2006年03月17日

B&Wのスピーカーに関して

B&Wは今一番勢いのあるスピーカーメーカーです。
さて、この会社の作るスピーカーについては「理詰めな作りで、分割振動を徹底的に排除したスピーカー」であるとの言説がなされることがありますが、これは一部であっていますが、一部は間違っています。B&Wのスピーカーは、確かにユニットやキャビネットには先端的な技術を使用していますが、スピーカーシステムとしてのまとめ方はむしろ古典的な、と言っても良いくらいな伝統に根ざしています。
それを示しているのは、各ユニットのクロスオーバー周波数とミッドレンジユニットです。
ノーチラス800シリーズでは、2wayの805を除いて全て3wayであり、ミッドレンジには全て15cmのコーン型ユニットを使用しています。ちなみに805は16.5cmウーファーを使用しています。
そして、クロスオーバー周波数ですが、全て350Hzと4kHzです。805もツィーターとのクロスは4kHzで変わりありません。
更に、下位シリーズとなる700シリーズですが、これも上は全て4kHz、下は350Hz(703)と150Hz(704)です。ちなみに、ミッドレンジは16cm(703)、16.5cm(704)と、800シリーズより若干大きなミッドレンジとなっています。2wayの705は16.5cmウーファーとなっています。
16cm前後のコーン型ユニットはずっと昔のオーディオ黎明期からお馴染みのフルレンジユニットであり、日本で最も有名なものとしては、Diatone, P-610があります。B&Wはこの伝統的な口径のコーン型ユニットを最新技術でリファインして、ミッドレンジ、あるいはウーファーとして使用しているのです。
そして、このユニットを350Hz-4kHzと言う広い帯域で使用しているのです。ちなみにこの帯域はほぼ電話で伝送される周波数帯域とほぼ同じです。つまり、B&Wの800シリーズと700シリーズの上位2シリーズでは、古典的な形式のユニットを現代の技術でリファインして、音声再生で最も重要な帯域を任せているのです。
即ち、800シリーズと700シリーズはフルレンジに上と下を足したシステムと見ることができます。このように、B&Wの上位2シリーズは、システムのまとめ方としては、極めて古典的である、と言えます。
このような、最新技術で製作したユニットを、極めて古典的な手法でまとめてスピーカーシステムとしている点が、多くの人の支持を集めている理由の一つなのかもしれません。
ちなみに、分割振動ですが、15cmのコーン型でしかもケプラー繊維を編み上げた柔らかい振動板ですから、4kHzまでピストンモーションで振動することは不可能です。B&Wはこのユニットの分割振動を上手にコントロールして良い音を出しているのです。この様な点にこそ、B&Wのスピーカー作りの巧さの一端が伺えます。
posted by とのじ at 13:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
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