2008年07月01日

オーディオと技術

昨日と同様、書き散らしのまま。

オーディオにここまでカルトが蔓延るようになったのは、何故でしょうか。
原因は大きく分けて二つあると思います。
第一には、技術を理解している人が少なくなった。あるいは、それ以上に技術を理解していると誤解している人が増えたことです。
第二には、現在の技術レベルでは定量的な解析に非常に手間が掛かる(不可能とは思いませんが)割に、得られるものが少ないために定量的な解析が行われなくなったこと。
ケーブルを例にして、これを見てみましょう。

第一の要因については、色々と心当たりがある人も多いでしょう。様々なケーブルメーカーや個人が様々な理屈をつけて、自己正当化している様を見た経験は、オーオタなら、一度や二度はあるはずです。
そうした人たちはかなり、初歩的なところで勘違いしている場合もあるので、不思議に思う人も多いでしょうが、思い込みの強い人と言うのはどこにでもいるものです。
第二の要因については、伝送理論の歴史を見れば容易に判ります。
伝送理論は、通信の発展と共に進歩を遂げていきました。それは、より多くのデータ(より高周波)をより遠くまで送るための技術の歴史、であったと言い換えても良いでしょう。
それに対して、オーディオにおけるケーブルの役割とは「(精々10m程度までの)短距離での音声周波数データの高品位伝送」です。
はっきり言って、この領域の研究は従来の伝送理論ではほとんどなされていません。それはそうでしょう。「より高周波をより遠くへ」と研究している立場の人からすれば、音声周波数を10mなんて「エナメル線でも通る研究価値のない分野」に過ぎない訳でしたから。
しかも、このくらいの低周波になると近似による簡略化が効かず、かなり複雑な式を解いて検証することになります。それも、高品位伝送となるとどこのどの程度の差が効いてくることになるかさっぱり判らない状態から始めなければなりません。
で、これをこれからまじめに研究しようとするとしましょう。そうすると、かなり面倒そうな分野ですから人的、金銭的リソースがかなり必要になると予想されます。それで出てくる成果と言えば、わかる人には多少音が良くなったかなと思える程度の差、では、とてもでありませんが、リターンが少なすぎます。
そのような理由で、「短距離での音声周波数データの高品位伝送」の真面目な研究は、今後も行われる事はほとんどないであろうと断言してしまってもいいでしょう。

結局、これからもケーブルはカルトに染まったまま、オーオタはケーブルメーカーに貢ぎ続けることになるのです。いや、自分もそうなんですが、何とも間抜けな話です。
ただ、正しい理論が解析されて、それに基づいたケーブルが作られたとしても、オーオタはそれだけでは満足しないことも確かでしょう。これもまた確実に言えることです。

例が一つだけでは寂しいので、デジタル技術も例にあげましょうか。
と、言うところで、次回に続きます。
# 気が向いたら、ですが。
posted by とのじ at 00:02 | Comment(1) | TrackBack(0) | オーディオ
この記事へのコメント
AVCTNEGYと申します。
30数年間機器用電線の仕事をしてきました。
ケーブルの伝送理論では、「伝送する信号の波長に対して短い場合は集中定数回路として扱う」と言うことが基本で、ケーブル技術者は承知していることです。即ちオーディオの場合は波長に対して、使用されるケーブルの長さは充分短いので、一般の回路部品として扱うことが出来ます。ケーブルの等価回路はR,L,G,Cで構成される4端子回路で、定域濾波器に似ています。
AVケーブルの設計に必要な技術やデーターは現存しているのですが、実際にケーブル設計をしている方がこれらの技術内容に無知な方が、デザイン重視で設計された商品を、これもこの技術に無知な雑誌社等が有難い商品の如くPRしていることが問題だと私は思っています。
ただ、AV機器に使用される回路部品の抵抗やコンデンサを替えると音が変ることと同様に、ケーブルに使用する、導体や絶縁体でも音が変ります。例えば、同じ構造のケーブルで、導体だけ材質を、TPC、OFC、6N−OFC、PCOCCと替えて製造し、実際に音楽を聞くと、違った音がします。これは設計する技術者のKnow−howだと思います。これは同じ食材を使用しても料理人が違うと違った味がすることに通じています。
詳細は下記URLをご覧下さい。
http://homepage2.nifty.com/NEGY/
Posted by AVCTNEGY at 2009年03月22日 11:25
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