2005年08月10日

通信のパラダイム転換

既に起きてしまっていることを書き記す行為にどの程度の意義があるのか判りませんが、書き記しておきます。
通信のブロードバンド化は、通信業界にパラダイム転換を迫りました。
それまでの、従量制料金・帯域固定・品質保証の世界から、定額常時接続・帯域保証なし・ベストエフォートの世界への転換、です。
それにより、電話会社の収入構造は大きく変わりつつあります。3年前に「5年後には音声通話は無料になる」と言われても信じられませんでしたが、今「2年後には音声通話は無料になっている」と言われても、「まぁ、そうでしょうね」と簡単に納得してしまいます。と言うか逆に「今更、何を」とさえ思ってしまうかもしれません。
このように、これまで通信会社にとって主要な収入源であった音声電話料金は、数年後にはほとんど無くなってしまうことが誰の目にも明らかになっているのです。
それでは、それに変わる通信会社の収入はなんでしょうか? 常時接続の接続料金だけでは、収入の大幅減少は避けられませんが、実はそれがまだ誰も判っていないのです。
海外の通信会社の中には「データ、IP電話、映像サービス」の3サービスを提供する、いわゆる「トリプル・プレイ」をブロードバンド時代のキラーサービスと位置づけているところもありますが、この分類自体からして、パラダイム転換以前の旧時代の思考です。
FTTHサービスを力技で導入したNTTの場合はさすがにこのような勘違いはしていないようですが、それでも先がどうなるか読みきれていないようです。例えば、NTTグループ中期経営計画においても、ネットワークの充実については具体的に触れていますが、その上で展開するサービスについては、御座なりにしか触れていません。むしろ、ともかく広い帯域をユーザに提供して、新サービスが生まれるのを待って、いつでもそれに載ることができる様に体制を整えているかのように見えます。
このように、パラダイムとは変わる時は実に簡単に変わってしまって、人々もまた容易に慣れてしまうものなのですが、その当事者がパラダイム転換の中で生き残るのは容易なことではないのです。

パラダイムが転換するときにどのような企業が生き残り成長することができるか、今後の通信業界を綿密に観察することによって、ひとつの結論がでるかもしれません。何しろ、ここまで、端的かつ急激で大規模にパラダイム転換が起こった業種は今までないでしょうから。
posted by とのじ at 00:50 | Comment(1) | TrackBack(0) | 情報通信
この記事へのコメント
ここらへん、
放送業界 → 既存地上アナログキー局、地方局、衛星局、CATV網あたりにも、そのまま(でもないけど)当てはまる話なんですよね。
Posted by YAS@螺旋館 at 2005年08月10日 02:43
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