2005年07月01日

三つのクロイツェル・ソナタ

クロイツェル・ソナタと呼ばれる作品は三つあります。

まずは、ベートーヴェン作曲のヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調op.47.
これは、作品の献呈者にちなんでこの様に呼ばれることになりました。
良くできた美しいヴァイオリン・ソナタで、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタでも一番有名なので、聴いた事のある人も多いことと思います。ここでは、ちょっと厳しい雰囲気のオイストラフ(vn.)とオボーリン(pf.)の盤を推薦しておきます。
さて、今でこそ普通に美しいと感じられるのですが、19世紀の人には、極めて刺激的な音楽に聴こえたようです。そして、トルストイはこのソナタに触発されて、「クロイツェル・ソナタ」という中篇を書きました。
これは、妻を疑う嫉妬深い夫による陰惨な事件を描いたもので、この中でトルストイは、情動を抑えきれない人間の弱さを描いています。ベートーヴェン作のクロイツェル・ソナタはそうした情動を象徴するものとして、この作品の中で効果的に描かれています。
さて、このトルストイの「クロイツェル・ソナタ」を読みショックを受けたヤナーチェクは、この作品に触発されて作曲した弦楽四重曲に「クロイツェル・ソナタ」との副題をつけました。演奏はアルバンベルク・クァルテットで。

休日の暇な午後にでも、三つ続けて楽しんでみるのも一興でしょう。
posted by とのじ at 23:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽
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