2008年07月03日

オーディオと技術―2

一昨日の続きです。

オーディオでカルトが蔓延るようになった原因について、以下の二点を挙げました。
第一には、技術を理解している人が少なくなった。あるいは、それ以上に技術を理解していると誤解している人が増えたことです。

第二には、現在の技術レベルでは定量的な解析に非常に手間が掛かる(不可能とは思いませんが)割に、得られるものが少ないために定量的な解析が行われなくなったこと。
ここでは例としてデジタル技術についてあげましょう。
第一の要因については、私がわざわざ指摘するまでもないでしょう。デジタル技術について勘違いあるいは無知なまま、攻撃している文章はいくらでも見つけることができます。
第二の要因としては、以前私が書いた以下の文章をまず参考としてください。
オーディオの中のデジタル、カルトに関する短い随想
これに付け加えるならば、振動による音質変化は特に定量的な解析が難しいものと思われます。
他にも、不要輻射による影響や電源変動による影響はデジタル信号の波形の変化として観測することはできますが、それがどのように音に影響するのかを定量的に解析できるところまでは行っていません。
また、ジッターによる音への影響もまた指摘されていますが、これもまた定量的な解析はなされていません。
と、デジタル信号とその副次的産物による影響に関する経験的な知見はかなり増えてきましたが、定量的な解析に関してはまだ、ほとんど手が付けられていない状態です。そして、定量的な解析なくして、それは工学とは言えません。
このような状態ですから、デジタルでもまた、しばらくはカルトは根絶し得ない状況なのです。
まあ、工学の粋のようなデジタル技術でカルトが流行るのもまた一興、とオーディオ機器の開発なんかに携わっていない私としては、気楽に嘯いていられるのですが。
posted by とのじ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
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