2007年02月02日

「ベストエフォートの日本語訳は“無責任”である」

FOE2007(FiberOptics Expo 2007)におけるNTT西日本社長森下俊三氏の発言です。

【FOE 2007】NTT西日本森下社長、社会インフラとしてのネットワークについて語る
■ 「ベストエフォートは“無責任”」と次世代ネットワークの信頼性確保を強調
 現在、NTT西日本のほかNTT(持ち株)、NTT東日本が実施している次世代ネットワークのフィールドトライアルついて、森下氏はまず既存のインターネットの在り方について「ベストエフォートの日本語訳は“無責任”である」と批判。「ネットワークをインターネットでのみ利用するならばベストエフォートでも良いかも知れないが、社会インフラとして利用するのであれば品質が保証されていない」とし、次世代ネットワークを社会インフラとして確立させる必要性を訴えた。

文脈としては、NTTが現在フィールドトライアルを進めている次世代ネットワーク(NGN)を必要とする理由として、ベストエフォートネットワークでは社会インフラとして不十分、との主張のために出てきた言葉ですが、さすがにNTT地域会社のトップの口から「ベストエフォートは“無責任”」との言葉が出てくると強烈です。
実際、ベストエフォートとは「できるところまでで、勘弁してね」=「できなかったとしても、何もしないから」ですから、”無責任”なサービスではあるわけです。ただし、その分、料金がお安くなっていますと言うことです。
ただ、セキュリティや回線速度の確保などを全くしないわけにもいきませんから、そこのところをどの様にするかにより、つまり「できるところまで」をどのレベルに設定するかによって、各プロバイダーの料金や回線の安定性やサービスの差が発生するのです。
例えば、ADSLと言う物理媒体の伝送速度からして”ベストエフォート”なサービスを廉価に提供しているYahoo!BBに対して「回線速度が不安定」であるとか「セキュリティが甘い」とか「アフターサービスが悪い」と言った批判は筋違いな訳なのです。
“ベストエフォート”の考え方からすれば、料金を下げるとは、「できるところまで」のラインを下げることですから、低料金を謳う”ベストエフォート”サービスを選んだ以上、そうした事は甘受しなければならないものなのです。
言い換えれば、”ベストエフォート”サービスでは、”安全・安心・安定”は当たり前に提供されるものではない特別なサービスなのです。
さて、このように見てくれば、NTTがNGNをやろうとしている理由が判ります。
NGNは既存電話ネットワークも含めて、すべてIPネットワークに入れ替えようとするものですが、それ以上に重要なことは、既存のIPネットワークに欠けていた”安全・安心・安定”を始めとする様々な付加価値を加えることによって、より多様なサービスを行うことができるネットワークを構築しようとするものです。
つまり、NGNは、大容量データを低コストで伝送できるIPネットワークに、従来の固定電話網並の信頼性とそれ以上の柔軟性を持たせることによって、両方のネットワークの良いとこ取りを狙った野心的なネットワークなのです。
NGNはこれまでの固定電話網をIP網に全面更改しようとする野心的な試みですから、しばらくは様々な予想もしなかった不具合も発生することでしょう。それでも、家庭まで100Mの光回線が来ている日本の状況では、いつかは通らなければならない道なのでしょう。

#ちなみに、Yahoo!BBとSoftbank mobileは、全く別のサービスをしていますから、当然分けて考えなければなりません。
Softbank mobileは携帯電話であるとはいえ、"安全・安心・安定"が当然のものとして保障される事が要求される電話事業を行っているのですから、「回線が不安定」「セキュリティが甘い」「繋がり辛い」と言った点は、当然改善されるべきとユーザーが要求すべき項目なのです。
posted by とのじ at 19:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 情報通信
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