで鳴らすと実に生き生きと鳴るのですが、アンプが駄目だともう全然です。眠い音しか出てきません。このようにして、SL700は真価を発揮できないまま手放す人が出て、それを安く買った人がもっと安いアンプで鳴らして、やっぱり駄目で売り払って、と悪循環を繰り返し、どんどん安くなっていったものと推測されます。
結局、今ではヤフオクでも、
70万円以上したSL700がこの値段!→初心者が手に入れて安いミニスピーカーと同じ感覚で398位のアンプで鳴らす→当然鳴らない。下手をしたらSL-700の前に使っていたミニスピーカーよりも鳴らないかもしれない→駄目駄目じゃんと勘違いして手放す→さらに価格低下
の悪循環にはまってしまっているような気がします。
これから、SL700やSL600をオークションに出す人は以下の但し書きを書いておくべきかもしれません。
「このスピーカーを本気で鳴らそうとするならば、最低100万円は使う覚悟をしておいてください」、と。
多分、こんな但し書きを付けたら、売れないでしょうが。
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2005年06月25日

音楽を聴くカクゴ

オーディオは金と場所を喰らう趣味です。これは、認めなければなりません。
例えば、「私は機器は知人から譲ってもらったものだから、金は掛けていない」、と言う人もいるかもしれません。
しかし、そうした人でも、オーディオをきちんと鳴らそうとすると、きちんとセッティングしなくてはなりません。オーディオのための空間、それは低音多過を避けるためや音場感をきちんと出すために壁から離されたスピーカーの周囲の空間も含めます、は意外と大きくなるものなのです。もちろん、セッティングなんて関係なしで機器を雑然と置いている人は除外します。あくまで、音楽、少なくとも音、をきちんと聴きたくてオーディオに凝ってしまった人に限ります。

ところが、オーディオに疎い人たちはこの事を理解していません。理解できません、と言っても良いかもしれません。
私がちょっとオーディオに詳しい事を知って気軽に「何か、安くて良いスピーカーはない?」なんて聞いてくる人がいます。そして私が「無いことはないけど・・・、それより、オーディオのために最低でも壁一面くらいは空けられるスペースはあるのですか?」と尋ねると、ほとんどの人がきょとんとした顔をして黙り込んでしまいます。続けて、「オーディオをきちんと鳴らしたければ、最低でもそのくらいのスペースを確保してください。それができないなら、Staxのヘッドフォン(イヤースピーカーと言っても通じません)を買った方がずっと良い音で聞けます」と言うと、そのまま黙って去っていきます。「なにこのヲタク」って感じの表情をしながら。
そこで適当にあしらえるのが、大人の対応なのでしょうが、どうも私にはそれができません。
最近はiPodなどで気軽に音楽を聞く事が主流なようですが、音楽をきちんと聴こうとしたらそれ相応の覚悟が必要なのだと私が思っているからなのでしょう。
もちろん、流し聞きの楽しみも判っていますが、それならばiPodで十分でしょう、と思うのです。
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2005年06月23日

オーディオと化粧品

これは、友人から聞いたネタを再構成、加筆したものです。

世の男性にとって理解できないことの一つに女性の化粧品への拘りがあげられます。
「どうして、女性たちは出来上がりに大して違いが無いようにしか見えない高額な化粧品に大枚を払うのか?」
これに対して、女性側からは「違いがあると感じるから使っているのよ」との答えが返ってくるでしょう。
しかし、それに続いて「その違いは、値段の差を合理的に説明できるほどの差であるのか?」と尋ねてみましょう。多分、多くの女性は沈黙しこちらを上目遣いで(悲しそうにか、恨めしそうにか、などは人により異なるでしょうが)見るか、あるいは、逆切れして「自分の妻(彼女、友人その他)が綺麗なのが嬉しくないわけ?」等と問い詰められるのが落ちでしょう。
つまり、自身でも、値段に見合う差は無いが、自分の満足のために少しの差にも大枚を払っていることを自覚しているのです。

実は、同じことがオーディオにも言えるのです。
オーディオ趣味もまた、大多数が男性で、多くの女性にとって理解しがたい分野の趣味です。
そして、オーディオ趣味の男性を夫(恋人、友人その他)に持つ女性の多くはこう思っているのです。
「どうして、男どもは音に大して違いが無いようにしか聞こえない高額なオーディオ製品に大枚を払うのか?」
以下は、化粧品の場合と同じです。違いは、問い詰められた時に、上目遣いで相手を見る代わりに、笑ってごまかす事、くらいでしょうか。

このように、オーディオも化粧品も、費用対効果を合理的に解釈しようとしても意味が無く、自己の満足のために大枚をつぎ込んでいるものなのです。他の趣味は良く知りませんが、多分似たような事が言えるのではないでしょうか。
ちなみに、わずかでも効果があれば大枚を払う分野は、他にスポーツと軍事があります。
スポーツは0.1秒、1cmの差が天国と地獄の差になる事があるので、わずかな差にも大枚を払うことが理解できます。
軍事も、紙一重の差で生死を分けることがあるのですから、これもわずかな差に大枚を払うことは理解できます。
ところが、オーディオを始めとする趣味や化粧品では、自己の満足のためにわずかな差に大枚を払います。多くの部外者にとっては、これは理解しがたいことなのです。しかし、こうした分野では、僅かな差でも大枚を払う酔狂人が存在するため、コストとは無関係に最新の技術が投入された新製品が次々と開発され、そして販売されるものなのです。
そして、わずかな差に大枚を払う酔狂人が多くいるとの事実が、日本がほとんど民生品のみで軍需品を上回る品質のものを作ることができた一因ではないか、と私は密かに思っているのです。
posted by とのじ at 00:27 | Comment(2) | TrackBack(1) | オーディオ

2005年06月20日

Fostexの進歩

先週末、友人宅を訪問し、長岡鉄男氏設計の「モア」を聞きました。
友人宅のリスニングルームは、約十二畳ほどの広さのしっかりした作りの部屋でしたが、半分は倉庫状態になっていると言う、オーディオマニアにはありがちな状態を呈していました。
「モア」と言うのは、長岡鉄男氏設計のバックロードホーンスピーカーの傑作「スワン」の拡大強化バージョンです。スワンが10cmフルレンジ用であるのに対して、モアは20cmフルレンジのために設計されたシステムで、床面積が、66×60(cm)程もあろうかという、巨大システムです。ユニットは、Fostex FE-208ESが使用され、ホーンツィーターが繋がれていました。
巨大ではありますが、音源は20cmフルレンジ一発とその上に置かれたホーンツィーターだけなので、スワンと同様、綺麗な音場が展開されます。
さて、私は学生時代にスワン(ユニットはFE106Σ)を使っていたのですが、クラシック、特にオンマイクで録音されたヴァイオリンがヒステリックに鳴り、どうにかならないものかと色々やってみたのですが、どうにもなりませんでした。それ以来、Fostexは私にとっては鬼門となり、私は欧州小型スピーカーと欧州製ユニットの世界に流れていきました。
と言うわけで、モアも期待半分不安半分で、聞きに行ったのですが、これが予想以上に良いものでした。
私が持っていったCDとSACDは、かつてのFostexならば苦手としたはずのものでしたが、これらも大きな破綻も無く聴かせてくれた事には、正直驚きました。特に、以前紹介したVangerovのヴァイオリンは絶対上手く鳴らないだろうと思いながらかけたのですが、多少ヒステリックになるところはあったものの、全体としてきちんと鳴らせていた時には、「ホントにFEシリーズ?」とまで思ってしまいました。
もちろんフロンドエンドは、私の使っていたものとは大違いです。私の学生時代に使っていたものは、国産の普通の中級機でしたが、友人宅では、国産ではこれ以上のものはそろえられないだろうと思うような、Hi-End製品でした。
それでも、スピーカーの基本の部分は変わるものではありません。友人宅のモアが聴かせてくれたパフォーマンスは、もう一度、スワンシリーズを作ってみようかと思わせるのに十分なものでした。
もちろん、我が家ではモアなんて作れませんから、一番小さい8cmフルレンジ用のスーパーフラミンゴです。Fostexは鬼門だ、なんて言いながらも、なぜか6N-FE88ESは買ってあったのでした。その時は魔がさしたとしか思えなかったのですが、何か予感するところがあったのかもしれません。
posted by とのじ at 12:35 | Comment(4) | TrackBack(1) | オーディオ

2005年06月18日

エンコード/デコードの仕様が無い圧縮技術

そんなものが存在するはずがない、と叫ばれる方もいるかもしれません。
ところが、この世にはそんな摩訶不思議な規格も存在しているのです。
どうせマイナーな規格だろうとお思いの方もおられるでしょう。
ところが、これに接したことの無い人は世界中探しても稀だろう、と言う程メジャーな規格なのです。もちろん、これを読んでいるあなたも、毎日接しているはずです。
それはいったい何なんだ、と不思議に思われる方も居られるでしょう。勘の良い方は察してしまったかもしれません。
それは、『ステレオ』あるいは『サラウンド』と呼ばれる規格です。
これらの規格は、上下前後左右360°に広がる空間情報を、2ch(2点)、あるいは5ch(5点)に圧縮して収録し、それを再生時に2点、あるいは5点のスピーカーを使用して空間を再現することを目的とした規格なのです。
ところで、この規格のエンコード、すなわち2ch(5ch)への録音法ですが、実に様々です。ピアノ録音にピアノから30cmのところに10本のマイクを設置してそれをミキシングして、2ch(5ch)に収録しようが、マーラーの交響曲を演奏するオーケストラを天井からつるしたマイク2本で収録しようと自由です。なにしろ、エンコード(録音)にあたっての仕様なんてものは存在しないのですから。
そして、この規格のデコード、すなわち再生方法も極めていい加減です。5chサラウンドでは一応スピーカーの配置に関しては、ITU-Rで推奨配置が決まっていますが、再生のためのスピーカー特性に関しては一切仕様がありません。空間情報の再生には、周波数特性ばかりでなく、とくに位相特性が重要になるものですが、そのようなものに関して、推奨基準が出されたと言う話は一切聞きません。
このように、『ステレオ』や『サラウンド』は、空間情報を一旦2ch(5ch)に圧縮してから再生時にそれを再現すると言う一種の圧縮技術であるにも関わらず、エンコード/デコードに関する仕様が全くないことを理解頂けた事と思います。
さて、この様な杜撰極まりない規格に私たちは今後どのように対処していけばいいのでしょうか? やはり、きちんとした仕様を決めるべきなのでしょうか?
各人様々な意見があるでしょうが、私はこの出鱈目さを良い加減と読み替えて、適当に折り合いを付けつつ、やっていこうと思っています。
出鱈目な浮世だからこそ面白いのよ、とか嘯きつつ。
posted by とのじ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年06月03日

二重露出な録音

別に最近に始まったことでもないのでしょうが、最近良く耳にするので。
音場録音としてアンビエンス・マイクでホール・トーンを主に収録し、各楽器はマルチ・マイクで鮮明に録音する。そして、それをミキシングする。
その結果、アンビエンス・マイクで録音された音像とマルチ・マイクで収録された各楽器の音像が重なり合い、まるで二重露出のような音像が出現します。
具体的には、マルチ・マイクの音像がぼんやりと大きくせり出し、その後ろに等身大のはっきりした音像が現われます。オーケストラの録音ではそんなものを最近、良く耳にします。
気にしだすと音楽に集中できないので、なるべく気にしないようにしていますが、中には2つの音像の位置がずれ、まるで2つの楽器がユニゾンで旋律を奏でているかのように聴こえるものもあって、気にしたくはないのですが、思わず笑ってしまいます。
良くわかる例として、小澤征爾が振ったストラヴィンスキー「エディプス王」のCDが挙げられます。ここでは、ジェシー・ノーマンのアリア(と言っていいのだろうか?)で、ノーマンがまるで二人いるように聴こえます。

わかりませんか? 
なら、その方が幸せに音楽が聴けます。こんな事がわかっても、一つもいいことはありませんから。
posted by とのじ at 19:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月29日

買ってはいけないオーディオアクセサリー

それは『石』です。石の板。
他のオーディオボードに比べて、安いのは事実です。そして、効果もあります。
私もこんな感じで使っています。
PICT0060s
しかし、重いのです。それも格段に。
もし、石板をオーディオボードとして買おうとしているのなら、買う前に良く考えてください。
あなたは今、どこにお住まいですか? アパートですか? 寮ですか? 借家ですか? それとも幸福な事に持ち家なのでしょうか?
もし、あなたが賃貸住まいで将来引越しして環境が変わる可能性があるのなら、良く考えてから購入してください。
まず、引越しのときにとても重い荷物が増えることになります。次に、引越し先でもそれが必要になるとは限りません。必要がなくなった時にどうすればいいのでしょう?
売りますか? どこで? ヤフオクで?
良いでしょう。売れると思います。しかし、売るためには梱包をしなければなりません。ちなみに、スピーカーの下に敷いてある石板で、約40kgです。はっきりいって、こんなもの梱包したくありません。したくても、できないかもしれません。そうなると、只の邪魔で重たいだけのゴミになります。そして、知り合いの親切なオーディオマニアの誰かが、騙されて貰っていってくれるまで、存在を主張し続けます。
更に、コンセントボックスもあります。見ての通り、存在感がありすぎます。そして、やっぱり安いのです。そして,効果もあります。
PICT0057s
私は、安いので調子に乗って3個も買ってしまいました。こんな存在感を主張しまくるコンセントボックスが、オーディオ部屋に3個です。はっきり言って、捨ててしまいたいです。けれど、他のコンセントボックスの値段を見ると、「仕方ないか」と思ってしまってそのままです。
そして今、100x45x2.5(cm)の黒御影石の板があまっています。Sさんが欲しいと言っていたので、早く取りに来て欲しいのですが・・・、この文章を読んだら、遠慮してしまうでしょうかねぇ。
ちなみに買ったのはここです。
良心的なお店であることは確かです。熟慮した末に、それでも買う、と言うのであればお勧めです。
posted by とのじ at 20:48 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月20日

音楽のデータ化

「音楽のデジタル録音が可能になった時、人は音楽のデータ化の意味についてもっと深く考察するべきだった」
ある映画の台詞のもじりですが、最近つくづくそう感じています。
データ化された音楽は、ネットワークの中に漠として、しかし、確実に存在しています。それは、単なるビットの羅列として取り扱われ、処理されます。そして、それは各人のPCにより簡単に加工され、加工された音楽はまたネットワークの中で流通します。

・・・と、書いたところで私の手におえそうに無いな、と思ったのでここで降参。
後は、ぼちぼち考えてまとまったら書いてみます。
posted by とのじ at 20:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月19日

BBCのR&D Reports

ネットが使えるようになって、一番便利に思う事の一つに、以前なら図書館へ行かなければ手に入らなかった論文や、伝手が無ければ入手が難しかった半導体のデータシート等が、簡単にweb上で入手できるようになったことでしょうか。
特に、オーディオを趣味としている私にとっては、以下のようなものまでが入手できる事は、さすがに驚きました。
"List of RD Reports, 1960s, 1970-1996", BBC Research and Development
タイトル通り、BBC R&D部門の研究成果一覧です。このうち、青字のものは該当論文のPDFファイルをダウンロードできます。
一覧を見ているだけでもなかなか楽しめますが、今回私が最初にダウンロードしたものがこれです。
The design of the miniature monitoring loudspeaker type LS3/5A
LS3/5aに関するBBC自身によるレポートです。
さて、LS3/5aに関しては、あれはスピーチ用モニターだった等と貶める声もありますが、このレポートのSummary冒頭にはっきり、以下のように述べています。
"This report describes the design of a miniature two-unit loudspeaker of adequate sound quality and loudness to serve as a monitor in a conditions where existing designs would be unusable."
要は、"既存の大きなモニターが使えないような環境下でモニターとして十分な音質と音量を提供できるよう"LS3/5aを設計したと言うことです。
さあ、これからは、LS3/5aはスピーチ用だ、なんていう人にはこれを突きつけてあげましょう。
ちなみに、これには、ネットワーク図面や、周波数特性、インピーダンスカーブ、歪特性、等の図がありますので、英語の読めない人でも、見て楽しめると思います。
posted by とのじ at 22:12 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月18日

小型スピーカー雑感 - 3

前回から随分時間が経ってしまいました。
今回は、ツィーターに関するちょっとした経験談です。
登場するツィーターはScan-Speak D2905/9700Vifa XT25TG30-04です。型番にリンクを張っていますので、それぞれを見比べながらどうぞ。
D2905/9700(以下9700)は高級スピーカーで使われていることがあります。XT25TG30-04(以下XT25)は最近色々なスピーカーで使用されているので特徴的な角と共に見覚えのある方も多いと思います。
まず、両者のFrequency Respenceをご覧ください。両者とも2kHz以下では大変よく似ていることが判ると思います。
次に、Paramatersをご覧ください。特にFree Air Resonance(fs)と、Recommended Frequency Rangeにご注目ください。9700は500Hzと2-30kHz、XT25は530Hzと1.5kHz-40kHzとなっている事が判ります。そして、voice coil diameterは9700が28mm、XT25が26mmです。
ところで、これを実際に使用してみたらどうでしょう。スペック上ではXT25の方が下から使えることになっています。
実際には、9700は確かに2kHzからきちんと使えました。しかし、XT25は違いました。2kHzのクロスでも、飛んだりすることはありません。しかし、音が駄目です。汚いのです。低音に振られてか、濁った高音しか聞こえてきません。仕方なく、3kHzにクロスを上げました。やっと普通に聞ける音になりました。しかし、特に優れたものと言うわけでもありません。そして、4kHzにしたところ、やっと、綺麗で本格的な音が聞こえてきました。ちなみに、「本格的」とは「本物とは似て非なるもの」の婉曲表現です。
この差はどこから出てくるのでしょうか。もちろん、掛けられているコストが全く違います。米国の某通販サイトで比較してみると、9700はXT25に比べて実に3倍以上も高価なユニットなのです。しかし、その他にも、振動板の実効面積の差、が大きいのではと私は推測しています。9700は28mmのドームが、そのまま振動板になっていますが、XT25はボイスコイル径こそ26mmですが、リング状であり、中央に大きな角があるので、実効面積は実質的には20mm程度にしかなりません。当然、振動板面積が小さいほうが同じ音圧を稼ぐために、より大きな振幅を必要とします。この事により、カタログデータ以上にXT25が低域入力に弱いツィーターになっているのではないか、と推測しているのです。
これが、正しいかどうかは判りませんし、メーカーの方々は、3kHz以下で使っても問題なし、としているから、製品に使用しているのでしょう。唯、ひとつ指摘しておかなくてはならないことは、英米メーカーのスピーカーは、中低域に比べてツィーターにチープなユニットを使っていることが多い、と言う事実です。
さて、私のささやかな経験談はここまでです。次回は、ウーファーについて、少しばかり書いていきたいと思います。それでは、期待せずにお待ちください。
posted by とのじ at 21:20 | Comment(4) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月16日

嘘つきはお嫌いですか?

リアルな人間関係で嘘つきが好きな人はいないでしょうが、オーディオではどうでしょう?
オーディオは究極の目標を「原音再生」としています。していました、と言う方が今日では正しいかもしれません。
読者訪問などでも、最近では、原音再生を追及する、と堂々と言う人は殆ど居らず、自分の音を探求したいと答える人が多数派のようです。自分探しの物語がオーディオにまで波及している様には、苦笑するしかないのですが。
また、レコード演奏家論、と言うものが持て囃されていますが、これも原音再生の立場からすれば、レコードはあくまで再生するものであって演奏するものではない、とした反論が出るはずですが、このような反論をした評論家の話も寡聞にして聞きません。評論家の間でも「原音再生」と言う言葉を発することはどうやら、タブーになりつつあるようです。
殆どのオーディオ開発者が目指す音を"non-colorization"と言いつつも、その製品は夫々音が違っているように、殆どの人がレコードを再生しているつもりであっても、その人なりの解釈が含まれることにより、結果的に、レコードを「演奏」しているのである、との理屈は判るつもりです。しかし、はたしてそれを積極的に肯定してしまっていいのでしょうか?
「原音再生」と言う、ある意味、客観的な指標を失ったらオーディオはどうなるのでしょうか? それこそ、羅針盤を失った船のように、各人の解釈の自由と言う名の下に、音響の大海原をただ彷徨うだけのものになってしまうのではないでしょうか? そこには、行き着くべきゴールは無く、正しい航路を辿っているのかすら判らず、大海原を彷徨うだけの日々が待っているのです。そして、そこに、ゼンタはいないのです。
そう、今オーディオをやっている人の多くは、自分好みの嘘をついてくれる「嘘つきな機械」が大好きなのです。そして、その嘘に飽きたら他の機械に乗り換える。ただ、これだけを繰り返しているように見えます。
「原音再生」の理念を失ったオーディオは、嘘つきな機械たちの群れの中で彷徨い続けるだけの存在に成り果てるだけです。そして、そのようなオーディオには未来はない、と断言できるのではないでしょうか?

ところで、私はどうか、ですか?
はい、既にあきらめています。私は、Manger unitの奏でる音の中に原音の名残を探しながら呆然と佇み、あるいは、T330Dの紡ぐ甘い嘘の中に遊んでいるだけなのです。
私に必要なのは未来でも過去でもなく、唯、今だけなのですから。
posted by とのじ at 20:45 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月14日

無知とは恐ろしい

今出ているAudio Basic(vol.34)に、LS3/5aにはLeak Stereo30やStereo70が良く合う、と無責任に勧めているコラムがあります。初心者も対象にしたオーディオ誌で、40年も昔の、しかもネットオークションで買ったと言う、アンプを勧めてもいいのかな、と疑問に思いましたが、筆者はその危険性について一切触れていません。
ここで言うまでも無いことでしょうが、ネットオークションは基本的に自己責任の世界です。そして、40年前のアンプを買った場合の自己責任とは、単に音が出ないと言うだけでなく、接続したとたんにスピーカーが飛ぶ危険まで可能性として含まれます。むしろ、40年も前の電子機器が、何のメンテナンスも無しに正常に動作すると考える方がおかしいのです。それに古いものですから、取引相手に「こちらでは正常に動作していた。輸送中に壊れたのだろう」と言われたら、もうどうしようもありません。
ちなみに、この筆者の筆名は「山本耕司」とありました。無知とは恐ろしいものです。
posted by とのじ at 20:46 | Comment(14) | TrackBack(2) | オーディオ

2005年05月12日

情報量と音楽性

オーディオでは、情報量と音楽性と言う二つの言葉が頻繁に使われます。私なりに、二つの関係についてちょっと感じていることを書いてみます。次のように例えられると思います。
1.情報量は多いが、音楽的ではない音
細密画(ミニアチュール)のように、細部まで極めて丹念に描かれていますが、全ての線が同じ太さ同じ調子なので、かえって何が描かれているのか判然としない状態です。
2.情報量は少ないが、音楽的な音
戯画(カリカチュア)のように線の太さと調子を変えて、極めて良く特徴を捉えて描かれていますが、あまり書き込まれてはいません。
3.情報量が多く、音楽的な音
線の太さと調子を変えて、丹念に描かれた細密画(ミニアチュール)。何が描かれているのか良く判ると同時に、更に見ていくと実に丹念に細部まで描き分けられている事が判明します。

私の好きな音は、3>2>>>>>>>>1になるでしょう。
最近気になるのは、ステレオイメージの再現、と呪文のように唱える人の音に、1に当てはまる音が多いと言うことでしょうか。私はこういう音は、むやみと膨らんだ異様な低音と同様、10分と耐えることができません。
ところで、私の鳴らしている音は、3の領域に達しているでしょうか? 贔屓目にはそれなりの水準に達しているとは思いますが、理想まではまだまだ前途遼遠なようです。
posted by とのじ at 10:16 | Comment(6) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月11日

小型スピーカー雑感-2

1の続きです。クロス付近での挙動についてです。
ちょっと資料にリンクを張りながら説明しようとしましたが、膨大になるのでやめました。
概要だけざっと説明します。
・ツィーターについて
ツィーターはfsよりも上で使うことができますが、クロスの周波数を下げるほどに、当然音は汚くなります。経験則ですが、大体の目安として、2次(-12dB/oct)のフィルターで2オクターブ、周波数にして4倍、以上で切る事がツィーターを綺麗に鳴らすため必要なようです。もちろんこの値は、ツィーターによって変わってくるのですが、取りあえず、高級なツィーターほど、下から切ったときの悪影響は少ないようです。ちなみに、ツィーターのfsはほとんどが500-1000Hzの間にあります。つまり、ツィーターのクロスの周波数は、最低でも2-4kHzの間にしておきたいと言う事です。もちろん、これは大雑把な目安であって、どの辺りから使い物になるかは実際に試してみない事には、本当のところは判りません。次回は、その辺の経験談について、書いてみようと思います。
posted by とのじ at 03:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年05月02日

小型スピーカー雑感-1

私の偏愛する小型スピーカーと言うものは、言うまでも無く、妥協の産物です。
可聴帯域のすべてをたった二つのユニットで再生することは不可能です。もちろん、何事にも例外はあります。Raven R3、Manger unit,、DDD unit。これら3種類のユニットは2ウェイでも、音楽の十全な再生が可能です。しかし、これらは極めて例外的な存在です。また、これらにしろ最低域まで質と量を両立させるシステムとなると、どうしても大型なものになってしまいます。
小型スピーカーに低域の制限がある事はもちろんですが、それでも個人的には音楽を楽しむには必要な低音は出ていると思うのですが、それ以上に問題なのが、ウーファーとツィーターのクロス付近での挙動なのです。
と、これからと言うところで引いておいて、後は次回に。
posted by とのじ at 20:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年04月15日

LS3/5aのこと

PICT0410s.JPGサブシステムにLS3/5aをLinn Kann standに載せて使っています。Rogersの古い15Ωのものです。
帯域は現代のシステムと比べると確かに狭いのですが、密閉型のため低域もだら下がりに伸びているので、意外と基音帯域まで聞こえたりします。高域に関しては質がもう少し上がればと思うことはありますが、音楽を聴く分には伸びは不足ありません。ある意味、枠を作ってしまってその中で鳴っているという感じですが、枠の中では質の高い音で鳴ってくれます。サウンドイメージに関しては、鳴らすアンプやセッティングによって様々。机の上でミニチュアで鳴らすことも、スピーカー位置を無視して結構広大なイメージを出現される事もできます。大型モニターが置けない場合のコンソール・モニターとはいえ、さすがにBBC用のモニタースピーカーだっただけのことはあり、機械やソースの違いをよく反映させてくれ、実に様々な貌を見せてくれます。また、様々な音楽ジャンルにも良く対応してくれて、これと言って不得意なジャンルもありません。
最後に、今まで鳴らしたアンプでの印象を簡単に書いてみます。
Quad 33+303: デザインを含めれば、これがベストマッチング。古風ではありますが、LS3/5aが実に典雅に鳴ってくれます。
Naim Nait2: QuadよりはHi-Fiでありますが、ちょっとがさつです。
Musical Fedelity A-1junior: 非常に熱を持つアンプですので電解コンデンサーは、一度交換しています。交換コンデンサーは回路部分はほとんどがBlack Gate N or NX、電源部はサイズが合う音響用コンデンサーが無かったので、汎用コンデンサーですが少しだけ容量を大きくしてあります。ちなみに、オリジナルに使われていたものは全て欧州製の汎用コンデンサーでした。これで鳴らした音は、Nait2よりHi-Fiでかつ、品位のあるものでした。さすがに典雅、とまではいきませんでしたが。
Lux L-570: LS3/5aと合わせると、デザイン的にはアンバランスの極みですが、音は良いです。当時のLuxの温かみのある音で、実に堂々とLS3/5aを鳴らしてくれます。音だけとれば、一番と言えるでしょう。

それで、今はどれで鳴らしているか、ですか? Nait2は友人に譲ってしまったので手元に無いのですが、実はそれ以外のアンプを気分次第で変えて、鳴らしていたのですが、今はもっぱらL-570で鳴らしています。

参考記事:BBCのR&D Reports
(20060909加筆)
posted by とのじ at 01:30 | Comment(2) | TrackBack(0) | オーディオ

2005年03月31日

重い機械は嫌い。

2004_0320Image0018s
なぜか、オーディオに嵌っています。
昔からオーディオマニアの方々は、女性のオーディオマニアが少ないことを不思議に思っているようですが、私に言わせれば、一言で説明がつきます。
「オーディオ機器は重すぎる」
ちょっと良いものになると、単体で20kgを超えてしまうことが普通の世界というのは、非力な人間にとっては拷問でしかありえません。スピーカーにいたっては、15インチウーファー搭載のものなどは、平気で100kgを超えたりします。こうなると、音の良し悪し以前に憎悪の対象以外の何者でもありえません。また、こうしたスピーカーは箪笥並みに大きい上に、箪笥の様に部屋の隅に押し込めることもできません。はっきり言って、邪魔です。
そのような訳で、私はもっぱら小型スピーカーを使ってきました。偏愛しているといっても良いかもしれません。
ただ、小型スピーカーはきちんと鳴らそうとすると、感度が低いためと説明されていますが、駆動力の大きなアンプが必要となります。駆動力も良く定義がわからない言葉ですが、私はスピーカーを入力信号になるべく忠実な形で鳴らすことができること、程度に理解しています。
そして、駆動力の大きなアンプは物理的にも大きくなりがちなのです。私の悩みはここにありました。なんとかして、アンプのダウンサイジングはできないものか、と。
やっと、最近になってそうしたアンプを見つけました。写真はプリアンプの一部ですが、これと対になるパワーアンプを一緒に使っています。大きさは、背面にあるヒートシンクや突起物を除いた本体が420×300×70(mm)程度です。
自分にはちょっと過ぎた贅沢とわかっているので、メーカー等は伏せておきます。判った方も黙っておいてくださいね。
posted by とのじ at 15:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
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