2005年09月01日

小型スピーカー雑感-4

小型スピーカー雑感を1,2,3と書いてしばらく時間が経ってしまいましたが、今回はウーファーについてです。
通常のダイナミック型スピーカー・ユニットでは、ピストンモーションで振動できる帯域でのみユニットを使用することができるのが理想です。ところが、理想は理想であって現実に実現しようとすると、なかなか大変です。
振動板に、紙やポリプロピレンなどの合成樹脂系の柔らかい素材を使用した場合には、20cm程度のユニットでは、ピストンモーションで振動可能な領域は精々1kHzまでです。それ以上の帯域は例えば、このユニットのように分割振動を利用しながら伸ばしていくのです。
このユニットの場合、約800Hzから分割振動はしているのですが、5kHzくらいまでは、0°、30°、60°でほぼ同じ形でレベルが下がっています。これは、5kHzくらいまでは位相特性がそれほど悪くなっていないことを示しているわけで、このサイズのユニットとしては非常に優秀であると言えます。しかし、音圧レベルが30°、60°では急激に下がっている事は放射エネルギーが急激に下がっていることを意味しているので、このユニットが軸上ではを5kHzでも低域と変わらないレベルを保っているからといって、これを5kHzまで使うことには問題があります。このユニットの場合、できれば2kHzクロス、精々3kHzクロスまでで使用するのが無難となるはずです。
また、分割振動をしているのですからピストンモーションでの場合と比較して、周波数特性、位相特性は高域になるほど顕著に悪化します。当然、音質も低下します。
それでは、ピストンモーション領域だけで使用したい場合にはどうしたら良いのでしょうか? 一般にハードな素材を振動板に使えば、ピストンモーション領域は伸びるので、例えば、アルミニウムやマグネシウム合金を使用したユニットを使えばよいのでは、となります。
例えば、このユニットです。このユニットの場合、4kHzまでピストンモーションで振動していますが、ピストンモーションができなくなった時点で10dB以上の高い共振ピークを示します。そのため、このユニットを使用する場合には、ピークキャンセラーが不可欠となりますが、これは音質劣化の要因となります。また、ピークキャンセラーは、単に5kHzの成分の入力をカットするだけですので、例えば、2.5kHzの信号が入った場合に、ユニットが勝手にその倍数となる5kHzで共振すること(つまり歪みとなる)は止めることができません。そして、ピークキャンセルを噛ませる事を条件とすると、このユニットもやはり精々3kHz程度でクロスさせることが望ましいのです。
今回は18cmクラスで比較しましたが、同様なことは若干周波数をずらしただけで他の口径のユニットでも言えるのです。
次回は、このようなウーファーとツィーターをつなげるためのネットワークについて、少しばかり考えるところを書いてみたいと思います。
posted by とのじ at 12:26 | Comment(1) | TrackBack(1) | オーディオ
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Posted by みんなのプロフィール at 2005年09月12日 16:47
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