2005年05月02日

小澤のブルックナー

小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラのブルックナーの7番のSACDを聴きました。
ブルックナーと言いますと「キリスト教徒でないと判らない」とまでいう人がヨーロッパにはいたりしまして、宗教性と切り離せないようなところがありますが、この演奏は見事なくらい、聴いたあとに何も残りません。ただ綺麗な音楽の中に身を浸らせるだけの演奏でした。
この様に書くと否定的にこの演奏を捉えているように思われるでしょうが、むしろ逆です。私はこの演奏を否定できないどころか、積極的に擁護さえしたくなります。確かにこの演奏では音楽以外の何物もありません。しかし、それのどこがいけないのでしょうか?
音楽が、音楽として美しく、そこには精神性とか宗教性とかいわれるものは何もない。これこそが、音楽の音響の美としてのひとつの究極の姿ではないか、と思うのです。
小澤がサイトウキネンを積極的に振りたがる理由もこれを聴くと判るような気がします。小澤は何の伝統も無いがゆえに伝統にとらわれず、しかも極めて高性能なオーケストラ、が欲しかったのではないか、と想像するのです。
もちろん、これによって、これまでの演奏のあり方を否定するよう気は到底ありません。ただ、単に精神性なるものの有無で否定してしまうには、この演奏はあまりに魅力的であり完成されている、と思うのです。
posted by とのじ at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック音楽
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