2005年06月20日

Fostexの進歩

先週末、友人宅を訪問し、長岡鉄男氏設計の「モア」を聞きました。
友人宅のリスニングルームは、約十二畳ほどの広さのしっかりした作りの部屋でしたが、半分は倉庫状態になっていると言う、オーディオマニアにはありがちな状態を呈していました。
「モア」と言うのは、長岡鉄男氏設計のバックロードホーンスピーカーの傑作「スワン」の拡大強化バージョンです。スワンが10cmフルレンジ用であるのに対して、モアは20cmフルレンジのために設計されたシステムで、床面積が、66×60(cm)程もあろうかという、巨大システムです。ユニットは、Fostex FE-208ESが使用され、ホーンツィーターが繋がれていました。
巨大ではありますが、音源は20cmフルレンジ一発とその上に置かれたホーンツィーターだけなので、スワンと同様、綺麗な音場が展開されます。
さて、私は学生時代にスワン(ユニットはFE106Σ)を使っていたのですが、クラシック、特にオンマイクで録音されたヴァイオリンがヒステリックに鳴り、どうにかならないものかと色々やってみたのですが、どうにもなりませんでした。それ以来、Fostexは私にとっては鬼門となり、私は欧州小型スピーカーと欧州製ユニットの世界に流れていきました。
と言うわけで、モアも期待半分不安半分で、聞きに行ったのですが、これが予想以上に良いものでした。
私が持っていったCDとSACDは、かつてのFostexならば苦手としたはずのものでしたが、これらも大きな破綻も無く聴かせてくれた事には、正直驚きました。特に、以前紹介したVangerovのヴァイオリンは絶対上手く鳴らないだろうと思いながらかけたのですが、多少ヒステリックになるところはあったものの、全体としてきちんと鳴らせていた時には、「ホントにFEシリーズ?」とまで思ってしまいました。
もちろんフロンドエンドは、私の使っていたものとは大違いです。私の学生時代に使っていたものは、国産の普通の中級機でしたが、友人宅では、国産ではこれ以上のものはそろえられないだろうと思うような、Hi-End製品でした。
それでも、スピーカーの基本の部分は変わるものではありません。友人宅のモアが聴かせてくれたパフォーマンスは、もう一度、スワンシリーズを作ってみようかと思わせるのに十分なものでした。
もちろん、我が家ではモアなんて作れませんから、一番小さい8cmフルレンジ用のスーパーフラミンゴです。Fostexは鬼門だ、なんて言いながらも、なぜか6N-FE88ESは買ってあったのでした。その時は魔がさしたとしか思えなかったのですが、何か予感するところがあったのかもしれません。
posted by とのじ at 12:35 | Comment(4) | TrackBack(1) | オーディオ
この記事へのコメント
いやしかし、あのモアのパフォーマンスは凄かったですよね…。
あの自然で雄大な低音は聞き惚れたなぁ…。
私も木工技術が有れば作りたいですよ(笑)。
Posted by FZIRO at 2005年06月20日 23:07
低音は本当に長岡派の見本のような、軽くて無理なく出る低音でしたね。
私はそれ以上に、記事にあるような体験をしていたので、中高域の質の良さに「Fostexも巧くなったなあ」と感心して聞いていました。
長岡さんの設計は基本的に組み合わせる箇所が直角だけなので、板を東急ハンズ等で切ってもらえば、素人でも比較的楽に作れます、と今更FZIROさんに言うまでもないとは思いますが。ただ、いきなりモアは辛いでしょうね。
Posted by とのじ at 2005年06月21日 00:47
自分でも記事を書こうかと思っていたのですが、
とのじさんのがうまくまとまってるので、これ以上書く事がないなぁ…

ちょっと思ったのは、従来の長岡式スピーカーというか、旧タイプFOSTEXの音を支持していた人にとっては、単純に音質アップとしては受け入れにくい部分もあるんじゃないかな?とも。
Posted by YAS@螺旋館 at 2005年06月21日 15:04
人それぞれですから、ESの音が受け入れられない人も中にはいると思います。
私個人にとっては、この方向への進歩は望ましいと感じている、で充分です。
ただ、長岡派から欧州系ユニットでの自作へと方向転換したある知人に、このモアの音を聞かせたらどんな反応を示すか見てみたい、とのちょっと底意地の悪い気持ちもあります。
Posted by とのじ at 2005年06月21日 21:58
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