2005年07月25日

Molodiyaの録音とオイストラフ

旧ソ連の国営レーベルMelodiyaと言えば、LP時代には音の悪いレーベルとして有名でした。
まるでベールが何枚も重なった奥から、不鮮明なオーケストラが聞こえてくる、あるいは、妙にヒステリックだったりする、そんな印象が一般的だったと思います。
しかし、CDで再発売されるMolodiyaの旧譜はそうした印象を改めさせるものばかりでした。設備などの限界があったにせよ、CDでは、鮮明でかつスケール感をきちんと収録していようとする努力が伺え、それがある程度、実現しているものがほとんどでした。少なくとも、共産圏の録音エンジニア達も自分の出来る精一杯の努力をしていたのです。結局、旧共産圏のノルマ主義には品質管理の概念が無かったことが大きな原因でしょう。また、録音エンジニアも精一杯の録音をしていて、LPになった時にどういう風に鳴るのかと言うことに無頓着だったようにも思えます。
そうしたマスターテープを1980年代には西側でCDにして、また、共産圏崩壊後は、東側のマスターテープを買い叩いて安売りするレーベル(代表的なものはBrilliantでしょうか)が登場し、東側の録音自体は悪くなかったと再認識されるようになったと思います。
そうした旧Melodiyaの録音のBrilliantレーベルでの発売で最近の出色のものは、これかと思います。
David Oistrakh: Vionlin concertos
オイストラフの代表的な協奏曲録音がほとんど収録されています。録音年は、1939年から1968年までと非常に幅がありますが、1939年のMiaskovskyの協奏曲以外は鑑賞に耐えます。
1947年録音のLaloのスペイン交響曲も、オイストラフのバイオリンはきちんと取れています。オケは遠く帯域は広くありませんがかまぼこ型で、この時期の録音にありがちな高域がヒクテリックになったりしていませんので、聞きやすくなっています。ただ、オイストラフのバイオリンに関しては、非常にオンマイクで収録されているので、装置によってはヒステリックに鳴ることがあるかもしれません。しかし、それは装置の責任であって、録音の責任ではありません。
ノイズに関しては、デジタル処理して減少させてありますが、安上がりに処理したのでしょうか、初期ドルビー録音の息継ぎノイズのようなものが聴こえて、ちょっと気になります。
それでも、この値段からすれば十分「買い」に値するかと思います。クラシックに興味のある方なら、是非どうぞ。
posted by とのじ at 12:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽
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