2005年06月26日

可哀想なSL700

ほぼ同じ時期にほぼ同じ値段で出た、Celestion SL700とSonus Faber, Electa Amator。
Electa Amatorは、今でも30万円前後で取引されていますが、先日ヤフオクに出たSL700は、スタンド付完動品にも関わらず、\92,000-で落札されました。
Electa Amatorは無垢の寄木細工の綺麗な作りの箱ですが、SL700は、アルミハニカム材で作られていて、非常に丈夫で軽くて鳴きにくい箱ですが、外観は地味なグレーの塗装です。
この様に、両者の外観は非常に大きな差がありますが、現在の価格差は、仕上げの差以上に、鳴らしやすさの差に拠る所が大きいのではないかと思います。
Electa Amatorも実は鳴らしやすいスピーカーではありません。当時でしたら、Lux L-570と組み合わされることも多かったようですが、このアンプではウーファーを制御しきれず、バスレフの癖がそのまま出てしまいます。もちろん、オーケストラのスケールなんて望めません。それでも、小編成の室内楽やボーカルは本物以上に綺麗に鳴らすので、「ソースを選ぶが、嵌るとこれでしか出せない音で鳴る」との評価を得たのでした。実際のところ、当時Sonus Faberがリファレンスとして使っていたSpectralのアンプで鳴らすと、バスレフの癖も影を潜め、きちんとオーケストラも鳴らせるスピーカーなのですが、真価は知られずに表面的な評価ばかりが語られるようになりました。これはこれで不幸なのでしょう。
しかし、SL700は更に不幸です。上記Spectralのような駆動力のあるアンプで鳴らすと実に生き生きと鳴るのですが、アンプが駄目だともう全然です。眠い音しか出てきません。このようにして、SL700は真価を発揮できないまま手放す人が出て、それを安く買った人がもっと安いアンプで鳴らして、やっぱり駄目で売り払って、と悪循環を繰り返し、どんどん安くなっていったものと推測されます。
結局、今ではヤフオクでも、
70万円以上したSL700がこの値段!→初心者が手に入れて安いミニスピーカーと同じ感覚で398位のアンプで鳴らす→当然鳴らない。下手をしたらSL-700の前に使っていたミニスピーカーよりも鳴らないかもしれない→駄目駄目じゃんと勘違いして手放す→さらに価格低下
の悪循環にはまってしまっているような気がします。
これから、SL700やSL600をオークションに出す人は以下の但し書きを書いておくべきかもしれません。
「このスピーカーを本気で鳴らそうとするならば、最低100万円は使う覚悟をしておいてください」、と。
多分、こんな但し書きを付けたら、売れないでしょうが。
posted by とのじ at 11:26 | Comment(4) | TrackBack(0) | オーディオ
この記事へのコメント
かつて、Celestionの小型スピーカーといえば、アンプを奢らないといけないスピーカーの代名詞で、気軽に手を出してはいけないもの。というCommon Senseがあったと思うんですが、最近は、そういうことまで忘れ去られているのでしょうか?

個人的には、トランジスタアンプならQUAD 405/真空管アンプならLEAK Stereo20で充分駆動できるスピーカーでなければ手を出さないようにしています。

# 心中する気になら別でしょうが。
Posted by YAS@螺旋館 at 2005年06月26日 18:45
若い人の間では、忘れられていると思います。
何しろ、某巨大掲示板では、SL-6とSL-600の違いもつかない坊やたちが勘違いして書き込んでいるくらいですから。

>個人的には、トランジスタアンプならQUAD 405/真空管アンプならLEAK Stereo20で充分駆動できるスピーカーでなければ手を出さないようにしています。

とても賢明な判断だと思います。
Hi-Endの小型スピーカーを鳴らす事には、アンプ探しの茨の道を通り抜ける必要がありますから。
Posted by とのじ at 2005年06月26日 22:23
我輩も覚悟の上で、SL700を安く(本当に信じられない位安く)購入しました(笑)
・・・で、ハーマン・カードンのサイティーションXX
をパラAMPで使いましたがダメでした。
出力よりドライブ力なんですよねぇ〜。
売り飛ばす前に、クレルの300i(プリメイン)を繋いだ時、意外に良い音が出たのにビックリ、SL700は、素材と言い、コンセプトと言い全て10年早く出現してしまったと表現すればピッタリでしょう。

ちなみに、我輩のその機は、買い手が見つかっていたので、やむなく売却、今思えば残しておくべきと感じる次第。
Posted by ためしてがってん at 2009年12月01日 13:20
SL700やSL600が相対的に安いのは、あのウレタン塗装の劣化の問題も無視できない様に思います。
 
きっちり鳴らしてあげれば、未だに第一線級だと思います。
Posted by 篠塚 彰 at 2013年12月22日 03:27
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